千葉 浩介 院長の独自取材記事
チャイルドクリニック グランベリーパーク院
(町田市/南町田グランベリーパーク駅)
最終更新日:2024/06/20

東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅すぐ近く。メディカルモールにある「チャイルドクリニック グランベリーパーク院」は、千葉浩介院長の思いが結実した小児科クリニックだ。日曜・休日も含め365日・毎日19時まで診療し、担当する医師は小児医療の専門家ぞろい。「お子さんのことを何でも相談できるクリニックをめざしています。お子さんのためにできることを常に考え、実践する『For Child』の精神が当院の基本。子育ての悩みなども、親御さんと一緒に考えていきたいと思っています」と語る千葉院長。地域の親子に温かな視線を向ける千葉院長に、理想とする小児医療や同院での診療について聞いた。
(取材日2024年4月16日)
小児医療のベースとなる365日の診療体制
開院当初から365日休みのない診療体制を続けていらっしゃいますね。

お子さんにより良い医療を提供するには、曜日を問わず対応する365日の診療体制は欠かせないという考えがもとになっています。お子さんの場合、たった数時間で容体が急変することもあるため、親御さんに「昨日のうちに診せておけば」といった後悔をしてほしくありませんでした。もちろん共働きで、土日でないと子どもを診せに来られないご家庭も利用しやすいと思いますし、何か症状があるケースに限らず、予防接種や乳幼児健診もほぼ毎日行っています。当院を大規模なショッピングモール内に設けたのは、お子さんと一緒でもアクセスしやすく、地域から親しまれる場所だからです。施設全体の休館日は当院も休みですが、それ以外は毎日9時から19時まで、お昼の12時30分~14時30分を除いて診療しています。
では、小児科の医師をめざしたきっかけを教えてください。
高校2年生の時、小児の終末期医療に携わっている先生の著書を読んだことが、大きな転機になりました。私はそれまで特に人生の目標というものを持っていなかったのですが、終末期を精いっぱい生きている子どもたちと、その子たちに正面から向き合う医師の話にふれて、病気と闘って生きるということに全力を尽くしている方がいらっしゃるのに、何かをするわけでもなく生きている自分は、いったい何をやっているんだろうと考え直したんです。その本に出てくる子どもたちから、一日一日を大切に生きることを教わり、エネルギーをもらいましたし、病気などで苦しい思いをしているお子さん、明日を生きられない人の力になりたいと思いました。これをきっかけに小児科の医師になりたいと強く思い、人生の目標ができました。
小児医療の現場ではどんな印象を持たれましたか?

大学病院などで重症のお子さんを診ることも多かっただけに、治療が思うように進まなかった時は自分の無力さを痛感しました。お子さんに寄り添うことはとても大切ですが、医師として十分な知識や経験がなければ助けられない場面もあると感じ、経験を積むために大学病院の小児科や、地域の基幹病院での小児救急や未熟児新生児科などで広く経験を重ねました。大学の研究室で研究の道に進んだことも一時ありましたが、改めてお子さんを直接診ることが自分の道だと感じ、当院を開院する後押しになりました。これまでの経験は、お子さんのさまざまな症状を説明し、何が適切な対処かを判断する力につながっていると考えています。もちろん、知識・技術のアップデートは今でも常に意識しています。
「目の前のお子さんに喜んでもらうこと」が自らの喜び
診療時の心構えなどをお聞かせください。

