大谷 正史 院長の独自取材記事
富長大谷内科クリニック
(米子市/富士見町駅)
最終更新日:2025/04/28

県道207号線の「皆生通り」から入ってすぐの場所にある「富長大谷内科クリニック」。院内に一歩足を踏み入れると、ホテルのラウンジを思わせる洗練された待合スペースが広がる。胃・大腸の内視鏡検査や大腸CTなどの医療設備の充実だけではなく、上質で居心地の良い空間づくりにこだわるのは「診療以外の面でも価値を提供することで、患者さんが通いたくなる場所にしたい」という大谷正史院長の温かな思いからだ。2020年に父である富長将人先生から同院を継承した大谷院長は、長崎大学医学部を卒業後、消化器内科の医師として経験を積んできた人物だ。消化器疾患に関する高い専門性を有する一方で、地域のかかりつけ医として内科疾患全般の診療や予防医療にも注力している大谷院長に、同院の歴史から今後の展望までさまざまな話を聞いた。
(取材日2025年2月13日)
離島での経験を通じて、総合的な診療を重視するように
まずはクリニックの歴史からお聞かせください。

1990年に、内科の医師である父と眼科の医師である母が「富長内科眼科クリニック」を開業したのが始まりですね。その後の2016年に、兄が母から眼科を継ぎ、手術設備拡充の目的で近くに独立開業したことから「富長内科クリニック」に改称。そして、2020年に私が加わり、院名を「富長大谷内科クリニック」に変更しました。家族の苗字が「富長」なのに、私が「大谷」なのは、私が母方の姓を継いだからです。当院の開院当時、私はまだ中学生で、両親が診療する姿もよく目にしていました。私自身も医師の道へ進んだのは、やはり両親の存在が大きかったですね。休日に患者さんに呼ばれて出ていく姿を見て「かっこいいな」と思いましたし、「多くの人に貢献できる素晴らしい仕事だな」と感じて、医師をめざすようになりました。
勤務医時代は消化器内科を専門に経験を積まれたようですね。
消化器内科の中でも、最初は肝臓疾患を、その後、胃がんや大腸がんを中心に診療に携わってきました。消化器内科を専門に選んだのは、病気を早期発見することで、患者さんの寿命延伸に貢献できる分野だと感じたから。例えば、大腸がんの多くは「大腸腺腫」という良性の腫瘍から発生するのですが、腺腫の段階で切除すれば、がんで命を失うリスクの軽減につなげられます。胃がんに関しても同じで、早期発見が大事です。早めの治療で命を救える可能性があることに魅力を感じたんです。その検査や治療に用いる「内視鏡」にも、技術的な面でのやりがいを感じ、手技の向上や苦痛の少ない検査などにも熱心に取り組みました。腸の形は人によって千差万別で、内視鏡を奥まで入れるにはさまざまな工夫が必要なんです。困難な状況でも技術を駆使して行うことに大きな魅力を感じましたね。
大谷先生は離島医療にも従事されていたと聞きました。

はい。長崎の離島にある「上五島」という所で3年間診療に携わったことは、私の診療姿勢に大きな影響を与えました。離島での診療は、専門分野は持ちながらも、他の分野の診療も一定程度こなす必要があり、総合内科としての一面が強く、勤務当初はとても大変だったのを思い出します。正直、「体力的に限界かもしれない……」と弱音を吐きそうになったこともありますが、先輩や後輩、また母校の創始者の言葉である“ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである”に支えられて、自分を奮い立たせながら乗りきりました。きつい思い出もありますが、やりがいと充実感のほうが勝っていた気がします。今、患者さんを診ている時に、専門分野以外の病気に気づくこともあり、当時の経験が役に立っていると感じています。
地域のかかりつけ医として、幅広い病気や症状に対応
県内外の病院でご研鑽を積まれた後、こちらのクリニックを継承されたということですね。

