川野 瞬 院長の独自取材記事
かわの歯科口腔クリニック
(久留米市/南久留米駅)
最終更新日:2025/02/04

南久留米駅から車で約5分の場所に位置する「かわの歯科口腔クリニック」。久留米の聖マリア病院のほか、北九州や佐賀のクリニックで経験を積んだ川野瞬院長が、「地域の人にとって一生のかかりつけ医になりたい」と開業した。子どもや働き世代が多く通い、子どもの虫歯治療や小児矯正、専門的に学んできた補綴物、インプラント治療などに力を入れて取り組む。精度の高い安全な治療を行うため、歯科用CTや口腔内スキャナーをはじめとした先進の機器を導入している。中でも川野院長は口腔内スキャナーに精通しており、講演会では講師も務める。「患者の話には丁寧に耳を傾け、不安や希望に寄り添った治療を心がけています」と話す川野院長に、診療方針や患者に対する思い、今後の展望を語ってもらった。
(取材日2023年8月3日)
子ども時代から関わっていけるクリニックをめざし開業
こちらでは、どのような患者さんを診療されているのでしょうか?

ほとんどがこの近くに住んでいる地域の方で、子ども連れなどファミリー層が多い印象です。高齢の方もいますが、全体に占める割合としては子どもや働き世代が中心となっています。子どもは1歳や1歳半くらいから診察していますね。治療だけでなく定期検診にもしっかり通ってくれる患者さんが多いのと、小児矯正のニーズが強く、子どもの歯科治療に対する意識の高い地域柄だと感じています。
歯科医師をめざしたきっかけや、これまでのご経歴についてお聞かせください。
私には仲の良い、年の離れた妹がいます。彼女が子どもの時に虫歯になってしまって、かかった先の歯科医院で必要以上に歯を削られてしまったことがありました。本当にかわいそうで、両親もとてもショックを受けていました。その出来事がきっかけで「健康な歯をなるべく残す治療をしたい」と考えるようになり、歯科医師を志して大学へ進みました。大学卒業後、研修医の2年間は聖マリア病院の歯科口腔外科に在籍し、全身管理や親知らずの抜歯をはじめとした外科的治療ばかりやっていました。研修医を終えた後は、北九州市にある筒井歯科・矯正歯科医院へ。噛み合わせや補綴物、矯正について詳しく学び、佐賀のとがし歯科医院に移ってからは5年間クリニックの分院長を務め、インプラントやデジタルを活用した審美歯科の技術を身につけました。補綴物やインプラント、審美歯科についてはさまざまな症例で経験を積んできたので、非常に得意な分野になります。
開業を決めたのにはどのような理由があったのでしょうか? また、久留米を選んだのはなぜですか?

これまでもやりがいのある仕事を任されてきましたが、もっと自分のやりたいように治療したいという思いが強くなったというのが一番の理由ですね。開業まで働いていたクリニックは、どこも比較的年齢の高い患者さんが中心でした。私自身子どもが好きなので、成人治療と合わせて赤ちゃんの検診や治療、食事の指導など、子どもの時から関わっていけるクリニックを始めたいという思いがありました。久留米は、研修医時代に過ごした、思い出深くなじみのある土地でもあります。中でもここは大きな小学校の学区が重なる土地で、駐車場も十分なスペースが確保でき、親子連れでも通いやすい理想的な場所でした。
先進機器を導入し精密で患者の負担が少ない治療を実施
診療におけるデジタル化を積極的に進めていると伺いました。

