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川口 洋子 院長の独自取材記事

ようこ女性のクリニック

(京都市東山区/清水五条駅)

最終更新日:2020/06/25

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京阪本線・清水五条駅より徒歩11分、神社仏閣が並ぶ東山の静かな町並みに2016年に開院した「ようこ女性のクリニック」。清水寺の麓に位置し、周りには京都女子大学をはじめ多くの大学があることから、女子学生が悩みを打ち明けるために立ち寄ることも多いそうだ。院長の川口洋子先生は気さくで明るく、若い患者からは姉のように頼られる存在。白を基調色にしたクリニックは清潔感があり、サロンのような雰囲気がある。今回は、診療の特徴や患者との交流について、人間味あふれるトークを交えて語ってもらった。
(取材日2020年5月20日)

生理や更年期の悩みに応じる女性のためのよろず相談所

産婦人科を選んだ理由や、開業までの経緯をお聞かせください。

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大学でさまざまな科の実習を経験し、私が楽しいと感じたのが小児科と産婦人科だったんです。中でも産婦人科は、お産や女性特有のがん治療など、女性の体を専門的に診療できることが魅力でした。また診療科で唯一、妊婦さんやご家族に向けて「おめでとう」の言葉をかけられる、すてきな科だと思いました。長崎大学医学部卒業後は、勤務医として病院診療に携わり、長崎大学医学部付属病院でお世話になった先生が周産期医療のご専門でしたので、MRIや超音波の画像診断技術、妊婦検診の専門知識を学ばせていただきました。その後、豊岡病院ではお産や急患診療も含め、幅広い臨床に対応し、ここを開業したのは2016年です。ちょっとした悩み事も気軽に相談してもらえる、「女性のためのよろず相談所」のような存在をめざし開業しました。

どのような患者さんが中心ですか?

京都女子大学の近くということもあり、7~8割方が平成生まれの若い女性です。「婦人科で診てもらったら?」と勧めてくださる方が増えたことも、婦人科にかかるハードルが下がった理由かもしれませんね。相談内容は、生理不順や生理痛、感染症、避妊などさまざまで、特に多いのは生理に関する悩みです。生理痛は女性につきものですが、中には救急車で運ばれるほど症状がひどい方もいて、PMS(月経前症候群)の症状として、生理前に情緒不安定になり、気持ちが落ち込むこともあります。学生さんでは、「生理前になるとイライラして、彼とケンカしてしまう」という人も。大学病院にいた頃はどうしても、お産や命に係わる病気の治療が優先され、生理の相談に時間を割いて対応するのが難しかったのですが、今は患者さん一人ひとりの生理の悩みに寄り添い、その方に合った治療を提案しています。

生理痛やPMSで悩んでいる女性は多いのですね。

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ある中学生の娘さんは、原因がわからない体調不良で苦しんでいて、ベッドから出られないほどつらい日もあったそうです。内科も受診したそうですが、診断がつかなかったそうで。そんな時、保健室の先生に婦人科の受診を勧められたことがきっかけで、当院に来られました。その子はPMSのパンフレットを目にするや否や、「同じ症状です」と一言。原因がわかり、つらかった日々から解放されました。生理の不調によって日々の生活に支障をきたしでいる人、支障が出るほどではなくても、我慢していることがあるという人は結構多いと思います。そうした女性たちに治療の筋道を示して、悩みを解消していくことが、かかりつけの婦人科クリニックの役目だと感じています。

患者の話を丁寧に聞き取り、患者本位の診療を行う

診療で大切にしていることはなんですか?

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患者さんとの対話ですね。病気の原因を探る上でも患者さんの言葉は貴重ですし、相談することで解決できる悩みは多いと思います。「病院に行くと妊婦さんばかりだし、待ち時間も長い。ここに来てしゃべって帰るほうが、気持ちがすっきりする」と患者さんに言われることもあります。学生さんには、「もしお友達に同じように悩んでいる子がいたら教えてあげてね」と伝えています。友達からのアドバイスには、皆さん耳を傾けると思いますから。また、インターネットの偏った情報に振り回されている人も多いようなので、患者さんには女性の健康に役立つ情報をたくさんお伝えするようにしています。

