マイクロスコープや超音波器具を使った
精密に行う根管治療
昭島デンタルクリニック
(昭島市/昭島駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
歯の根元部分を内側から治療する根管治療は、肉眼では見えない患部の治療が予想外に長引いたり、治療中に痛みが続いたりするケースもあるといわれる。大学病院で長く根管治療の経験を積んだ森戸亮行院長は「根管治療は慎重な診断が求められる専門領域。マイクロスコープを使って精度にこだわった治療が重要になります」と指摘し、同院はそうした基本に忠実に治療を行っていると話す。ここでは根管治療の目的、同院で行う治療の特色のほか、治療を受けたときの流れなど、適切な根管治療を受けるために森戸院長からアドバイスしてもらった。
(取材日2019年7月10日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q根管治療とはどのような目的で行う治療ですか?
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A
虫歯を治療せず放っておくと、細菌感染によるう蝕は外側のエナメル質、内側の象牙質を超え、歯の最深部にある神経部分(歯髄)にまで達します。根管とはこの歯髄が入った管のことで、根管治療とは歯髄、根管に入り込んだ細菌感染組織などを除去し、丁寧に清掃して蓋をすること。なるべく歯を抜かずに治療する方法として用いられます。当院では丁寧な診断をもとに、どうしても抜歯が必要なケース、根管治療で対応すべきケースをきちんと分けてご提示しています。ただ、歯髄や根管への細菌感染ではなく、噛み合わせや歯周病などが原因で似た症状が出ることもあるため、慎重な判断が求められます。
- Q根管治療は一度行えば再発はしないのでしょうか?
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A
当院で根管治療を行っている患者さんの半数以上が、以前にほかの歯科医院で根管治療を受けた部分の治療であることを見ても、残念ながら再発の可能性は残っています。根管の奥のほうまで徹底して清掃しても、わずかに細菌が残ってしまうことは考えられるからです。しかしその細菌が活発に活動し、再び根管を傷めるようになるのかは、ご本人の体調や噛み方の癖、生活習慣などさまざまな要因が関係するため、「この場合は再発する、こうすれば再発しない」と一概には言えません。痛みや違和感があれば「一度治療した部分だから大丈夫だろう」と安易に判断せず、根管治療を専門とする歯科医師に診せたほうがいいでしょう。
- Qこちらでの根管治療の特色について教えてください。
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A
これまでの回答と重なる部分もありますが、まず根管治療が必要な症状なのかをしっかり見極めること。直経1mm以下と細い根管に対応できるよう極細の超音波器具を使い、微細な振動で菌を浮かせて取り除くなど徹底して細菌を除去すること。歯髄を抜いた根管を薬剤で何度も消毒し、最後に専用の素材を詰め、外れないようしっかりと密閉すること。いずれも根管治療の基礎ですが、これらを丁寧に手順どおりに行うことで、再発しにくい条件が整うと考えています。また当院では治療後のメンテナンスも重視し、定期的な通院をお勧めしています。といっても口の中全体の健康管理が目的で、その中で根管治療を行った部分にも注意を払っています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1患者が困っていることを詳しく聞き、主訴を確認する
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初診時は患者が記入した問診票も参考に「どんな困り事・悩み事で来院したのか」を詳しくヒアリング。主訴となる症状を本人と一緒に確認していく。歯の根元が痛むといっても、歯髄への細菌感染以外に噛み合わせや歯周病などさまざまな原因が考えられる。この症状だからこの治療と最初から決めつけず、さまざまな可能性を視野に必要な検査をすべて行い、慎重に診断していくのだそう。
- 2エックス線画像診断に加え必要なら歯科用CTでも撮影
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エックス線による画像診断は基本的に全員に行い、口の中全体の歯並びや歯周組織が一枚に写るようなパントモ画像、顎を含む頭部を撮影するセファロ画像など用途に応じて使い分ける。また、必要なら立体的な画像が得られる歯科用CTでの撮影も行う。
- 3検査結果をもとに患者の症状と必要な治療を説明
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画像を一緒に見ながら症状を説明。歯の根元に空洞があるように見えるのは、その部分でう蝕が進んでいると考えられ、根管治療の必要性が高まる。森戸院長は患部と思われる歯とその内部イメージをもとに、「この部分から細菌が感染し、この奥にまで広がっている」といった独自の解説図を紙に描くなど、症状や治療法を患者にわかりやすく説明するよう心がけているそう。
- 4徹底した衛生管理のもとで根管治療を行う
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雑菌を含んだ唾液などの流入を防ぎ、根管治療を行う歯だけが露出するようラバーダムを装着。通常は肉眼で見えない歯の奥の患部は、マイクロスコープを使って拡大画像で確認しながら進めていく。同院の根管治療は通常は数回に分けて行われる。
- 5定期メンテナンスでは歯科衛生士が歯磨きを指導
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同院では根管治療後の定期的な通院を推奨しているが、これは根管治療のアフターケアだけ行うのではなく、口の中全体の健康管理が目的。最初に森戸院長が患者に口の中を診て、問題がなければ歯科衛生士と交代し、磨き残しのチェックや歯磨き指導などを行う。多くの患者が歯間に磨き残しがあるといい、同院では歯間ブラシの適切な使い方も熱心に指導してくれる。