全国のドクター12,883人の想いを取材
クリニック・病院 158,230件の情報を掲載(2024年10月06日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 枚方市
  4. 星ヶ丘駅
  5. よしむらこどもクリニック
  6. 吉村 健 院長

吉村 健 院長の独自取材記事

よしむらこどもクリニック

(枚方市/星ヶ丘駅)

最終更新日:2024/09/25

吉村健院長 よしむらこどもクリニック main

星ヶ丘駅から東へ8分ほど歩くと、「よしむらこどもクリニック」が左手に見えてくる。エントランスに掲げられたのは、「みんなで子どもを温かく見守る」という思いが込められた親子のカンガルーのロゴマークだ。各診察室の扉にもコアラやキリンの絵が描かれ、院内は子どもの心を和ませる楽しい空間になっている。小児循環器を専門とする吉村健院長は、大学病院で20年以上にわたり研鑽を積んだ経験豊富なドクター。2020年に開業した同院では専門に特化することなく、風邪やアレルギー疾患、小さなケガなどさまざまな子どものトラブルを受け入れ、必要な医療へとつなげる。「困っている親子を支える地域のクリニックでありたい」と優しく語る吉村院長に、現在の診療内容や地域の小児科医としての思いをじっくりと聞いた。

(取材日2024年8月29日)

子どもたちが楽しい気持ちで過ごせるクリニックに

ご開業から現在まで、さまざまな変化があったそうですね。

吉村健院長 よしむらこどもクリニック1

開業から3年ほどは、新型コロナウイルス感染症に翻弄されてきました。緊急事態宣言が出された中でのスタートで、当初は受診控えもあり、逆に患者さんとはじっくりと向き合えました。ただ、子どもの感染が急増した時期には発熱患者を診る医療機関が少なく、皆さんが本当にお困りで。このため当初は予約数に制限を設けず、大人の方にも対応していました。当院のそういう方針がクチコミでも広がったせいか非常に多くの方が来られ、夜遅くまで診療を続けたこともあります。過去に経験したことのない状況の中で、今から思えばスタッフも私も必死でしたね。その後、新型コロナウイルスの影響力が徐々に明らかになり、さらに5類感染症に移行してからはようやく落ち着き、本来の小児科らしい診療が行えるようになっています。

こちらの場所には、どのようなご縁があったのですか。

私は関西医科大学附属病院に長年勤めていましたので、枚方市にはなじみがあったんです。開業にあたって他の場所も探しましたが、父から譲り受けたこの場所での開業を決めました。この地域に小児科のクリニックが少なかったことも、ここでの開業に踏み切った理由の一つ。ここに小児科ができれば、地域の方は遠くのクリニックまで車で行ったりせずに済むと思ったのです。「地域の子どもたちがスムーズに医療を受けられるようにしたい」という想いは強かったですね。実際に、「車でなくても、徒歩や自転車で通院できる」、「ちょっとした風邪でも気軽に受診できる」などの声を患者さんからいただいています。

院内は、医療機関であることを意識させない楽しい雰囲気ですね。

吉村健院長 よしむらこどもクリニック2

受診を怖がるお子さんは多いもの。だから、院内は子どもたちが喜ぶような雰囲気にしたいと以前から思っていました。各診察室の扉にはコアラやキリンの絵を描くなど、子どもたちが楽しくなるような内装にしています。また、待合室には愛らしいロボットを導入しています。動き回るその姿が待合室の雰囲気を和やかにしていますし、「あのロボットに会いたい」ときてくれるお子さんもいらっしゃいますよ(笑)。クリニックのロゴマークをカンガルーにしたのは、親子が一緒にいるイメージから。カンガルーのお母さんは、いつもおなかの袋に子どもを入れていますよね。「みんなで子どもを温かく見守る」という思いを込めたんです。さらにロゴマークには「星ヶ丘という地域に密着したい」という気持ちで、星のマークも描きました。

専門の小児循環器に限らず、子どもの病気を幅広く診療

診療内容について教えていただけますか?

