大塚 薫 院長の独自取材記事
おおつか内科クリニック
(京都市伏見区/淀駅)
最終更新日:2021/10/12
「おおつか内科クリニック」は、京阪本線の淀駅から徒歩約3分。9台分の駐車場も用意されているので車でもスムーズに来院可能。20時まで診療し、仕事帰りに受診しやすいのもうれしいポイントだ。院内はゆとりのある広さで、吹き抜けも高く、明るく開放的な雰囲気。木がふんだんに使われ、居心地の良い空間となっている。院長の大塚薫先生は、基幹病院で10年間にわたって専門性の高い治療を経験した後、2019年9月にクリニックを開設。豊富な経験を生かして循環器・呼吸器疾患の診療にあたる一方で、地域の「かかりつけ医」として子どもから高齢者まで幅広く診ている。患者の多種多様な訴えに対応するためには「日々勉強」という院長に、診療についての考え方やクリニックの特色など話を聞いた。
(取材日2021年4月1日)
かかりつけ医として幅広い訴えに対応
居心地の良いクリニックですね。
近くで病院時代の上司の先生が開業しておられ、雰囲気の良いクリニックだと思っていました。その先生のクリニックを手がけた工務店を紹介してもらったんです。木材が好きなので、できる限りふんだんに木を使い、開放的な空間をつくってもらいたいと思い、工務店の方と時には議論しながら何度も話し合いをしました。床材などの色合いをどうするか、仕切りの高さはどれくらいが良いのかこだわり、工事が進められている院内に半日くらい座って考えていたこともあります。建築のスタッフには迷惑をかけたと思いますが、どうしても発生してしまう待ち時間を、患者さんに少しでも快適にリラックスして過ごしてもらえる空間にしたいという思いがありました。世界の絶景動画が映し出される機器を購入したのも、居心地の良い空間にしたいという思いからです。
どんな患者さんが来られますか。
基本的には京都市伏見区、久御山町、八幡市にお住まいの方が多いですが、駐車場も備えているので長岡京市、向日市、宇治市など少し遠方の方もいらっしゃいます。どちらかといえば中高年以降の方が中心ですが、20時まで診療していて京阪の駅に近く、お勤め帰りの方も多く来ていただいています。
患者はどのクリニックにかかるべきか悩むことがあります。
動悸や息切れなど循環器疾患、呼吸器疾患が疑われる症状がみられる場合、速やかに病院へ紹介する必要がある緊急性の高いケースもあれば、実は更年期障害を始めとする循環器以外の疾患が原因になっていることもあります。中には複数の持病があり、診療の優先順位をつける必要がある患者さんもおられます。こうした場合にも病気や不調の原因を特定して、必要な診療を提供できる医療機関に紹介することが地域のクリニックの役目です。当院では循環器疾患、呼吸器疾患に対して専門的な診療提供をしていくノウハウと設備を整える一方、生活習慣病はもちろん睡眠時無呼吸症候群、禁煙治療に対応するなど、幅広く診ることを大切にしています。
的確なタイミングで必要な医療の提供を
医師を志したきっかけを教えてください。
家が調剤薬局だったので、医療系にはもともと興味はありました。高校生の頃に、より患者さんに近く接することができる診療に携わりたいという気持ちが強くなり医学部に入学したのです。大学の臨床実習の時に内科か外科のどちらを選ぶか悩みましたが、わからないことに対して一つずつ事実を積み上げて解明していくのが好きな自分の性格なら内科のほうが向いていると思い、内科を選択しました。循環器内科の臨床実習を経験して、興味を持てる診療科で、学問としても生涯追求できると思い、循環器内科を専攻することにしました。
どのようなキャリアを積んでこられたのですか。
母校の大学病院での研修を終えて勤めた和歌山の病院では心臓に問題がある患者さんのカテーテルを用いた治療をメインに担当しました。救急搬送された患者さんに対応することもよくありましたね。また京都の病院では心臓外科の先生のもとで診療しながら、循環器内科の立ち上げを経験しました。看護師などさまざまな職種の人とチームを組んで、診療科を組み立てていく経験は、このクリニックを開業する際にも役立ちました。この病院では当初、呼吸器内科の医師がおらず、肺炎や喘息等の患者さんにも対応しました。
