スポーツでの怪我から早期復帰へ
予防も含めたリハビリテーション
中之島いわき整形外科
(大阪市福島区/福島駅)
最終更新日:2022/05/19
- 保険診療
学生アスリート、アマチュア選手、小・中・高生の部活動、一般のスポーツ愛好者など、熱心にスポーツに取り組んでいるうちに、肩や肘などに慢性的な痛みを抱えてしまったり、捻挫や打撲などケガを負ってしまうことがある。「痛みやケガを負ったアスリートが、早期回復、再発防止、そして機能の向上をめざすのがスポーツリハビリテーション」と語るのは、2021年5月に「大阪整形外科病院(旧・中之島いわき病院)」の分院として開院した「中之島いわき整形外科」の祷(いのり)史明院長。同院では一人ひとりの思いに寄り添いながら、理学療法士や本院と連携し、チーム医療で多くの患者をサポートしている。祷院長と、同院でも診療を行っている本院の松川哲也先生に、スポーツ障害のリハビリについて詳しく聞いた。
(取材日2021年5月27日)
目次
本院と分院、医師と理学療法士が連携。スポーツ障害の治療や予防、再発防止、パフォーマンス向上に取り組む
- Qスポーツリハビリテーションとは何ですか?
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A
【祷院長】一般のリハビリテーションは、病気やケガにより生じる体の痛みや手足のしびれといった症状に対して行います。一方、スポーツリハビリテーションは、学生アスリート、アマチュア選手、スポーツ愛好家などが、スポーツをすることで生じる骨、関節、筋肉、神経など「運動器」に関わる痛みや故障に対して行います。スポーツへの復帰だけでなく、症状の再発防止、さらにはパフォーマンスの向上を図ることが目的となります。同じ動作をし続けることにより生じる腰、膝、肩の痛みといったスポーツ障害や、捻挫や打撲、骨折、肉離れ、靱帯損傷などのスポーツ外傷に対応することができます。
- Q復帰から再発防止を見据えたフォローについて教えてください。
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A
【松川先生】症状の回復と再発防止を見据えた治療、リハビリテーションを心がけています。それにはまず、痛みや不調の原因を抽出することが必要となりますので、患者さんから、スポーツの種類やポジション、どのような支障が出ているのかなどを十分に聞き取ります。その上で超音波機やMRIを併用し、筋肉や靱帯、骨の状態を詳細にチェック。その後、ボールの投げ方、蹴り方、歩き方などの動作の解析を行い、痛みの原因を把握します。医師が診断を行い、治療計画を立てた後は、ケガの治療に取り組みながら、理学療法士とともに正しい動きの獲得に努め、再発防止やパフォーマンスの向上をめざします。
- Q130平米のスポーツリハビリルームを備えているのですね。
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A
【祷院長】当院は1階が検査部門と一般のリハビリ室、2階が待合室と診療室、3階には人工芝生を使ったフィールドを含む130平米を超えるスポーツリハビリエリアを備えています。私自身も学生時代はラグビーに熱中していて何度も捻挫をした経験があり、復帰する際に再発しない動作の確認などを行える場所があればいいなと感じていました。またスポーツ選手の捻挫予防のためのトレーニングや、投球動作トレーニングなどは屋内では行いにくいという声をよく聞いていたことから、当院の開設にあたりスポーツリハビリルームを導入することにしました。実際の芝に近い感覚でリハビリを行えるのではないでしょうか。
- Q学生やアマチュア選手へのサポートで重視していることは?
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A
【松川先生】「直近の試合に出たい」「長い目で見てしっかり治したい」など目標や希望はさまざまです。私たちの役割は、ケガを治し、復帰までのプログラムを一人ひとりに合わせて設定しサポートすること。またケガをして落ち込みがちなアスリートのメンタル面も配慮しています。ケガは良くないものとネガティブに捉えがちですが、スポーツをするとある程度のケガはつき物なんです。リハビリに取り込むことで、自分の体のことを知り、これから改善すべきことがわかると、再発予防にもつながります。前向きな言葉かけで、気持ちをリセットし、最大限のパフォーマンスを発揮していけるようフォローしていきます。
- Q多職種、本院との連携で包括的なサポートを実施しているとか。
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A
【祷院長】一人ひとりに合ったスポーツリハビリテーションを進めるためには、多職種が連携したチーム医療が欠かせません。私のほか、医師はスポーツ整形の分野に特化した医師が診療を行っています。また理学療法士は野球やサッカー、ラグビー、バレーボールなどの経験者でスポーツに造詣が深く、適切にアドバイスができるスタッフばかりです。さらに、手術が必要であれば本院で行い、退院した後のリハビリは当院で行うなど、必要に応じて本院である「大阪整形外科病院」と連携し包括的なサポートを実施しています。