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間世田 佳子 院長の独自取材記事

ませだ耳鼻咽喉科

(鹿児島市)

最終更新日:2021/10/12

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科 main

紫原エリアの中心地に2020年9月5日に開院した「ませだ耳鼻咽喉科」。院長を務めるのは、鹿児島大学耳鼻咽喉科で約20年にわたり勤務医として先端医療に携わってきた間世田佳子先生。同院では女性医師による診療と地域密着、子どもとハンディキャップファーストの診療を柱に掲げ、一人ひとりに寄り添った丁寧な医療を心がける。中でも、「聴力は知能の発達と密接に関係している」と耳に関する診療に注力。また、すぐに結果がでない根気のいる治療にも「だからこそやりがいがある」と言い切る間世田院長のパワフルで愛情あふれる人柄に迫った。

(取材日2020年8月7日)

女性医師の視点を生かした丁寧な診察を

開院されるにあたって、この地域を選ばれたきっかけを教えてください。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科1

この場所を選んだというよりは、ここに土地があったので開院することになったというのが本当のところです。親戚がテナントとして貸していた場所が空いていたことから、「親戚の中で誰か、この場所で事業をする人はいないか」という声が上がり、私に白羽の矢が立ったという次第です。2001年に鹿児島大学医学部を卒業後、同大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室に入局して約20年間、先端医療に携わってきました。このままずっと大学病院で勤務医として働くのだと思っていましたので、人生って面白いですね。人生が80年とするとその折り返しで思わぬ方向転換となりました。背中を押してもらったからには、私だからできる、というようなクリニックにしていきたいと思っています。

クリニックのロゴマークは「親子のウサギ」ですね。その思いをお聞かせください。

クリニックの特徴を表すロゴマークには、診療科目である耳、鼻、喉に特徴のある動物を使いたいなと考えていましたので、直感でウサギに決まりました。ウサギはとても生命力が強い生き物で、子孫繁栄の象徴にも例えられるそうです。併せて女性医師という点から母性を表現したくて「親子うさぎ」にしました。お母さんウサギには額帯鏡という耳鼻科の必須道具をつけて、足には私のアルファベットであるMを忍ばせました。ちなみに私の干支でもありますので、年齢もわかるのではないでしょうか。このウサギのモチーフはキッズスペースほか、クリニック内に隠れているので、探してみてください。

クリニックの診療方針を教えてください。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科2

クリニックの大きな特徴として地域密着と女性医師、子どもやハンディキャップファーストの診療を掲げています。この紫原エリアは長い坂道沿いに住宅が立つ地域ですが、クリニック内は段差のないバリアフリーにしたかったので、傾斜を切り崩してフラットにしてもらうよう地盤改良をお願いしました。通路幅は車いす基準にしています。また、私を含めスタッフは全員が女性で、しかも半数以上は子育て真っ盛りのママです。女性ならではの視点も大切にしながら、「耳鼻科の治療って怖そう、痛そう」などのイメージや不安に寄り添えるよう、きめ細かな対応で、子どもからご年配の方まで一人ひとりに合わせた診療を丁寧に行っています。

従来の開業医としての役割から一歩進んだ治療へ

院長が耳鼻咽喉科の医師をめざした理由を教えてください。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科3

疾患を治す方法として導いてくれる外科手術に魅力を感じてきました。中でも内科的治療と外科的治療の両方を併せ持つ耳鼻咽喉科に興味を持ちました。一般的には、耳や鼻、喉の病気が専門だと思われていますよね。でも実は、脳から下の頭部、肺から上の頸部にできるさまざまな病気も扱っています。この範囲の手術を行う専門分野は、頭頸部外科と呼ばれていまして、主な疾患としては喉頭がんや咽頭がんなどがあります。これまで勤めてきた鹿児島大学病院耳鼻咽喉科ではさまざまな手術を行い、手技を磨いてきました。また、耳鼻咽喉科は、人間の五感の中の聴覚・嗅覚・味覚をつかさどる3つの感覚器を扱う診療科目でもあります。皆さんの豊かな生活をサポートする分野という部分にも惹かれました。