診療の際に心がけていることを教えてください。
患者さんの中には、僕が診るよりも他の先生や病院に紹介したほうが良いケースもあるので、適した病院に的確なタイミングで紹介するように心がけています。患者さんの訴えは本当に多種多様なので、日々勉強が必要で、自分自身で調べることもありますし、違う診療科の先生に尋ねたりすることもあります。また、週一回勤務先の病院に行っているので、専門的な診療に携わっておられる先生に相談することもあり、急を要するケースでなければ、患者さんが病院を受診されなくても、できる範囲で専門的な情報と適切な診断を提供できる体制を整えています。幅広く対応するのは大変なことですが、それまで知らなかったことを知るという経験を積み重ねてクリニックが成長し、自分自身も成長していくので楽しいし、苦痛だと感じたことはありません。
患者を自分の家族のように考えて診療されているそうですね。
医師になって間もない頃に上司の先生に「もし、その患者さんが自分の家族だったらどうするか」と考えて日々の診療にあたりなさいと教えられました。患者さんに医学的に正しい情報を提供しても、診療などについてご自身で決められないことがあります。そんな時に、自分や自分の家族に置き換えて考えてみて、「僕ならこうします」「僕の母ならこれを勧めます」ということで、患者さんの気持ちが定まることがあります。また、当院の患者さんの中には定期的に血圧手帳をチェックするだけという方もおられます。薬を処方するほうが手っ取り早いのですが、特に忙しい若い方はそれでは長続きしないことが多いので、患者さん自身が納得して長続きする方法を考えます。
丁寧な問診と待ち時間短縮の両立をめざす
さまざまな検査機器がそろっています。
的確で迅速な診断を行うためには、充実した検査体制が不可欠です。当院には臨床検査技師が常駐していますので、スピーディーに検査に対応でき、さまざまな領域の超音波検査を行える環境をそろえていますし、血液検査や尿検査、糖尿病の検査などは、検査後すぐに結果がわかる迅速検査を取り入れています。
駐車場に小さなブースが設けてありますね。
発熱など感染が疑われる患者さんについては待合室に入ることなく専用ブースに入っていただき、可能であればそのブース内で診療を行うこともあります。待合室におられる患者さんが安心できるだけでなく、発熱などがある患者さんも他の患者さんに気を使うことなく必要な診療を受けていただけるようにしています。
休日はどのように過ごされますか。
バスケットボールの観戦が好きなんです。アメリカのバスケットボールの試合はもちろん、国内の試合もよく見ます。京都には地元チームがありますので、コロナ禍以前はよくそのチームの試合を観に行っていました。今はそれも難しいので、子どもと一緒に試合の配信を観ています。
今後の目標を教えてください。
患者さんのさまざまな相談にきちんと対応していくためには、しっかりと話を聞く必要があり、診療に時間がかかります。当院は基本的に予約制を採用していますが、急に体調を崩された方などは、もちろん予約なしでも随時診療しています。そうするとどうしても待ち時間が発生してしまうんです。とはいえ診療にかかる時間を短くすることができないので、待ち時間の解消が課題のために試行錯誤しています。また、地域に根差すクリニックとしてやるべきだと手探りで始めた訪問診療も、徐々に受け持つ患者さんが増えています。今後はいっそう力を入れられるように、スタッフの拡充も含め考えていく必要があると感じています。循環器や呼吸器の疾患にかかわらず、僕が診られること、考えさられることなら対応させていただきます。健康相談だけでもかまいませんので、気になることがあるときはお気軽にお越しください。