お子さんも一人の人間ですから、お子さん自身とのコミュニケーションを大事にしており、自分の気持ちや考えを話してもらうよう心がけています。泣いているのはどこか痛いのか、何が嫌なのか、どうしてそう思うのかなど、話し方や距離感などコミュニケーションの方法は年齢に合わせて変えているので、本人から直接話を聞くことができるとうれしいですね。また、お子さんの気持ちを自分に投影させて、例えばおなかが痛いと訴える子に「おなかが痛いのか、そうか大変だね」と単に言葉で返すのでなく、自分が腹痛や体の痛みでつらかった経験を思い出し、お子さんの気持ちに共感しながら診療しています。この思いをベースに、お子さんのためにできることを常に考え、実践する「For Child」の精神が当院スタッフ全員のモチベーションとなっています。
そのためのチームワークはどのように生まれるのでしょうか?
目の前の人が喜んでくれたり笑顔になってくれたりする考えや行いを、自分の喜びや笑顔にできる人と一緒に仕事ができているおかげで、チームワークも自然に生まれると考えています。私自身もそうした人でありたいと思い、当院の就業規則を定めたルールブックにも、周囲の人の幸せを思って生きる大切さを考えてもらえるようなストーリーを盛り込んでいます。当院のコンセプトである365日の診療体制は、同じ思いを持つ医師やスタッフの協力なしには成り立ちません。他の医師が診てくれる信頼関係があるからこそ安心して任せることができますし、同職種間にとどまらずサポートし合える体制があることがありがたいですね。お互いに支え合える環境に、私を含め当院の一人ひとりが安心感をもって仕事にあたることができているのではないでしょうか。
診療面で配慮されていることを教えてください。

お子さんを幅広く診るのが小児科の役割と考え、「何でも相談できるクリニック」をめざしています。当院に来ていただければ、お子さんと一緒に複数のクリニックを回るような負担も軽減できるのではないでしょうか。当院で診療する医師全員がお子さんを総合的に診る力のある日本小児科学会小児科専門医で、しかも小児のアレルギーやリウマチ、腎臓、内分泌、皮膚の病気などの異なる専門性も備えていますので、さまざまな疾患に専門知識に基づいた対応をできるのが強みです。もちろん、より専門的な診療が必要と判断すれば、すぐに適切な医療機関をご紹介します。「こんな症状があるけど、どこに診せたらいいのかわからない」と悩まれた場合にも、まずは当院にご相談ください。
子育てを一緒に悩み考えていく相談役をめざして
開院から今までを振り返ってどう感じられますか?

診療という限られた場面ですが、お子さんが次第に成長していく姿を間近で見られるのはうれしいですね。親御さんがお子さんを小児科に連れて来られるのは、何か緊急事態だと感じたからだと思うんです。お子さんが苦しく、親御さんも不安な時、近くで寄り添えることをありがたく感じています。私は小児科の医師をめざした当初から、目の前にいる人が感じる苦しみや悲しみ、つらさを少しでも軽くできたらと考えていました。今はそれを医療の枠組みの中で実践していますが、将来は地域の皆さんの手助けができるようなアプローチを、多方面にわたり考えていけたらと思っています。
診療の際には手作りの資料も用意されるそうですね。
お付き添いの親御さんに、お子さんの病気の原因や治療法、生活で気をつけてほしいことなどを丁寧に説明するよう心がけています。ただ、その場では覚えたと思えても、後からうまく思い出せないこともあるでしょう。そのため、お話しした内容を詳しくまとめた手作りの資料もお渡しして、必要な時はご自宅でも確認いただけるようにしています。インターネットでの情報収集は便利ですが、すべてが正しい情報とは限らず、サイトによって情報が異なるなど、適切な情報を得るには難しいことも多いのです。そうした情報で不安を募らせるよりは、当院に一度相談に来ていただければと思います。資料はすべて当院で制作し、情報は医学的見地に基づき新しいものにアップデートしていますので、安心してご利用いただけます。
地域の皆さんに子育てのアドバイスなどをお願いします。

子育て中といってもそれぞれに悩みや考え方は違いますし、私自身もアドバイスできる立場にはないと思っています。ただ、お困りの時に一緒に考え、医療の知識をもとにより良い方向へと進めるよう伴走することはできるかもしれません。ですから悩み事の相談先として当院を利用していただけたらうれしいです。子育て中に感じるつらさや苦しみは自分だけで抱え込まず、当院でも周囲のどなたでもいいので頼ってみてください。それで少しでも前向きに感じられる部分があったら、今度は他の誰かの相談に乗っていただく。そうやってご自身の周囲に幸せがつながり、広がっていくのだと思います。