見て確認する診療も貴院の特徴ですね。

日本ではカーテンを閉めて内診をすることが多いですが、欧米ではカーテンがないのが大半です。羞恥心よりも、何をされているかわからないほうが怖いという人が多数なんです。当院ではカーテンを開けて内診をしており、患者さんに直接画像を見てもらいながら説明をします。もちろん、カーテンをしてほしいと言われたら閉めますが、同じ女性なので気にされる方はほとんどいません。やはりその場で直接、自分の目で見ることって、すごく大事だと思うんです。例えば、「生理が来ない、妊娠したかもしれない」と相談に来られた方には、内診中にモニターで子宮の状態を一緒に見てもらいながら、「妊娠したらここに赤ちゃんの袋ができるんです。それがないので、今は妊娠はしていませんよ」といった説明をします。言葉やイラストで伝えるよりも、自分の目で確かめることで納得し、理解してもらいやすいと思います。

治療やお薬のパンフレットがたくさん用意されていますね。

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治療の主体は患者さんなので、自分の目で見てもらうのと同時に、患者さんが自分で決めることが大切だと思っています。例えば、生理痛のお薬はいくつか種類があります。これと決めたものしか使わない医院もありますが、当院では数種用意しており、パンフレットなどを用いて一つずつ効果を説明しています。「友達はこれを飲んでいるけど、私はこっちが合いそうかな」など、患者さんに考えてもらいながら、一緒に治療方針を決めるようにしています。ピル(ホルモン薬)の処方に関しては、偏ったイメージや情報から不安を感じている人もいるようです。若い世代では、「周りに飲んでいる人がいるので、自分も飲んでみたい」という人が増えてきていますが、「お母さんに心配された」という人も。治療の選択は正しい情報がなければできないので、当院ではさまざまな治療のパンフレットを用意し、持ち帰っていただいて、自宅でも確認できるようにしています。

漢方も取り入れ、生涯通じて女性の体をサポート

ヘルスケアの視点に立った、更年期への対応についてお聞かせください。

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女性の体は、ホルモンのバランスによってさまざまに変化します。更年期の悩みもその一つ。40代から60代の方が、耳鳴り、めまい、胸がドキドキするなどの症状で相談に訪れることも多く、状態に応じてホルモン補充療法、ピル(ホルモン薬)や漢方薬の処方を行い、快適な生活が取り戻せるようサポートしています。更年期の診療では、メンタル的なケアも大切だと感じています。患者さんのお話を伺っていると、「更年期障害だったらどうしよう」「自分もなるかもしれない」という不安感によって、気持ちが落ち込んでいる方もいて、悩みを話しているうちに、「気分がすっきりしてきた」と笑顔になる人も。中には、別の疾患が隠れていることもあり、他科の受診を勧めるケースもあります。病気の見逃しがないよう、患者さんの話には注意深く耳を傾けています。

漢方療法に注力されていますね。

ホルモン補充療法は更年期障害に効果が期待できる治療ですが、症状や体質によっては使用できないこともあります。そのような場合、漢方薬を使うのも一つの方法です。また、生理不順や生理痛で悩まれている患者さんに使うことも。漢方薬は効果の現れ方が一人ひとりで異なり、ピタッと合えば大きな改善が期待できます。効果を見極めるためには、患者さんの話をきちんとお伺いし、二人三脚で進めることが大切です。病院と違いクリニックでは、患者さんにずっと寄り添って診療できるので、効果がたどりやすいというメリットがあります。開業してから一層、漢方薬の勉強に力を入れるようになりましたね。

読者へメッセージをお願いします。

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先日、ずっと来てくれていた学生の患者さんが、「大学院に受かりました」と報告に来てくれました。遠方で暮らすことになるのは寂しいですが、その子の夢がかなったこと、それを伝えに立ち寄ってくれたことがとてもうれしかったです。患者さんとのつながりは、開業医の醍醐味ですね。困ったこと、不安なことがあれば、いつでも気軽に相談に来てください。ここで悩みを打ち明けることで、解決の糸口がつかめることも多いはず。また、症状がなくても年に1回のがん検診や、少し話をしに来るだけでもかまいません。悪いところがないことを確認して、安心して帰ってもらえたらと思います。

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