子どもから大人まで
むし歯や歯周病の正しい予防ケア
でぐち歯科・こども歯科
(北九州市八幡西区/東水巻駅)
最終更新日:2022/11/18
- 保険診療
口の健康は全身の健康と深く関わっていることが、数多く報告されている。長く健康に過ごすためには、むし歯や歯周病の症状が出て慌てて受診するのではなく、定期的なメインテナンスでトラブルを事前に防ぐことが大切。人生100年時代ともいわれる中、全身の健康のため、予防歯科の重要性がますます高まっているのだ。親子連れでの受診も多い「でぐち歯科・こども歯科」の出口浩也院長は、それぞれの年齢に応じた予防ケアによる早期発見・早期治療のための取り組みを勧めている。出口院長に、予防を意識するタイミングや日常生活での注意点、予防歯科の実際について解説してもらった。
(取材日2022年10月12日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q予防歯科は、なぜ大切なのですか?
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A
例えば歯周病は糖尿病や脳血管疾患など、全身の健康状態に影響を及ぼす病気と関連があります。また当院には妊婦さんも多く来院されますが、歯周病が進行していると、低体重児出産や早産のリスクが高まるという報告もあります。お子さんの場合、親御さんからお口の細菌がうつるケースが多いので、親子で予防ケアをすることが大切です。乳歯はどうせ生え替わるから多少むし歯になってもと思われる方もいるかもしれませんが、乳歯がむし歯になると、永久歯もむし歯になりやすかったり歯並びが乱れたりすることがわかっています。ですから、定期的に歯科医院でケアをしながらお口の中をチェックし、トラブルに早めに対処していくことが大切なのです。
- Qいつ頃から予防を意識するべきですか?
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A
お口の中の細菌状態は奥歯が生えてくる1歳半から2歳半くらいの間に決まってきます。そのため歯が生え始めてから2歳半頃までの間に、親御さんのお口の中の細菌がなるべくうつらないよう気をつけることが予防の第一歩です。幼児期や学童期では、ブラッシング指導や食事内容に関する注意喚起、フッ素の塗布による予防もしていきます。中学生になると、親の目が届きにくくなることでむし歯になるケースも多々見受けられますので、私たちがしっかりとフォローしていけたらと思います。大人になると今度は歯周病の予防も必要になってきます。年齢に応じたケアをしていくことで、長くご自分の歯で噛むことが期待できるでしょう。
- Q歯の健康のため、日常生活の中で注意すべきことはありますか?
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A
お子さんの指しゃぶりや口呼吸は歯並びや噛み合わせに影響を与えますし、不規則な間食のとり方はむし歯の原因になります。兄弟で下の子になるほど、糖質の多いお菓子を食べ始める年齢が早い傾向にあるので注意してください。お子さんとの箸の共有なども控えましょう。歯ぎしりや食いしばりは歯周病の危険因子ですので、お口の中を拝見して所見が認められる場合はお伝えしています。当院では、日常生活での注意点をまとめたシートをお渡ししていますので、どうぞお役立てください。歯科医院でのメインテナンスと患者さん自身の日常での心がけ、両方が組み合わさって初めてきれいな状態の維持がめざせるので、一緒に頑張っていきましょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診とカウンセリング
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まずは問診票に記入。主訴や気になっている症状をはじめ、歯科医院へ来るのはどれくらいぶりなのか、全身疾患の有無、服用している薬など全身状態を把握。このほか、治療で嫌な思いをしたことはないか、治療を終えておきたい希望日はあるかといった、治療に対する要望も丁寧にヒアリングする。
- 2口腔内の検査と治療計画
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エックス線写真や口腔内写真を撮影し、歯周ポケットの深さや歯茎の状態をチェック。子どもの場合は口の中を診察して、必要があればエックス線検査をする。これらの検査で得られたデータをモニターで見せながら説明し、患者の希望などを聞きながら、治療計画を立てていく。今は症状が出ていないけれど今後悪くなりそうな箇所についても、将来的なリスクを説明し、同意が得られたら治療計画に加える。
- 3クリーニング
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専用の器具を使って、歯科衛生士が歯をクリーニング。日頃の歯磨きでは落としきれない汚れを丁寧に除去し、表面を磨いていく。歯の表面を滑らかにすることで汚れがつきにくく細菌が繁殖しにくい口腔内環境に。同院では、症状が強い場合は治療を先にするが、基本的には口の中を一度きれいにした上で、必要な治療を行っていく。
- 4治療
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問診や検査によって治療の必要性が確認された箇所を、計画に沿って治療していく。子どもの場合、診療台に横になってくれない、治療器具を口の中に入れられないといったケースもあるが、緊急性がなければ、段階的に歯科医院という場所や器具に慣れていくトレーニングから入り、安心して治療に臨めるよう診療の段取りを調整していく。
- 5メインテナンス
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治療後のきれいな状態を保つには定期的なメインテナンスが大切。同院では、治療前の状態と、治療後の状態を比較して来院間隔の目安を提示。患者が実際に来られる頻度もヒアリングした上で、メインテナンス時期を決めている。子どもの場合、メインテナンス時に染め出し液を用いて、歯垢の残り具合をチェック。本人や保護者に磨き残しが残りやすい部分を確認してもらい、ブラッシングや仕上げ磨きのポイントを伝える。