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川口 洋子 院長の独自取材記事

ようこ女性のクリニック

(京都市東山区/清水五条駅)

最終更新日:2025/09/22

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック main

京阪本線・清水五条駅より徒歩11分、神社仏閣が並ぶ東山の静かな町並みに2016年に開院したのが「ようこ女性のクリニック」だ。周りには京都女子大学をはじめ多くの大学があり、女子学生が悩みを打ち明けに立ち寄ることも多い。院長の川口洋子先生は気さくで明るく、若い患者からは姉のように頼られる存在。そんな川口先生の診療の特徴や患者との交流について、人間味あふれるトークを交えて語ってもらった。

(取材日2020年5月20日/情報更新日2025年9月18日)

生理や更年期の悩みも聞く、女性のためのよろず相談所

開業までの経緯をお聞かせください。

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック1

大学で実習を受けた中で、私が楽しいと感じたのが小児科と産婦人科だったんです。中でも産婦人科は、お産や女性特有のがん治療など女性の体を専門的に診療できますし、唯一、妊婦さんやご家族に向けて「おめでとう」と言葉をかけられる、すてきな科だと思いました。長崎大学医学部卒業後は病院診療に携わり、その付属病院でお世話になった先生が周産期医療のご専門でしたので、MRIや超音波の画像診断技術、妊婦検診の専門知識を学びました。その後、豊岡病院ではお産や急患診療など幅広い臨床に応じ、2016年に開業しました。小さな悩み事も気軽に相談できる「女性のためのよろず相談所」が私の理想です。

患者さんはどのような方が多いですか?

大学の近くということもあり、7~8割が平成生まれの若い女性です。「婦人科で診てもらったら?」と勧めてくださる方が増えたことも、受診のハードルが下がった理由かもしれませんね。また、大学を卒業されて遠方に転居された後、オンライン診療との併用で通ってくださる方もいますよ。他にも、もともと当院を受診されていた患者さんが、ご結婚、妊娠をきっかけに再度当院を受診されることも。初期の頃の経過を考慮して他院をご紹介すると、産後に再びお子さんを連れて検診などに来てくださる、といったことも増えてきました。患者さんのライフステージの大切な1ページに関われることは、私の何よりの喜びです。

患者さんからはどのようなご相談が多いですか?

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック2

生理痛や生理不順、感染症、避妊などさまざまですね。例えば、生理痛の中には救急車で運ばれるほど重い症状もあり、PMS(月経前症候群)の症状として生理前に情緒不安定になることもあります。学生さんでは、「生理前になるとイライラして、彼とけんかしてしまう」という人も。一方、生理不順で治療を始めた方の中には自然妊娠が難しいケースも。そんなときはライフプランを考慮して、不妊治療を専門とするクリニックをご紹介することも可能です。大学病院にいた頃は、どうしてもお産や命に関わる病気の治療が優先され、生理の相談に時間を割くのが難しかったのですが、今は患者さん一人ひとりの悩みに寄り添えている実感があります。

生理痛やPMSに悩む女性は多いそうですね。

ある中学生の娘さんは、原因不明の体調不良でベッドから出られないほどつらい日もあったそうです。内科も受診したけれど、診断がつかなかったそうで。そんな時、保健室の先生に勧められて当院に来られました。その子はPMSのパンフレットを目にすると、「同じ症状です」と一言。原因がわかり、つらかった日々から解放されました。生理の不調から日々の生活に支障を来している人、我慢されている人はかなり多いと思います。そうした女性たちに治療の筋道を示して、悩みを解消することが私の役目と感じています。

患者の話を丁寧に聞き取り、患者本位の診療を行う

診療で大切にされていることは何ですか?

