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加藤 裕真 院長の独自取材記事

ひばりクリニック

(春日井市/春日井駅)

最終更新日:2021/10/12

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春日井市と小牧市の境、桃山地区にある「ひばりクリニック」。2020年11月に開業したばかりの新しいクリニックで、呼吸器内科を中心に、一般内科・糖尿病内科・皮膚科・漢方内科まで幅広く対応している。たくさんの花や木が演出する広大な庭は四季折々の風情が感じられ、木のぬくもりが感じられる院内は落ち着いた雰囲気。物腰やわらかな加藤裕真院長のモットーは「予防から最期の看取りまでしっかり診る」。一人ひとりに寄り添った医療を提供するため、患者やその家族の意見に耳を傾けることを重視し、親密なコミュニケーションによる信頼関係を築いている。また、訪問診療を実地で学ぶために3つの在宅医療専門クリニックで勤務した経歴を持ち、同院でも訪問診療に力を注いでいる。

(取材日2020年12月22日)

地域に根づき、悩みに応えるクリニックをつくっていく

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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外科医師である父の背中を見て育つ中で、めざすきっかけになったのは幼稚園の時に野口英世の映画を観たことです。手にやけどを負いながらも顕微鏡一つで戦う姿がかっこいいと感じて。感染症という目に見えないものに興味が湧き、古くて新しい学問というイメージを持ちました。その頃からなんとなく訪問診療にも興味があり、自分の患者さんを最後まで看取りたいという想いがありました。それに祖父が住職でしたので、人の死というものに幼少期からふれていたのも影響していたのかもしれません。祖父の「万人に優しく」という教えが、医師への道を後押ししたように思います。

開業にあたり、この地を選んだ理由は?

前職では近隣にある、つばさクリニックで院長を務めさせていただきました。この桃山地域は春日井市と小牧市のちょうど境で、どちらの市にも大きな市民病院がありますが、キャパシティーオーバーで医療が不足していると感じていました。春日井駅までバスで行かなければ通院できず、ご高齢の方にとっては交通の便も悪い。なんとかお役に立てないものかと思っていました。一方で車があれば高速道路のインターから近く、訪問診療にも適しています。もともとこの地には45年前からクリニックがありましたが、2年前に院長先生が体調を崩され閉院していました。そこで私にお声がけいただき、自分の力を試してみたかったので開業しました。

クリニックの名前の由来やこだわりを教えてください。

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ヒバリは欧州では愛の象徴ともされており、地面に巣を作るという性質があります。お悩みに応えられる場所として地域に根づいていくという決意を込めました。また、「ひばり」といえば国民的歌手が陽気に歌っているイメージがあり、楽しく話せる環境づくりをしたい、という意味も含んでいます。というのも当院は高血圧や糖尿病など生活習慣病の予防にも力を入れています。問診の時間をできるだけ長くとり、ふだんは言いにくい生活習慣について、話してもらいやすい雰囲気をつくりたかったからです。そのため四季折々の花や木を見ることができる広い庭、木の温かみが感じられる院内にこだわりました。

「聞く耳」が患者や家族の不安を減らす

専門科目や得意とする分野について教えてください。

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専門は呼吸器内科です。研修医時代に、市民病院は肺炎が多く、大学病院はアレルギー疾患や感染症、肺がんが多いことがわかりました。そこで内科の中でも、呼吸器内科こそが究極的で総合的な診療科ではないかと思いました。大学時代に詳しく教えてくださった先生がいたのと、研修医時代に上司の人柄に惹かれたのもきっかけとなりました。在宅医療については、がんの終末期に治療を目的とせず、充実した時間をめざすターミナルケアに、病院でできることの限界を感じていました。肉体的にも精神的にも大変なのは理解していましたが、若いうちにしかできないし、体力勝負で挑戦してみようと思いました。研修医時代に医療機関が少ない地域で、幅広く勉強させていただけたのも、在宅医療に踏み込めたきっかけになったと思います。

在宅医療の難しさや醍醐味はどんなところにありますか?

