小児の態癖へもアプローチ
全身管理を含めた予防歯科
向洋みらい歯科クリニック
(安芸郡府中町/向洋駅)
最終更新日:2023/04/27
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虫歯や歯並びの不具合が発生する背景には、食生活や歯磨きの癖など、毎日の生活習慣が大きく関係しているそうだ。親子3代が安心して通えるクリニックをコンセプトとする「向洋みらい歯科クリニック」では、ファミリーで通う患者の現在と未来の健康を守るべく、生活環境の改善から始まる予防歯科に力を入れている。「歯を1本でも失うと、その後どんな治療をしても何かしらのデメリットが生じてしまいます。そうなる前に、子どもの頃から歯へ悪影響を及ぼしている習慣を変えていくことが大事です」と、院長の河角佳知先生は話す。そんな患者想いの先生に、小児の予防歯科に関するポイントを聞いた。
(取材日2023年2月27日)
目次
何が歯並びに影響を与えているのかを知ることから始まる
- Qこちらでは小児の口腔環境の改善に取り組まれているそうですね。
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A
近年、虫歯になる子どもは減少傾向にありますが、家庭での間違った習慣が影響して口腔環境が乱れ、それが虫歯の原因となってしまっているケースはあります。例えば、だらだらと食べたり頻繁に間食したりすると、歯の健康に良くないんですよ。食事の後は口の中が酸性に傾いて、虫歯になりやすい状態になっているのですが、唾液が分泌されるとそれが再び中性に回復されます。これを唾液の「緩衝能」と言いますが、頻繁に間食するとその緩衝能が作用しなくなり、ずっと酸性のままになってしまうのです。そのような情報を知らない方も多いので、まずはしっかりとお話をして、歯に悪い習慣を変えていくところから取り組んでいます。
- Q近年、小児の態癖に対しても関心が高まっています。
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A
指しゃぶりの癖があるお子さんは昔から一定数いますが、最近気になっているのは口をポカンと開ける癖のあるお子さんの増加です。マスク生活が長引いていることと同時に、アレルギー性鼻炎の子が以前より増えたことなども影響しているようで、鼻呼吸が苦しくなり口を開ける癖がついてしまうようです。今のお子さんは顎や鼻腔・気道が小さい子が多いので、それも関係しているかもしれません。口を開けたままにしていると唇の圧がないため、歯が動きやすくなって出っ歯になったり、口の中が乾いて虫歯になりやすくなったり、免疫機能に影響したりする恐れもあるので注意が必要です。
- Q態癖を改善するにはどんなアプローチがありますか?
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A
自然に改善することは難しいので、まずは親御さんやお子さん本人に意識を変えてもらうことが肝心です。その上で、装置などを使って徐々に正常な鼻呼吸ができるようにもっていきます。当院ではマウスピース型装置を使って歯並びの矯正を図りつつ、唇の筋肉の発達を促していきます。マウスピース型装置を装着すると、唇を閉じるのに筋力を使うので、自然に口の中の筋力トレーニングにつながるんですよ。また、口の中の乾きや唾液の分泌低下の改善を図るには、キシリトール100%のガムを噛むことも有用です。歯磨きをする前にガムを噛んでおくと唾液がよく出ますから、ブラッシングもしやすくなります。
- Qどのような流れで診療は進んでいきますか?
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A
まずはしっかりとカウンセリングをして、ご家庭での普段の様子や食生活を伺っていくところから始めます。親御さんやお子さん本人が知らないうちに、歯へ悪影響を及ぼす恐れのある習慣をつけてしまっていることも考えられますから、初診時には私自らがじっくりと話を伺って主訴や生活状況をヒアリングしていきます。そして、治療方針を作成し、歯科衛生士とともに治療・ケアを行っていきます。家庭でのセルフケアについて説明するときは、端的にわかりやすく伝えることを心がけています。どれだけたくさん話しても、限られた時間ですべてを理解してもらうことは難しいと思いますから、「ここだけ注意してね」と、ポイントを絞ってお話しします。
- Q親子で予防に取り組むことが肝要なのですね。
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A
そうですね。虫歯へのなりやすさ、生活習慣などは親子で共通していることもありますから、一緒に定期的にクリニックへ通って予防していただくことが一番です。ブラッシングなどのセルフケアが上手なデンタルIQの高い方は年に1回でもいいですが、基本的には3ヵ月に1回のペースで通っていただくことが理想です。歯科医師や歯科衛生士はプロとして皆さんの役に立つアドバイスを提供できますから、気になることがあったら一度受診していただき、情報を得て安心につなげてもらいたいです。その上で定期的に歯の健康を確認しに来ていただけるとうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/I期治療33万円