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林 揚春 院長の独自取材記事

優ビル歯科医院

(新宿区/早稲田駅)

最終更新日:2024/03/05

林揚春院長 優ビル歯科医院  main

東京メトロ東西線早稲田駅の3a、3b出口を上がってすぐの交差点に面し、通勤・通学途中にも立ち寄りやすい好アクセスの「優ビル歯科医院」。林揚春(よしはる)院長は、歯科診療に携わって40年以上の大ベテラン。早くから口腔全体を診る診療に取り組み、現在は体全体とのバランスを重視した歯科診療を実践。歯のメンテナンス指導に加え、骨密度測定や食事のアドバイスなども行っている。インプラント分野では、従来の半分以下の治療期間で済む抜歯即時埋入という治療法に注力し、講演活動なども精力的に行っている。「口腔状態悪化によるQOL低下をできる限り早く改善してあげたい」と語る林院長に、同院の診療やめざす医療について話を聞いた。

(取材日2023年12月8日)

長年の診療を通し、良い治療を選ぶ大切さを改めて実感

あと数年で開業40周年を迎えられるとか。

林揚春院長 優ビル歯科医院 1

最初の拠点としてスタートし、現在は顧問を務める千葉の「上志津中央歯科」を開設してから今年で40年。当院は少し遅れて1986年に開業しましたので、今年で37年目、40周年まであと3年となります。大変ありがたいことです。長く診療を続けていると、通ってくださる患者さんの年齢層も上がり、治療ニーズも変化してきます。また、良い治療は年を経るごとにその成果が目に見えてわかってきますし、逆に良くない治療はそのしわ寄せが10年後、20年後にトラブルとなって顕在化することも。将来のことを考えて、良い治療を選択することの大切さを改めて実感しますね。

顕在化するトラブルとはどのようなものなのでしょうか。

例えば神経を取る治療です。現在は主流となる方針も変化してきましたが、従来痛みがある場合、神経を取り除く治療が比較的簡単に選択されてきました。治療時点で痛みの解消を図るという意味では有用なのですが、神経を取ってしまった後は、歯の質が悪化し、割れやすくなってしまいます。将来的に歯を守るうえでは、神経を抜くことが良い選択肢とはいえないケースも少なくないのです。過去に神経を抜く治療を受けた患者さんでは、年齢とともに歯質が弱くなり、抜歯を避けられなくなる場合も。年齢が上がるごとに、失う歯の本数は増えてしまいます。

歯を残す治療が大切ということでしょうか。

林揚春院長 優ビル歯科医院 2

確かに将来的な環境を考慮し、歯を残すことをめざすのは大切です。しかし、すべてのケースで歯を残すことが最優先されるべきとは考えていません。人間の歯の寿命はせいぜい50年程度であるのに対し、昨今は人生100年時代と言われています。歯の寿命は人間本体の寿命に届かないのですね。例えば、60代、70代を迎えた方の場合、その後のケアは誰がするのかを考えると、苦心して歯を残すことがベストな選択とは思えない場合もあります。さらに年を取って寝たきりとなる前に、いかに手入れしやすい口腔環境をつくっておくかが重要なのではないでしょうか。そういう意味では、歯を残すことにこだわらず、よりメンテナンスしやすい入れ歯やインプラントをあえてお勧めする場合もあります。

患者の負担軽減をめざし、インプラント術式改良に尽力

インプラント治療では抜歯即時埋入法も実施されているとか。

林揚春院長 優ビル歯科医院 3

従来、下顎で5~6ヵ月、上顎では8~9ヵ月かかっていたインプラント治療期間の短縮を図る方法です。抜歯の際にできた抜歯窩にそのままインプラントを埋入するため、改めて歯茎を切開する必要がなく、手術回数も減らせます。インプラント治療が必要となる患者さんは特に高齢の方が多いにもかかわらず、従来の方法では手術の負担が大きすぎると感じたことが、術式改良に取り組みはじめたきっかけです。その後も、「患者の負担を軽減し、歯がないことによるQOL低下をなるべく早く解消する」ための術式改良を継続しており、直近では骨移植・骨補填を用いない方法も提唱しています。低侵襲・短期間の治療で、患者負担とともに感染リスクの低減も期待できる方法です。