患者さんやご家族の「不安」という要素がとても強いのが在宅医療の特徴です。その点で些細なことから相談に乗れるのがクリニックの利点ですね。反面、病院ならば多職種が協力する仕組みがありますが、クリニックのマンパワーは限られています。個々がいかに最大限のパフォーマンスを発揮できるかがポイントでもあり難しさです。また、ご家庭によって考え方は大きく異なります。例えば、緩和ケアの場合、最期の過ごし方についてなどケアマネジャーさんを交えて方針を定めますが、画一的なマニュアルでは対応できません。ここに難しさがあります。面白いのはご自宅にヒントがあることです。喘息の方ならばアレルギーの原因があるのではないか? 糖尿病や高血圧の方ならばどんな食事をしているのか? 暮らしている環境や生活習慣を実際に見ることで、原因がわかるケースも多いです。

診療の際に心がけていることは?

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話しやすさ、傾聴力を磨いています。医療の現場では数値やエックス線検査だけではわからないことがある反面、たわいもない会話の中に治療のヒントが隠されていることも多いです。特に在宅医療の場合、不安があっても、外向けの顔をされる方が多く、なかなか本音で話してくれません。まずは、その方の生い立ちや考え方を理解した上で、本音を引き出せるように努めています。こちらが話す時は「わかりやすさ」ですね。難しい言葉で説明するのは簡単ですが、伝わらなければ意味がない。かみ砕いて伝えることを突き詰めていかないと、医師として成長できないと思っています。いかに不安を少なくして、いかに生活の質を上げる環境づくりができるかが在宅医療のポイント。時間はかかるけれど、できるだけお話を聞くことで信頼を得る。「通院できなくなっても責任を持って面倒を見ます」というスタンスです。

街の主治医として頼られる存在をめざす

印象深い患者さんとのエピソードを教えてください。

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以前、「80代だし、もう治療はできない」という肺がんの方がいらっしゃいました。呼吸機能が低下しており、通院するのがやっとという状態でしたが、奥さまが抗がん剤でつらい思いをしたというご経験から、当初はがん治療を拒否されていました。しかし、3日間にわたり根気よく説得した結果、同意を得られ、適切な治療につなげることができました。一般的にはそのまま緩和ケアになってしまうようなケースでしたが、その患者さんの主治医として、丁寧な対応ができたように思います。

今後、力を入れていきたい医療について教えてください。

呼吸器系疾患の中でも特に咳の診療ですね。咳は誰にでも起こるので身近ですが、薬を飲んでも止まらない、夜眠れないといった悩みにつながることの多い、とても苦しい症状です。喘息をはじめとしたアレルギー関連の診療には積極的に力を入れていきたいです。また、お子さんの場合、一生付き合っていかなければならない、人生に関わる問題となる場合もあります。幼少の頃からアレルゲン(アレルギー症状の原因となる物質)を少なくする必要性を、保護者も含めてお話しするようにしています。保護者の方が意識するだけでも、症状の度合いは違ってくると思います。患者さんの生活に入り込み、ちょっとした不安をなくす。そんな医療を提供していきたいですね。

読者にメッセージをお願いいたします。

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「お一人お一人しっかり面倒を見させていただく」をモットーに、予防から最期の看取りまで、総合的に責任を持ってやらせていただきます。また、地域の憩いの場をつくるのも医師の役割。ふらっと立ち寄れるような、親しみやすい場所になったらいいなと思っています。実際に「コンビニどこ?」と聞かれた方もいらっしゃいました(笑)。医療に限らず、できることであれば対応いたしますので、まずはなんでも相談いただきたいと思います。当院の屋根にはソーラ―パネルを設置し、24時間の停電にも対応する蓄電池も備えています。災害時にも医療を提供し続けたいと思いますし、避難所にしていただいても構いません。困った時こそ頼られる存在でいたいと思っています。

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