入院なしで症状の改善につなげる
前立腺肥大症の日帰り手術
こまい腎・泌尿器科クリニック
(大阪市天王寺区/谷町六丁目駅)
最終更新日:2025/12/26
- 保険診療
男性に多い前立腺肥大症。原因の特定にはまだ至っていないそうだが、50代、60代以上の人に多いことから、加齢による男性ホルモンの減少が原因だろうといわれている。症状は、尿が出にくくなったり残尿感を感じたりする排尿障害が現れ、悪化すると尿がまったく出なくなる尿閉という状態に陥ることも。そうなると腎臓に負担がかかり、腎不全を引き起こす可能性もあるので、治療放置は厳禁だ。「こまい腎・泌尿器科クリニック」では前立腺肥大症についても、薬物治療から手術まで幅広く対応している。日帰り手術も行うことで、「入院ができないから、治療もできない」という患者を減らす一助になればと考えている。まずは検査で状態を確認してから、治療方法についてじっくり説明をするという駒井院長に、同院で行う手術方法について詳しく聞いた。
(取材日2025年8月4日)
目次
気になる症状の改善を図って日常を楽しく過ごせるように、家庭や仕事の事情で入院できない人にも対応
- Q前立腺肥大症とはどのような病気ですか?
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A
▲「早い段階で適切な治療を始めることが大切」と話す駒井院長
前立腺とは、尿道の周りを囲む男性特有の臓器です。前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を引き起こす病気を前立腺肥大症といいます。詳しい原因はまだはっきりとわかっていませんが、50歳以上の男性に増えていることから、加齢による男性ホルモンの減少が主な原因だと考えられています。前立腺肥大症の症状は進行の度合いによって異なり、おなかに力を入れないと尿が出なかったり、尿の切れが悪くなったりと、日常生活にさまざまな支障を来します。放っておくと尿がまったく出なくなる尿閉になって腎臓に負担がかかり、腎不全を引き起こす可能性もあるため、早い段階で適切な治療を始めることが大切です。
- Qどのような検査で発見できますか?
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A
▲腹部エコー装置を用いて残尿具合の確認や尿流量検査を行う
まずは検尿を行い、尿が濁っていないかどうかを確認します。それから、腹部エコー検査で前立腺の大きさや残尿具合を確認し、尿が出る勢いを調べるための尿流量検査を実施します。必要であれば、尿道からカメラを挿入し、膀胱の様子を見るときもありますね。ほとんどの場合は、腹部エコー検査を通して、前立腺肥大症かどうかを判断することができます。また、前立腺肥大症になると、合併症として過活動膀胱を引き起こす可能性も高くなります。悪性の疾患ではありませんが、治療によって症状の改善が期待できますから、気になる症状があれば一度検査を受けていただくことをお勧めします。
- Q治療方法を知りたいです。こちらは日帰り手術も可能だとか。
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A
▲さまざまな治療法を提案し、日帰り手術にも対応している
検査の後、患者さんが選択できる治療方法をすべてご提示させていただきます。大きく分けると薬物治療と手術治療ですが、まずは患者さんにとって負担の少ない薬物治療から始めることが多いですね。その上で、改善が見られない方や副作用がある方、また、ご高齢で薬を併用するリスクが高い方には、手術方法の説明に移ります。当院では日帰り手術にも対応しています。お仕事やご家庭の事情で、「入院できない」と治療を諦めてしまう人も少なくないからです。実は前立腺肥大症の患者さんは高齢の方の割合が高く、中には認知症の方もいらっしゃいます。そういう人には入院を避けたほうが良いケースも多いため、日帰り手術はメリットだと思います。
- Q手術方法もいくつかあるのでしょうか?
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A
▲レーザーや小型インプラントを用いた手術を行っている
当院では接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)と、経尿道的前立腺つり上げ術を日帰りで行っています。CVP術は肥大した前立腺を除去するためにレーザーで蒸散するという方法で、従来の切除術に比べ出血量が少なく、術後の痛みも少ないです。ただ、腰椎麻酔で行うので翌朝ぐらいまで歩行しにくいと感じるかもしれません。経尿道的前立腺つり上げ術は新しい術式で、小型のインプラントを埋め込み、肥大した前立腺を持ち上げて尿道の拡張を図る方法です。局所麻酔で行えて、合併症も少ないのですが前立腺の大きさ・形で適用に制限があるため、すべての方が対象というわけではありません。ほかの術式についてもよくご説明し、紹介も行っています。
- Q予防の観点から、日常で気をつけるべきポイントはありますか?
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A
▲気になる症状は早めに専門の医師に相談すると良い
前立腺肥大症の原因はまだはっきりとわかっていないものの、加齢による男性ホルモンの低下も原因の一つとして考えられているため、筋肉量の維持は大切です。というのも、男性ホルモンと筋肉量は密接に関係しているので、日頃から適度な運動を心がけていただくことで、前立腺肥大症を予防できる可能性があるのです。また、日常生活において、お酒の飲みすぎやからい物の食べすぎにも注意が必要です。ほかにも、トイレを我慢するのは避けていただきたいですね。前立腺肥大症以外にも、排尿を我慢するといろいろな病気のリスクになってしまいますから、トイレに行きたいと思ったらすぐに行くようにしていただければと思います。