吉村健院長 よしむらこどもクリニック3

私の専門は小児循環器ですが、風邪やアレルギー疾患など小児疾患全般を幅広く診ます。子どもでは急なケガも多く、「受診先が見つからない」といった場合はとりあえず来てもらって診察し、適切な医療機関へつなぐこともできます。「困っている方をなるべく受け入れる」という方針は、ここでも大事にしていますね。高校生ぐらいまでは継続的に診ますし、風邪などであれば親御さんも診療します。また大学病院での診療経験から、夜尿症の治療も行います。夜尿症では受診に至らず様子を見ているご家庭もありますが、たいていお悩みを抱えていて、ご相談に来られる方は多いです。また思春期に多い起立性調節障害のご相談も受けつけています。当院は、星ヶ丘医療センターや関西医科大学附属病院、市立ひらかた病院に加え、救急診療体制を整えた大阪市内の小児専門病院とも提携。当院での治療が難しい場合には、これらの医療機関と連携して対応させていただきます。

循環器疾患も診ていただけるのですね。

枚方市を含む7市からなる北河内医療圏で、小児循環器が専門の医師はそれほど多くはありません。当院では、心エコーや心電図などの機器も備え、循環器疾患の診断や治療に対応できる体制を整えています。エコーの際にモニターを通して心臓の様子を実際にご覧になっていただくことも可能です。また、24時間心電図を記録するホルター心電図も導入しているため、不整脈の診断もできますし、血液検査の結果を迅速にお伝えできるような体制も整えています。例えば、学校の心臓検診で問題を指摘された場合に遠方の大規模病院まで行くとしたら、患者さんの負担も大きいのではないでしょうか。まずは当院に来ていただければ、治療が必要な疾患かどうかを診断し、必要なら適切な医療機関をご紹介します。窓口としてお気軽にご利用ください。

予防接種や乳幼児健診についてはいかがでしょうか?

吉村健院長 よしむらこどもクリニック4

今は予防接種の種類が増えていますが、当院ではウェブ予約の段階で、各患者さんに必要な予防接種がピックアップされ、お知らせできるようにしています。また、予防接種や乳幼児健診は特定の時間帯をあえて設けず、受診時間内であればいつでも行います。各ご家庭のご都合はさまざまですし、一般診療と別に時間帯を設けると、例えば午後の前半などであれば最近の夏場は外出をためらう暑さですよね。お好きなところへ予約を入れ、来てもらえればと思います。そして、当院には助産師や保育士の資格をもったスタッフがいますので、気がかりなことがあれば健診や接種の際にぜひ声をかけてください。予防接種や健診も、お一人お一人としっかり向き合える機会にしたいと考えています。

気軽に相談できる、地域に密着したクリニックをめざす

そもそもどうして医師をめざされたのですか?

吉村健院長 よしむらこどもクリニック5

実は最初は獣医師になりたかったんです。「具合が悪くても言葉で表現できない動物を助けたい」という気持ちから。しかし、志望する獣医大学が遠方であったことから家族に反対され、最終的には人の命を助ける医師をめざすように。小児科を選んだ理由は、獣医師をめざした理由と通じるものがあります。動物も赤ちゃんも、自分の症状をうまく表現できない、か弱い存在。「子どもたちを助けてあげたい」「先天的な病気があるとしても、できるだけ長生きさせてあげたい」という想いは強いですね。

小児科の中でも、なぜ循環器を専門に?

大学時代の心臓外科や循環器内科、小児循環器の先生方がとても魅力的なお人柄で、先生たちの講義を通して心臓という臓器に興味を持つようになりました。命に関わる臓器を診ることに魅力を感じるとともに、循環器疾患を扱う科の中でも比較的医師が少ないと感じたことから、小児循環器を専門に。大変な面もありますが、子ども相手だからこそ長年続けられているのだと思います。

これからの展望をお聞かせください。

吉村健院長 よしむらこどもクリニック6

何よりもお困りごとはまず受け入れるという姿勢を、これからも大事にしたいと考えています。地域とのつながりも、もっと深めていきたいですね。この地域でも、お祭りなど行事が少しずつ復活しているようですから、今後は積極的に参加して、お子さんと仲良くなりたいと思っているんです。いずれは、子どもたちが楽しめる季節ごとのイベントも開催したいと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

病気以外のことでも、子育てや健康で心配なことがあればぜひ気軽に相談してください。赤ちゃんが母乳を飲まない、離乳食を食べない、あるいはお子さんの勉強や学校のことなど。親御さんやおじいちゃんおばあちゃんの健康の悩みも、治療できなくても一緒に考えることはできますから。当院のスタッフも、大変な時期を経験したからこそ、各自の専門性を生かしながら落ち着いた雰囲気でお子さんや親御さんと向き合ってくれています。星ヶ丘で暮らすご家庭にとって、頼れるクリニックでありたいですね。

Access