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック3

患者さんとの対話ですね。病気の原因を探る上でも患者さんの言葉は貴重ですし、相談することで解決できる悩みは多いと思います。「病院に行くと妊婦さんばかりだし、待ち時間も長い。ここに来てしゃべって帰るほうが、気持ちがすっきりする」と感じる患者さんもいらっしゃるかもしれませんね。学生さんには、「もし同じように悩んでいるお友達がいたら教えてあげてね」と伝えています。友達からのアドバイスには、皆さん耳を傾けると思いますから。当院では診療はもちろん、学生生活から社会人生活への移り変わりで起こる心の変化や悩みについてもお話ししますので、遠慮せずご相談いただけたら。また、インターネットの偏った情報に振り回される人も多いので、女性の健康に役立つ情報をたくさんお伝えしています。

見て確認する診療も貴院の特徴だそうですね。

日本ではカーテンを閉めて内診をすることが多いのですが、欧米ではカーテンがないことが大半です。羞恥心よりも、何をされるかわからないほうが怖いという人が多数なんです。当院ではカーテンを開けて内診をしており、患者さんに直接画像を見てもらいながら説明をします。もちろん患者さんがお望みなら閉めますが、同じ女性なので気にされる方はほとんどいません。やはりその場で直接、自分の目で見ることって、すごく大事だと思うんです。例えば、「生理が来ない、妊娠したかもしれない」と相談に来られた方には、内診中にモニターで子宮の状態を一緒に見てもらいながら、「妊娠したらここに赤ちゃんの袋ができるんです。それがないので、今は妊娠していませんよ」とお話しします。

治療やお薬のパンフレットもたくさんありますね。

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック4

治療の主体は患者さんなので、自分の目で見てもらいつつ「自分で決める」ことが大切だと思うんです。例えば、生理痛のお薬にも種類があります。決まったものだけ使う医院もありますが、当院では数種用意し、パンフレットなどを見せて一つずつ作用をご説明します。「友達はこれを飲んでいるけど、私はこっちが合いそうかな」など、患者さんに考えてもらいながら、一緒に治療方針を決めるんです。ピル(ホルモン薬)の処方に関しては、偏ったイメージや情報から不安を感じる人も多く、「お母さんに心配された」という人も。でも、当院のようにパンフレットがあればご自宅でも確認できますよね。また、「ピルを服用すると妊娠しにくくなるの?」と不安に思われる方に、これまで「大丈夫ですよ」とお答えしてきましたが、当院の患者さんがそれを確信させてくれたように思います。

漢方も取り入れ、生涯を通じて女性の体をサポート

ヘルスケアの視点に立った、更年期への対応についてお聞かせください。

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック5

女性の体は、ホルモンのバランスによって多様に変化します。更年期の悩みもその一つ。40代から60代の方が、耳鳴り、めまい、胸がドキドキするなどの症状で相談に訪れることも多く、状態に応じてホルモン補充療法、ピルや漢方薬を処方し、快適な生活が取り戻せるようサポートしています。更年期の診療では、心のケアも大切。中には、「更年期障害だったらどうしよう」「自分もなるかもしれない」という不安感から、気持ちが落ち込む方も。悩みを打ち明けることで「気分がすっきりしてきた」と笑顔になってもらえたらうれしいですね。開業から間もなく10年。私のライフスタイルも変化し、患者さんのお気持ちがよりわかるようになりました。病気を見逃さないよう、これからも患者さんのお話に注意深く耳を傾けていきたいですね。

漢方療法にも注力されていますね。

ホルモン補充療法は更年期障害に効果が期待できる治療ですが、症状や体質によっては使用できないこともあります。そのような場合、漢方薬を使うのも一つの方法です。また、生理不順や生理痛で悩まれている患者さんに使うことも。漢方薬は作用の現れ方が一人ひとり異なり、ピタッと合えば大きな改善が期待できます。効果を見極めるためには、患者さんのお話をきちんと伺い、二人三脚で進めることが大切です。病院と違いクリニックでは患者さんにずっと寄り添って診療できるので、その後をたどりやすいというメリットがあります。開業してから一層、漢方薬の勉強に力を入れるようになりましたね。

読者へメッセージをお願いします。

川口洋子院長 ようこ女性のクリニック6

先日、ずっと来てくれていた学生の患者さんが、「大学院に受かりました」と報告に来てくれました。その子の夢がかなったこと、それを伝えに立ち寄ってくれたことがとてもうれしかったです。患者さんとのつながりは、開業医の醍醐味ですね。ここは女性の体をサポートするクリニックですから、体調に不安があればまずは相談してもらえたらと思います。内科の専門治療が必要な場合は、近隣で夫が診療する内科医院に紹介させてもらうことも可能です。一人で悩まず、気軽に足を運んでくださいね。また、症状がなくても年に1回のがん検診や、少し話をしに来るだけでも構いません。悪いところがないことを確認して、安心して帰ってもらえたらと思います。

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