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岩間 洋亮 院長の独自取材記事

心越クリニック

(品川区/大崎駅)

最終更新日:2020/10/06

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品川区大崎を拠点に、品川区・港区・大田区・世田谷区・渋谷区など半径16km圏内を対象とした訪問診療を行っているのが「心越クリニック」。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医である岩間洋亮院長が2020年8月に開院したクリニックだ。マンション一室の拠点を訪れると「24時間365日対応を可能とするため、自宅に近いこの場所に拠点を構えました」と岩間院長が笑顔で迎えてくれた。回復期病院での勤務経験から、自宅での生活に寄り添う医療の必要性を実感し、自宅での生活こそが最良のリハビリテーションと考え、同院の開院に至ったという。開院から1ヵ月を迎え、さらに充実した体制を整えつつある同院の拠点で、医院にかける院長の想いやめざす医療について、話を聞いた。
(取材日2020年8月31日)

病院での治療の先にある、生活に寄り添う訪問診療を

開院おめでとうございます。まずは開院に至られた経緯をお聞かせ願えますか。

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ありがとうございます。リハビリテーション科専門医は全国に2000人ほどいるのですが、そのほとんどが急性期や回復期の病院に勤務しています。私自身も長く回復期病院に勤めてきましたが、病院でできる限りの治療をしても、退院後また戻ってこられる方が多いことに気づき、どのような治療を行えば自宅での生活の質を向上できるのかといったことに興味を持つようになりました。総合病院に勤務する医師は病院に常駐していることが当たり前で、患者さんのご自宅を実際に目にする機会はほとんどありません。しかし、間取りの詳細やご家族の状況など、患者さんのご自宅を訪問して初めて得られる情報はとても多いのです。そうした経験を通して、患者さんにとって病院での治療と同様、あるいはそれ以上に重要であるのはご自宅での生活であると思うに至り、ご自宅での生活に介入する医療を展開する訪問診療のクリニックをオープンすることとなりました。

拠点としてこの場所を選ばれたきっかけは?

単純に自宅に近かったからです。24時間365日の対応を行うためには、自宅とクリニックが近いことが第一条件となります。ここを拠点として品川区・港区・大田区・世田谷区・渋谷区などの患者さんを対象に訪問診療を展開しています。半径16km圏内をエリアとしていますが、墨田区や杉並区、世田谷区あたりまで訪問が可能です。交通の便が良い場所ですので、意外に時間をかけず移動することができています。急速に再開発が進む大崎、東五反田エリアは、古くからの街並みと新しいものが出会う面白い場所。個性豊かな店舗がそろっており、面白い人との出会いやお付き合いも楽しめます。

患者としてはどのような方が多いのでしょうか。

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医療を必要としながら通院が難しい方が対象ですので、本当にさまざまな方がいらっしゃいます。大きな病気を経験されて後遺症に悩まれているご高齢の方やパーキンソン病やALSなどの進行性の疾患をお持ちの方、身体障害者、小児まひのお子さん、精神疾患でご自宅から出るのが難しい方などです。がんなどで終末期の医療を必要とされている方、ご自宅での看取りを希望されている方などもいらっしゃいます。

自宅での生活の質向上を支援していくための取り組み

飲み込みのリハビリテーションに力を入れていらっしゃると伺いました。

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病院での食事は問題なく召し上がれていたのに、退院後に誤嚥性肺炎を繰り返す方は多くいらっしゃいます。飲み込みに障害が出てしまった患者さんに、どんな食事を提供すればいいのかご家族が悩みを抱えられるというケースも。そうした方に、ご自宅の食事を使っての嚥下内視鏡検査と言語聴覚士による嚥下リハビリテーションを行っています。ご自宅での検査では鼻から内視鏡を挿入し、普段口にされているもの、好んで食べたいものを食べた際に、実際に嚥下の状態がどのようなものであるかをモニターで確認します。「大好物が○○なのですが食べても大丈夫でしょうか?」といったご家族の不安をクリアにしていくのです。検査によって把握した状態に合わせて、口腔ケアや嚥下体操、嚥下訓練といった基礎訓練や、実際の食べ物を使った摂食訓練など、咀嚼と嚥下に関わる機能を回復をめざすリハビリテーションを、言語聴覚士が指導していきます。

訪問でのA型ボツリヌストキシン製剤を使った治療も行っていらっしゃるのですね。

美容医療の分野で広く知られているA型ボツリヌストキシン製剤ですが、脳梗塞などの後遺症である筋肉のつっぱり・痙縮の治療にも用いられます。しかし、A型ボツリヌストキシン製剤療法を行っている医療機関は多くなく、特に訪問で行っているとなるとかなり少ないようです。膝や股関節に痙縮が起こると歩行困難により通院が難しくなるだけでなく、おむつの交換が難しくなるなどご家族の介護負担も増加してしまいます。ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質・ボツリヌストキシンを成分とする薬剤を注射することで、筋肉を緊張させる神経の働きを抑え、緊張を和らげることをめざします。投与には12週以上開ける必要があるため、年に数回注射することになります。

そのほかにも幅広く対応していらっしゃいますね。

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はい。さまざまな機能回復のためのリハビリテーションはもちろん、内科的処方から外科的処置まで幅広く対応しています。私は外科の経験もあり、ご高齢の患者さんの転倒による裂傷の縫合を行ったりもしています。また、身体障害者手帳の申請に必要な診断書の作成や、申請に関わるサポートも可能です。

自宅での総合病院水準の専門診療をオンラインで可能に

オンライン診療についても教えてください。

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通常のオンライン診療では、ご自宅の患者さんをクリニックにいる医師とオンラインでつないで診療を行います。これに対し、当院のオンライン診療では、医師がオンライン診療用のデバイスを患者さんのご自宅に持参します。より高い専門性が必要とされるケースで、病院の専門科医師と患者さんをつなぐのです。これにより、眼科や皮膚科、婦人科、精神科など、あらゆる診療科の専門的な診療を受けることができます。自宅にいながらにして、総合病院水準の診療を受けることが可能となるのです。

診療の際に心がけていらっしゃることはありますか?

リハビリにおいては、患者さんの「○○をできるようになりたい」という気持ちがとても大切です。「楽しい」「うれしい」といったポジティブな情動を引き出す快刺激こそが、機能回復を大きく前進させるのです。訪問診療では患者さんの生活の場に赴くことで、ご本人の趣味や嗜好、欲求などを拾いやすくなるというメリットがあります。このメリットを生かしたお声がけで、例えば「愛するペットの世話をできるようになりたい」「母校の学園祭に行きたい」などといった前向きな気持ちを引き出すようにしています。常に「利他の心」を大切に、諦めず「絶対に治す」という気持ちを持って、患者さんのメリットにつながるアイデアがあれば、とにかく試してみるように心がけています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当院での訪問診療、訪問リハビリテーションを通して地域貢献を続け、志を同じくする同志を増やしていきたいと思っています。いつか国の医療の枠組みにも働きかけ、医療のネットからこぼれ落ちてしまう患者さんが救われる国になるといいですね。9月からは尊敬する原田文植先生が加わり、医師2人体制となります。長く在宅医療にも関わっていらした先生のご経験を当院でも発揮していただけることを心強く感じています。23区内を中心に広く訪問させていただいておりますので、お困りのことがあればぜひ頼っていただきたいと存じます。

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