補綴物は口腔内スキャナーのデータをもとにコンピューターで作製していますし、根管治療の際にはマイクロスコープを活用しています。インプラントについても、歯科用CTと口腔内スキャナーを使うことでより精度の高い治療がめざせます。機器の中でも、私は口腔内スキャナーの使い方について専門的に学んできました。昔は粘土のような素材を使って歯型を採っていましたよね。あの感触がなんとなく気持ちが悪いという方もいたでしょうし、失敗するともう一度採り直さなくてはなりませんでした。一方、口腔内スキャナーは口の中を撮影するだけですし、足りなければその部分を撮影すればいいので、時間も短縮できます。より精密に安全に、患者さんに負担の少ない治療を行うためにも、デジタル化は必須だと考えています。
患者さんの主訴として多いものを教えてください。
子どもの歯並びが気になるという方と、メタルフリーの補綴物やインプラントを希望される方が増えていますね。まずは子どもの歯並びについてですが、当クリニックではマウスピース型の装置を使った矯正を行っています。歯並びは見た目はもちろん、機能的に非常に重要なものになります。歯並びが悪いまま放置してしまうと、歯磨きがしづらく虫歯や歯周病になりやすいなどのリスクがあるからです。早い段階で矯正を始めることで、将来的に健康に育っていけるお口をつくるのが目標です。子どもたちには、口腔内スキャナーの3D画像を実際にタッチしてさまざまな角度に動かしてもらいながら、「ここをこう矯正していくよ」と説明しています。視覚的に興味を持ってもらうことで、本人のモチベーションアップにつなげています。
補綴治療でメタルフリーを希望する場合、どのようにアプローチしているのでしょうか?

補綴については、佐賀のとがし歯科医院で働いていた時から毎日と言っていいほど行ってきた治療になりますので、技術には自信があります。金属とメタルフリーの大きな違いは、自然な見た目に加えてしっかり接着するという点です。金属の場合は合着のため、時間の経過とともにセメントが溶け出し、歯と詰め物の間に隙間ができてしまいやすいのですが、メタルフリーはセメントから違う素材を使ってしっかり接着させるため、外れにくく虫歯にもなりにくいのです。金属アレルギーの心配がないというのもありますね。こうしたメリットについて説明させていただいた上で、あくまでも選択肢の一つではありますが、患者さんにはメタルフリーをお勧めしています。
患者の思いに寄り添いながら、先進の治療を提供
診療の際に心がけていることを教えてください。

カウンセリングを丁寧にしっかり行うことです。当クリニックでは、患者さんと情報を共有して歯科医師とのつなぎ役になるトリートメントコーディネーターを2人配置し、初診のカウンセリングや治療計画の説明などを専門のスタッフが担当しています。1人ずつしっかりと時間を取ってカウンセリングを行っていますので、気になっていることや歯科医師に言いづらいことがあれば、スタッフに何でも話してください。歯科治療においては、患者さんに寄り添って話を聞くことが何よりも大切だと思っています。私も、痛みがある方に対してはまず共感して、「つらかったでしょう」「大変でしたね」と声をかけることで、緊張を取り除けるよう心がけています。
多忙な日々を過ごされていると思いますが、ご自身のリフレッシュ方法はありますか?
私には5歳の娘がいまして、現在子育て真っ最中です。休日は公園やプールへ遊びに行って、子どもと過ごす時間に充てています。一緒に遊ぶといい運動になりますし、子どもはとてもかわいいので自然とリフレッシュになっています。同じ親として、子育てされている皆さんの楽しさや大変さ、そして不安になる気持ちはとてもよくわかります。そのため、お子さんに対してはわが子に接するような気持ちで診療していますし、子育て世代に寄り添った治療をしていきたいと思っています。
今後の展望と、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

今後は、管理栄養士を配置して食育や栄養管理ができる体制にする予定です。また、往診を始めるための準備も進めています。基本的には当クリニックに通っていただいている患者さんで、通院が難しくなった場合にこちらから出向いていけたらいいなと。かかりつけ医として患者さんの口の健康を一生診ていきたいと考えています。患者さんと一緒に年を重ねながら、子どもたちの成長を見守っていくのが歯科医師としての目標です。当クリニックは症状や病気を治療するだけでなく、患者さん自身に向き合うことを大切にしています。引き続き、私自身も技術や機器について常にアップデートを重ね、ここ久留米で先進の歯科治療を提供していきたいと思います。かかりつけ医をお探しの方がいましたら、いつでも相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/38万5000円~、インプラント治療/44万円~、セラミック治療/4万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/33万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。