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鼻詰まりや後鼻漏の症状にも
慢性上咽頭炎のBスポット療法

中野島たきぐち耳鼻咽喉科

(川崎市多摩区/中野島駅)

最終更新日:2023/05/08

中野島たきぐち耳鼻咽喉科 鼻詰まりや後鼻漏の症状にも 慢性上咽頭炎のBスポット療法 中野島たきぐち耳鼻咽喉科 鼻詰まりや後鼻漏の症状にも 慢性上咽頭炎のBスポット療法
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「喉の違和感がなかなか取れない」「鼻の奥の痰が喉に回る感じがする」「副鼻腔炎の治療をしても症状が改善しない」。そんな悩みを持つ場合に、考えられるのが慢性上咽頭炎だ。副鼻腔炎(蓄膿症)と症状が紛らわしく、見逃されがちな病気だという。その治療法として、注目されているのが「Bスポット療法」。鼻の奥にある上咽頭の炎症の治療目的で、患部に直接、薬を塗布するというものだ。そこで、慢性上咽頭炎に対するBスポット療法を積極的に行う「中野島たきぐち耳鼻咽喉科」滝口修平院長に、Bスポット療法について取材した。

(取材日2023年3月15日)

副鼻腔炎とまぎらわしい慢性上咽頭炎に対して行うBスポット療法

QBスポット療法とはどのような治療なのでしょうか?
A
中野島たきぐち耳鼻咽喉科 Bスポット療法を積極的に行う医院

▲Bスポット療法を積極的に行う医院

鼻と喉の間、鼻の一番奥の粘膜を上咽頭と呼び、ここに風邪などで急性上咽頭炎という炎症が起き、これが長引いてしまったものが慢性上咽頭炎です。この慢性上咽頭炎に対して、炎症を起こしている粘膜に直接薬を塗布する治療が「Bスポット療法」です。上咽頭炎は、実は多くの方がかかっている病気で、Bスポット療法も昔からある治療法です。最近になって、炎症に対する治療のメカニズムなどが明らかになり、再び注目されるようになってきました。最近、手がける耳鼻咽喉科医師が少しずつ増え始めています。

Q治療の特徴や治療の流れを教えてください。
A
中野島たきぐち耳鼻咽喉科 丁寧な説明やカウンセリングをしてから治療をする

▲丁寧な説明やカウンセリングをしてから治療をする

日本で始まった治療で、上咽頭を鼻咽腔(びいんくう)とも呼ぶことから、Bスポットというのはローマ字読みの頭文字を取ったものです。最近は、上咽頭擦過治療という呼び方から英文表記の頭文字を取ってEATともいわれます。治療では、まず鼻から細いカメラを入れて検査を行い上咽頭炎と診断できたら、塩化亜鉛溶液を染み込ませた綿棒を左右の鼻の穴から入れ、上咽頭に擦りつけます。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の検査と同じ要領です。それだけでは改善しにくい場合、口から薬を塗布することもできます。

Qどんな症状の時にこの治療を行うのでしょうか?
A
中野島たきぐち耳鼻咽喉科 塩化亜鉛を鼻の中または口の中から綿棒で上咽頭に塗布する

▲塩化亜鉛を鼻の中または口の中から綿棒で上咽頭に塗布する

慢性上咽頭炎の症状は、鼻の奥の痛みや違和感、鼻詰まり、痰など分泌物が鼻から喉に回る後鼻漏などです。炎症を抑えるための薬を粘膜に塗布することで、これらの症状の改善につながることが期待できます。また上咽頭の近くには自律神経があるため、この治療で自律神経も刺激される可能性があります。慢性上咽頭炎は、副鼻腔炎(蓄膿症)と症状が似ているため、「副鼻腔炎ではないか」と受診した人や、副鼻腔炎がなかなか治らないという人が、慢性上咽頭炎であったり、またはこれを併発していたりすることもあります。花粉症やアレルギー性鼻炎がある場合も上咽頭炎が悪化しがちですので、注意が必要です。

Q痛みがあると聞きますが、どの程度の痛みなのでしょうか?
A
中野島たきぐち耳鼻咽喉科 患者の負担軽減のためさまざまな工夫をしている滝口院長

▲患者の負担軽減のためさまざまな工夫をしている滝口院長

炎症がある所に刺激を加えるので、それなりに痛みはあります。ただし、実際に痛いからと治療を中断する方はまれですので、許容できる範囲の痛みだと思います。インターネットなどで「泣くほど痛い」との感想もあるようですが、鼻に綿棒を入れるので涙が出るのは自然な現象です。当院では、あらかじめ鼻の奥に麻酔スプレーを行い、また患者さんの鼻の形に合わせて、できるだけスムーズに綿棒が出し入れできるよう意識するなど、痛みを軽減できるように工夫をしています。目を閉じると鼻の穴が狭くなるので、目を開けるよう声をかけたり、痛みに弱い方は初回は薬の塗り方を軽めにしたりすることもあります。

Q治療にかかる時間や治療期間、注意点などを教えてください。
A
中野島たきぐち耳鼻咽喉科 処置時間は数分で、治療期間は症状の程度によって変わるという

▲処置時間は数分で、治療期間は症状の程度によって変わるという

処置時間は数分で、ネブライザーの吸入を入れて合計5分はかからないぐらいです。1回の治療では効果につながらないことが多いので、週に1回、3ヵ月間程度治療を続けるというのが一つの目安です。症状がつらい場合は週に2回行うこともありますし、治療期間は症状の程度によって短くなったり長くなったりします。鼻血は出ませんが、上咽頭から少量出血することがあり、それが喉にまわって血混じりの痰が出ることがあります。治療後に微熱が出たり、鼻や喉がじんじんしたり、一時的に腫れぼったい感じになったりしますが、治療に伴うものなので心配はいりません。治療前後は特に気をつけることはなく、通常と同じように生活して構いません。

ドクターからのメッセージ

滝口 修平院長

当院には、Bスポット療法を受けたいという患者さんが遠方からも来られます。慢性上咽頭炎の患者さんは比較的多いですが、病気そのものやBスポット療法はあまり知られていません。風邪が長引く、体調不良が続く、副鼻腔炎の治療では改善しないという方などが慢性上咽頭炎なら、Bスポット療法を行うと症状が改善につながるかもしれません。同様に新型コロナウイルス感染症にかかった後の症状の中にはBスポット療法が適するものがある可能性があります。「痛い治療」というイメージがあるようですが、どれくらい痛みを感じるかは人によります。慢性上咽頭炎の症状に心当たりのある方や治療の痛みが不安と思われている方はぜひ相談してください。

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