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滝口 修平 院長の独自取材記事

中野島たきぐち耳鼻咽喉科

(川崎市多摩区/中野島駅)

最終更新日:2024/03/06

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科 main

中野島駅から徒歩30秒に位置する「中野島たきぐち耳鼻咽喉科」は、滝口修平院長が2020年に開業した。滝口院長は昭和大学医学部を卒業後、昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科、横浜労災病院耳鼻咽喉科医長、昭和大学藤が丘病院耳鼻咽喉科医局長を歴任し研鑽を積んできた。中野島ののどかな地域性に惹かれこの地で開業し、地域医療に貢献したいという想いで日々診療に取り組む。同院では一般耳鼻咽喉科の診療や、アレルギー検査などに対応。「患者さんのお話をしっかりと伺って、ベストな診療につなげたいです」と話す滝口院長。温和な語り口で一つ一つ丁寧に言葉を選ぶ姿に情熱や使命感を感じられる。今回、上咽頭擦過療法(Bスポット療法)や補聴器の外来について解説してもらうとともに、医師になった経緯や診療への思いなどについて話を聞いた。

(取材日2022年11月28日)

再注目される上咽頭擦過療法(Bスポット療法)とは

開業にあたり、どうして中野島を選ばれたのでしょうか?

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科1

以前の勤務先が横浜だったので、周辺で検討し始めました。中野島は住宅街で、川崎市という都会にありながら川や梨畑があり自然に囲まれた地域です。町の雰囲気がのどかで地域住民の方の雰囲気の良さを感じてこちらで開業することに決めました。この地域で昔からの知り合いがいる訳ではなかったのですが、 今ではご近所のお店の方とも仲良くさせてもらっています。当院を受診される方は、地域のお子さんからご高齢の方まで幅広いですし、ご家族皆さんで受診されることも多いですね。

ところで、なぜ耳鼻咽喉科の領域に進まれたのですか?

生物の授業が好きで得意分野でもありましたし、祖父の勧めもあり高校生の時に医師の道を志しました。学生時代に運動部に所属しており、その影響でお世話になっていた整形外科の領域に最初は興味がありましたね。大学で勉強をする中で、より興味深く、赤ちゃんから高齢者までより多くの患者さんに携われるのは耳鼻咽喉科だと気づき専門に選びました。また、この道を選ぶなら最終的には身近な地域密着の医療に携わりたいと考えるようになり開業に至りました。

こちらでは、上咽頭擦過療法(Bスポット療法)の治療も取り入れているそうですね。

Bスポット療法は上咽頭炎に対して薬を塗布する治療なのですが、取り扱っているクリニックはあまり多くありません。 何十年も前から治療法として存在していましたが、また最近、改めて注目されている治療法です。上咽頭炎は、鼻水が喉に回って落ちてきたり、痰が絡むなどの症状が長引いてしまっている時に疑われます。上咽頭炎の症状はさまざまで、うつ傾向や耳鳴りといった鼻や喉と一見関係がない症状も上咽頭炎に起因することがあります。最近では、新型コロナウイルス感染症の症状が治まったあとも上咽頭の炎症がくすぶっている患者さんも多く、当院でもそのような相談での受診も増えました。

上咽頭炎の治療は具体的にどのように進めるのでしょうか?

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科2

上咽頭は直接目視できない場所にあるので、 鼻からファイバースコープを挿入して上咽頭に炎症があるかを確認します。炎症が確認できたら、Bスポット療法を提案します。この治療は、綿棒の先に薬をつけ、それを鼻から入れて突き当たりの上咽頭に塗布するだけですので、比較的短時間で終わります。患者さんによっては痛みを感じたり血がにじんだりすることがあります。治療期間は週に1〜2回、全10〜15回程度を1コースとして約3ヵ月です。ただ、症状の改善を実感できる期間は患者さんによって異なり、中には1ヵ月程度で終了する方もいます。3ヵ月以上長引く方にはその後も継続して治療を行います。この治療は幅広い年齢の方に受けていただける治療ですし、治療時に生じる痛みや出血に関しては後遺症のように残るようなものではありません。鼻の奥、鼻と喉の間の違和感や、長引く後鼻漏に悩んでいる方はぜひご相談ください。

日常を快適に過ごせるよう微調整に努める補聴器の外来

補聴器の外来も行ってるそうですが、耳鼻咽喉科で補聴器の相談をするメリットはどういったことでしょうか?