クリニックでは、耳に関する診療に注力していると伺っています。

生活する中で、多くの情報は耳から入ってきますよね。聴力は知能の発達と密接に関係しています。耳からの情報が得られなければ、言葉を発することはありません。がんを治すのもやりがいがありますが、人が聴覚によって知能や知識を獲得していく姿を目にすると胸がときめきます。聴力の改善は1歳までの治療が重要。私はこれまで先天性難聴の障害がある子どもたちをたくさん診てきましたが、根気強く治療を続けることが、音がする世界というものを感じ、言葉を理解してしゃべるということにつながっていきます。すぐに成果が出るような治療ではありませんが、「今、普通小学校に通っています」という患者さんからのお話を聞くと、長く続けてきた分、感動もひとしおです。子どもは柔軟性があるので、治療は無理という診断を受けても、奇跡を信じて根気よく治療を続けることが大事だと思っています。

ハイレベルな医療機器もそろえられたとか。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科4

そうなんです。クリニックを開院するにあたって、耳鼻科用の内視鏡やCTスキャンなどを導入しました。奮発して勤めていた大学病院で使っているものと同じ機器を入れました。これを導入したことで、検査結果がデータとしてすぐに出てくるので、患者さんに対し「多分○○だと思う」というニュアンス的な診断ではなく、しっかりとした確定診断ができるようになります。私がこれまで培ってきた実績と経験を加味しながらガイドラインにも即して治療法を提案することが治療への近道になるはず。今までの開業医としての役割は、原因がわからないときは大きな病院へつなぐというかたちだったと思いますが、私は一歩踏み込んで、開業医で粘れるところは粘って治療をしていきたい。立ち行かない場合は、手遅れにならないタイミングで連携している高次医療機関にバトンタッチするということを徹底したいです。

寄り添った診療で、地域の人々の健康と笑顔のお手伝い

仕事をバリバリこなしながら、プライベートでは4人のママ。すごいですね。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科5

結婚したのは37歳の時なので、いわゆる晩婚になります。38歳で1人目を出産しまして、今は7歳の長男を筆頭に4人のママです。結婚するまでは仕事大好き人間で、若い頃は週2回の当直をこなし、そのまま日勤に流れ込むこともよくありましたね。猛烈に仕事に打ち込む中で「このまま独身でいるのかな」と考えて、先のことを思い悩む時期もありましたが、悩んだ揚げ句「健康な肉体には健康な精神が宿る」と分析しまして、マラソンを始めました。そこで出会ったのが夫。今は子育てに協力的な良きパパです。高齢での子育ての利点は、子育てに余裕が持てるところでしょうか。これまで小さな患者さんで子育ての疑似経験もたっぷりと培ってきましたので。

パワフルウーマンでいられる秘訣を教えてください。

パワフルでいられるためにも食生活は大事ですよね。おいしいものを食べることと子どもがいることが生活の糧となっています。とはいえ家に帰れば子どもが4人いるので、毎日がびっくり箱をひっくり返したようないろいろなことが起こります。家の隣に両親が住んでいるのですが、日々の子育ては両親の強力なサポートがなくては成り立ちません。もう、感謝しかないですね。週末は、元気いっぱいの子どもたちのパワーを発散させるためにも、出かけることが多いです。コロナ禍の今は、空気もきれいなキャンプ場によく行きます。そこで火起こしをしてバーベキューを楽しんだり、コーヒーを入れたり。いい息抜きになっています。

読者へのメッセージや今後の展望についてお聞かせください。

間世田佳子院長 ませだ耳鼻咽喉科6

耳鼻科の疾患として全国的に多いアレルギー性鼻炎の治療に対しては、免疫療法も行っています。アレルギーの原因物質に体を慣らしていく免疫療法は、何年、何十年と飲み薬・点鼻薬、点眼薬で治療を続けてきた患者さんを治癒・寛解へと導くことが期待できる方法として注目されています。また、今後の展望としてですが、このクリニック周辺には幼稚園や保育園がたくさんあるので、地域のクリニックとして健康管理面でお手伝いができればと思っています。今まで大学病院で約20年と長く働いてきた分、鹿児島県下に知り合いのドクターがたくさんいます。そのコネクションも生かしながら、地域に根差したクリニックとして成長していければうれしいですね。

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