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快適なスポーツライフのために
月経トラブルは婦人科医に相談を

しいな医院

(堺市堺区/堺東駅)

最終更新日:2023/09/29

しいな医院 快適なスポーツライフのために 月経トラブルは婦人科医に相談を しいな医院 快適なスポーツライフのために 月経トラブルは婦人科医に相談を
  • 保険診療

「スポーツをしている人は健康」というイメージを持つ人は多いが、実際はハードなトレーニングを行う女性アスリートの多くが月経トラブルを抱えているという。しかし競技を優先するあまり、婦人科を受診しない人も多いそうだ。スポーツ医学に精通している「しいな医院」の椎名昌美院長は、アスリートを医学的な立場から支えたいとの想いから、これまで多くの女性アスリートの診療を行ってきた。また月経トラブルには、子宮内膜症や月経前症候群、子宮頸がんなどの病気が隠れている場合も。院長は「自己診断せずに専門医師の診察を受けて、スポーツを楽しんでほしいのです」と語り、月経トラブルが軽視されがちな現状に警鐘を鳴らす。自身もスポーツを楽しむという椎名院長に、スポーツと月経について詳しい話を聞いた。

(取材日2021年3月30日)

女性アスリートの月経トラブル。放置せず、婦人科医に気軽に相談を

Qスポーツと月経異常はどんな関係があるのですか?
A
しいな医院 スポーツ医学に精通する、しいな医院の院長が詳しく解説

▲スポーツ医学に精通する、しいな医院の院長が詳しく解説

スポーツに真剣に取り組んでいる女性アスリートにとって、月経トラブルはとても身近なものといえるでしょう。過度なトレーニングや精神的なストレス、食事制限による体重減少など、女性アスリートにしてみれば「当たり前」と言えるような状況は、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスが崩れやすく、体がエネルギー不足に陥りがちです。本来、生きているだけでもエネルギーを消費するわけですから、エネルギー不足が続くとさまざまなトラブルが起こります。女性アスリートの場合は月経に異常が出ることも多く、月経不順や何ヵ月も月経がこない無月経につながってしまうことがあるのです。

Q無月経が続くと、体にどのような影響があるのでしょうか。
A
しいな医院 月経異常が見られたらクリニックに相談を

▲月経異常が見られたらクリニックに相談を

月経によって分泌される女性ホルモンは、骨の形成にも大きく関係しています。そのため、無月経が続けば骨がもろくなってしまいます。そんな状態でハードなトレーニングをすれば、体に過度な負荷がかかってしまい、骨折しやすくなります。またエネルギー不足が続けば、筋肉をはじめとしたさまざまな組織にも十分な栄養が行きわたりません。けがをしやすくなったり、イライラしたり、疲れやすくなったり、うつっぽくなったりすることもあります。健康な体はスポーツをする上で大切なものです。無月経や月経不順は、「競技の日程を気にしなくていい」「月経痛などで悩むことがないので楽でいい」という人もいますが、立派な月経トラブルの一つです。

Q診断の結果、トレーニングを止められることもあるのでしょうか。
A
しいな医院 コンディションを整えるためのアドバイスをしてくれる

▲コンディションを整えるためのアドバイスをしてくれる

スポーツに一生懸命取り組んでいる人からすれば、治療のためにトレーニングを中断することに抵抗があることと思います。私自身もスポーツをしていた経験があるので、当時の視点を生かし、練習を止めずに臨機応変な対策を提案するようにしています。例えば、エネルギー不足によって無月経や月経不順が生じている場合は、食事の取り方を工夫してエネルギーを補えるようにしたり、生活習慣の改善に取り組んだりするのも方法の一つです。それでも改善されなければ、ピルなどのお薬の力を借りる選択肢を提示しています。お薬を使ってコントロールを図ることで、月経困難症の症状の緩和をめざします。

Q月経をコントロールすることのメリットは何でしょうか?
A
しいな医院 大事な試合にベストコンディションで挑めるように

▲大事な試合にベストコンディションで挑めるように

一番のメリットは、月経に伴う不快な症状の緩和をめざせることです。何よりも試合の日程に向けて体の状態を合わせることが望めます。ユニフォームを気兼ねなく着用することもできるでしょうし、突然の月経に慌てることもないと思います。試合当日に最大のパフォーマンスを発揮するために、食事や睡眠に気をつけるなど、月経コントロールもトレーニングの一部と捉えて取り組んでもらえればと思います。毎日コツコツ積み重ねてきた分の努力を無駄にしないためにも、まずは気軽に相談にいらしてください。

Qピルの副作用や服用の仕方が気になります。
A
しいな医院 疑問に思うことがあれば気軽に相談を

▲疑問に思うことがあれば気軽に相談を

「ピルは副作用が強い」というイメージを持っている人も多いのですが、今はさまざまな種類のピルがあり、体質や年齢、状態に合わせて処方します。薬なので副作用がまったくないとは言えませんが、合わなければほかの種類のものに切り替えることもできます。処方されたピルは、1日に1回服用します。錠剤ですから簡単に飲めますし、持ち歩きにも便利です。毎日飲み続けるのが基本になるので、ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、朝食後や就寝前など、自分の生活サイクルに合わせて時間を決めれば、習慣にしやすいのではないかと思います。ですから、あまり難しく考えず、気軽な気持ちで相談してもらえればと思います。

ドクターからのメッセージ

椎名 昌美院長

月経に関する悩みは、すべての女性が経験するといっても過言ではないと思います。月経痛や月経不順、無月経、だるさ、眠さ、イライラなど、多くの症状に苦しめられながら日々を過ごしているうちに「もう月経なんてこなくてもいい」といった心境になってしまうこともあるかもしれません。しかし初潮を迎えた体にとって、無月経は不自然なことです。不自然な状態を放置すれば、将来にわたって月経トラブルを助長したり、将来の妊娠に影響したりするかもしれません。競技を末永く楽しむためにも、そしてより良い人生を送るためにも、健康は大きな財産です。月経トラブルを些細なことだと見逃さず、まずは婦人科医に相談してもらえるとうれしいです。

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