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科3

耳鼻咽喉科なら患者さんの聴力を検査などを通して把握できますので、そもそも補聴器の必要性があるのかを適切に判断することができます。聞こえにくいと感じていても、耳垢が詰まっていることが原因ということもありますし、中耳炎であれば、治療することで聞こえ方の改善が期待できる可能性もあります。人によって難聴のタイプや程度は違うので、左右どちらの耳につけたほうがいいのかを判定したり、音域によって音量を微調整していきます。重要なのは、一度セットしたからといっておしまいにはならないことです。補聴器は週1回から2週に1回確認しながら2、3ヵ月かけて耳に合わせる作業が必要となります。自分の耳に合った状態に調整しないと補聴器の機能は十分に発揮されません。しっかりフィットさせた後も定期的にメンテナンスや適宜聴力検査を行いながらフォローしていきます。

補聴器を耳に装着すれば、すぐに聞こえが良くなるものではないのですね。

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科4

例えば検査結果が同じ聴力の人がいても、生活環境や使用する場面が違えば求める音の質もそれぞれ違ってきます。一人暮らしであまり人と話す環境にない人と、働いていて会議などが多い人では、求める音は変わります。まずは聴力検査のデータに合わせて設定し、その後にフィードバックをしてもらいます。雑音が気になる、この時の音は大きくしてほしいといった希望を聞いて周波数ごとに微調整を繰り返していきます。ご本人が日常生活に不便を感じるようであったり、ご家族からみて呼びかけに対して反応が鈍いなどあれば補聴器の使用を検討すると良いですね。聞こえない状態を放置すると認知症が進むというデータもあります。聞こえが悪くなるとコミュニケーションが取りづらくなり、自分でも話すことが面倒臭くなってしまいます。ですから、補聴器を正しく使って音の刺激を適切に入れることも大切です。

誰もが何でも相談できる街のかかりつけ医に

当日結果が出るアレルギー検査にも注力されているそうですね。

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科5

新鋭の機器を導入し、指先から採る少量の血液で花粉症や食物アレルギーなど41項目について調べられるようになりました。結果は最短30分程度で出ますので当日中にお知らせができます。最近では、この検査を知ってかなりの遠方から来院される方もいますし、痛みを感じにくい検査方法なので、小さいお子さんの受診も増えてきていますね。

診察で患者さんと向き合う時はどういったことを心がけていますか?

困っている気持ちに寄り添いたいですし、何でも相談してもらえるくらい患者さんと打ち解けたいと思っています。いくら腕が良くても、医師とコミュニケーションが取れないとか、冷たくあしらわれた、と患者さんが感じてしまうような機械的な診療はしたくないです。私は話が長くなってしまいがちなのですが、「言いたいことがあったけれど、忙しそうにしているから今日はやめておこう」という事態にならないようにという思いもあります。「こんなこと聞いていいのかな」と思うような素朴な質問が、治療を進める上でヒントになることもあります。患者さんが言いたいことを聞き漏らしなく伺って、ベストな診療につなげたいと思っています。

先生の休日の過ごし方を教えてください。

ランニングを少しずつ始めています。学生時代は陸上部で駅伝をしていたのですが、大学卒業後は何もスポーツをしておらず、最近は体の切れが悪くなったように感じていたのです(笑)。子どもの運動会の父母競技に参加するためにも頑張っています。とはいえ、休日の朝に走ろうとすると子どももついてきて、結局一緒に公園で遊んでいることも多いですね。

今後の展望も含めて、読者にメッセージをお願いします。

滝口修平院長 中野島たきぐち耳鼻咽喉科6

開業してまだ2年少しなので、当院を知らない方も地域にいらっしゃると思います。困ったらここに来れば良いと多くの方に感じていただけるとうれしいです。耳鼻咽喉科以外の領域であっても、医師としての知識で答えられることは相談に乗ります。老若男女の人に来てもらえる、この地域のために貢献できるようなクリニックをめざしてこれからも診療を続けていきたいです。

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