術式改良の根底には、患者さんへの思いがあるのですね。

治療のために歯がない状態や痛み、腫れといった、患者さんにとっての不利益を、できる限り少なくして差しあげたいという思いがすべてのスタート地点です。抜歯即時埋入であれば、抜歯したその日に仮歯まで入れることができますから、ある程度の制約はありますが、手術を受けたその日から通常に近い状態で食事を楽しんでいただくことが期待できます。より良い状態をめざして受ける治療で、患者さんに大きな負担を負わせるようなことがあってはならないというのが、私の基本的な考え方なのです。

診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか。

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一口腔単位、さらには全身で診ることを心がけており、体成分と骨密度の測定なども行っています。スタッフにも「口ばかりでなく、体全体を診なさい」と常に声をかけていますね。歯は体全体に影響しますから、高齢者の健康を守るには口の中だけでなく体全体を診なければいけないのです。歯が整っていて硬いものがしっかり噛めれば、体のバランスが取れて転んで骨折ということが起きにくくなりますし、タンパク質・ミネラル・水分がしっかり摂取できて低栄養を防ぐことにつながります。噛み合わせが良くてしっかり噛んでいると脳の血流が増加しますから、認知症にもなりにくいと思います。ですから、歯科衛生士にも、口の中だけでなく体全体の知識を持ち、患者さんがひとり暮らしなのか家族と同居しているのかといったバックグラウンドも探り、すり足や踵をつけない転びやすい歩き方をしていないかといった体全体の観察するようにと伝えています。

治療選択を支える、セカンドオピニオンにも対応

貴院のスタッフさんについて教えてください。

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歯科医師は私以外に3人、歯科衛生士が10人、歯科技師が6人在籍しています。院内ミーティングを実施して患者さんや治療の情報共有を徹底しているほか、これまでにお話ししたような、全身を診る歯科診療や患者さんの負担軽減を優先する治療の方針といったものは、スタッフ全員でしっかりと共有できていることから、ブレなく診療にあたれていると感じています。

歯科医師をめざされたきっかけはありますか。

やんちゃな子どもで「授業中、実によく遊ぶ」と通知表に書かれるほど。高校に入ってからそろそろ勉強しないとまずいなと気付き、親の意向で理科系に進みました。一度は機械工学分野で進学したのですが、図面や数式ばかりを相手にすることにつまらなさを感じ、人と接して役に立てる仕事をしたいという思いから、歯学部に入り直したのです。好きなことには夢中になるタイプなので、そこからは一心に勉強しました。その後、当時から一口腔単位で診ることを提唱されていた噛み合わせ治療で知られる先生が主催する勉強会に入り、文字通り朝から晩まで働きました。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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現在、当院を中心に実践している、患者さんの負担を抑えた治療を、全国の一般的なクリニックにも広めたいというのが目標です。若手ドクターの育成に加え、講演や出版といった活動にもさらに力を注いでいきたいと考えています。また、こうした良い治療の選択肢があるということを、歯科医利用に携わる人に限らず、みなさんにも広く知っていただきたいですね。少し前に上顎洞への骨補填材埋入を原因とする副鼻腔炎に罹患した有名人がニュースになったことがありました。これも、治療の選択肢がほかにあることを知っていれば避けられたことです。一つの意見で決めることなく、幅広く意見を聞いて、最良の治療を選んでいただきたいと思います。知らないということは恐ろしいこと。当院でもセカンドオピニオンのご相談はお受けしていますので、お気軽にお声がけください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント本体/25万円~、歯列矯正/110万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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