そうですね。勤務医時代に勤めていた大きな病院では、がんに対しての治療がメインになるのですが、そうした中で「もっと早い段階で病気を見つけて治療するほうが、患者さんの健康に寄与できるのでは」と考えるように。病気の早期発見と予防の役割を担う地域のクリニックからアプローチできたらと、当院を継承することを決意しました。そうした背景もあり、当院では病気の早期発見につながる内視鏡検査や、合併症や大きな病気へのリスクのある糖尿病や生活習慣病の管理に重点を置いて診療にあたっています。かかりつけ医として、患者さんの健康を総合的に診ることも大切にしていますね。もちろん当院で診られる範囲を超えている場合は、迅速に専門の医療機関を紹介しますが、基本的にはできる限り幅広い病気や症状に対応するよう努めています。
クリニック内でさまざまな対応をされているのですね。
風邪やちょっとした体調不調はもちろん、急患で来られる方もおられますね。「おなかが痛い」「息苦しい」「嘔吐が止まらない」など、強い症状を訴える患者さんが来院された場合には、できる限り迅速に対応することも大切にしています。急を要さないのであれば、しばらくお待ちいただいたり日を改めて来ていただいたりできるかもしれませんが、今強い症状が出ている患者さんの場合だと難しいですよね。ですので、診療が立て込んでいたり、受付時間を少し過ぎていたりしても、まさに今きつい思いをしている患者さんについては、極力早めに対応してあげたいなと考えています。スタッフの皆さんにも協力してもらって、患者さんの心身に寄り添った対応を、クリニック全体として心がけていますね。
設備面でのこだわりについてもお聞かせいただけますか?

病気の早期発見には検査は欠かせないものと考えていますので、検査設備にはこだわっています。胃・大腸内視鏡に加え、炭酸ガスを注入して撮影する大腸CTも導入。鎮静剤を用いて眠ったような状態での内視鏡検査も可能です。大腸内視鏡検査ではポリープ切除もできるため、内視鏡を選ぶ方が多いですが、下剤の服用量が少なくて済む大腸CTなども用意しています。ほかにも、他の人と同じ部屋で下剤を服用したり、同じトイレを使ったりするのに抵抗を感じる方のために、大腸内視鏡検査用の個室の前処置室も設けました。専用のトイレつきですので、安心して検査を受けていただけると思います。
患者のニーズに合わせて、さまざまな診療を提供する
すてきな院内ですね。ホテルのような空間が広がっています。

ありがとうございます。昨年6月に建物のリニューアル工事を行いました。病院はどうしても皆さんが緊張してしまう場所だと思います。なので、少しでもリラックスしてもらうにはどうしたら良いか……と考えて、クリニックをつくりました。ソフト面だけでなく、ハード面でもできるだけ心地良くするにはと考えて現在の形となっています。また、子育て中の親御さんは病院にかかるのも一苦労だと思いますので、子ども連れの方に使っていただけるように和室の個室待合室も設けました。さらに通常とは別の入り口から入る、発熱患者さん用の待合室もご用意。感染症対策の一環として、クリニック内の湿度を一定に保つための機器も導入しています。
診療面で新たに取り組んでいることはありますか?
先進の医療用レーザーを用いた医療脱毛も行っています。無駄毛の処理に多くの時間がかかることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。医療脱毛を行えば、長期的な減毛効果が期待できます。また思春期のお子さんの場合、体毛の悩みが大きな問題になることもあると思うのです。医療脱毛を始めたのは、そうしたお悩みを何とかしてあげたいと思ったことがきっかけですね。患者さんが利用しやすいよう、できるだけ負担の少ない価格設定にも努めています。
クリニックの今後の展望についてお聞かせください。

医療脱毛のように、ニーズがあるのに、このエリアではまだ提供しているクリニックが少ない医療に積極的に取り組んでいきたいと思っています。最近はその一つとして、仕事や旅行で海外に渡航される方を対象にした診療も始めました。感染症を専門とする東京の医師と連携し、オンラインで診療と、渡航先での注意点などをご説明。ワクチン接種に関しては、当院で対応する体制を整えました。このように、ニーズに応える医療の提供から地域医療に貢献していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは医療脱毛/5000円~
※施術する部位や内容によって料金が異なります。詳しくはお問い合わせください