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牧 和歌子 院長の独自取材記事

WAKA糖尿病・ 甲状腺クリニック

(名古屋市緑区/有松駅)

最終更新日:2020/06/18

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名古屋鉄道・名古屋本線の有松駅は、市バスのロータリーもある人の往来が多い場所。絞り染めの町として知られており、江戸情緒が残る町並みは日本遺産にも認定されている。その駅前のショッピングモール1階にある「WAKA糖尿病・甲状腺クリニック」は、2020年4月に開業の新しいクリニックだ。真っ白なタイルの壁には、パステルカラーでWAKAの文字をあしらったロゴマーク。明るく清潔感漂う院内は、北欧デザインの壁紙やロゴマークと同色のソファーが優しい雰囲気で、女性の感性が生かされている。牧和歌子院長は、患者に寄り添う気持ちを大事にしながらも「専門の医師の診療を身近なクリニックで迅速に」をモットーに開業した。目標を掲げて取り組む牧先生に開業までのことやこれからの目標などを聞いた。
(取材日2020年5月8日)

内分泌疾患や糖尿病診療の基礎となった総合内科の経験

まずは、医師をめざしたきっかけを教えてください。

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私が幼稚園の時、父に将来の職業を相談したことが最初のきっかけだったと思います。幼稚園で、将来なりたい職業を書かなければいけなかったのですが、エンジニアの父から「科学者はどう?」と勧められるままに、「科学者になりたい」と書いていました。多感な少女だったので、小学校に入学した頃には、科学者よりも人と関わることの多い“お医者さん”になりたいと思うようになっていました。医師への憧れは心を扱うことに傾きがちだったのですが、人間は化学反応で感情もコントロールされていると父から教わり、体という無機質なものと心が融合して人間になっているのだと理解してからは、人体や細胞にも興味が湧いて医師を志す気持ちが強くなりました。

医師としてのスタートは総合内科だったそうですね。

はい。まずJA愛知厚生連海南病院の初期臨床研修のあと、同院の総合内科に2年間勤務しました。そこでは、主治医として患者さんの心理面や置かれた状況を考慮するのは当たり前で、医師であれば医学的に診るということがまず必要なことだと教わりました。総合内科の医療は、その当時の自分に足りない面を補ってくれると感じ、魅了されました。その後将来は専門を絞った医療をしたいという希望があり、糖尿病・内分泌内科を選択しました。糖尿病診療は、患者さんの日常生活に寄り添うことができるので、とてもやりがいのある仕事だと思っています。

総合内科での経験が先生の診療ベースになっているのですね。その経験は今の診療にどう役立っていますか?

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総合内科は、病名のはっきりしない患者さんが来るところなので、わからない病気でもなんでも来いという心構えができたと思います。自分の専門領域なのか、それとも紹介するのか、紹介するにしてもどの専門の先生に診てもらうのがよいのかという判断力ですね。最初の判断が曖昧だと、患者さんがたらい回しになってしまいますから。さらに、身体所見や病歴などを丁寧に診察するという内科の基本や、複雑な病態を診るスキルも身につきました。糖尿病の患者さんは生活習慣病を多く複合しているので、栄養指導も含めた生活のマネジメントやメンテナンスは得意領域になりましたね。

患者を気持ち良く迎えられるクリニックづくり

院内は明るくて優しい雰囲気の内装ですね。設備面にもこだわりはありますか?

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自分の家に招くような気持ちで患者さんを迎えたいと思って内装や設備を考えました。無機質になりがちなエックス線検査室も北欧の壁紙で温かみのある雰囲気にしています。内装だけでなく、設備機器も充実させて患者さんをお迎えしたいと思いました。糖尿病のコントロール指標であるHbA1cも、甲状腺ホルモンも、総合病院や外注検査会社と同じ方法で迅速に検査しています。必要があれば検査結果もその日にお伝えできますので、何度も足を運ぶ手間も省けると思います。甲状腺のエコーでは細胞診も行っているのが当院の特徴です。意外と好評なのが、自動精算機です。患者さんの負担になるかなと心配していたのですが、皆さん新しい機械を楽しんで使っていらっしゃいますね。

糖尿病の診療について教えてください。

糖尿病は、日常生活に密接した病気であり、生活の中でどのように過ごしたらいいのか、どうやってインスリンの調節をしたらいいのかなど、患者さんへのマネジメントが重要です。体質や生活習慣が重なって発症する2型糖尿病と、自己免疫によって発症する1型糖尿病、妊婦糖尿病などがありますが、多いのは2型。1型は希少疾患で、赤ちゃんから80歳代まで幅広い発症例があります。1型の患者さんを多く診ている専門の医師として、患者さんにとって情報の少ない1型糖尿病の治療には力を入れたいと思っています。日常生活での体験談など患者さんからの情報もたくさん集まりますので、患者さんと情報をやりとりすることは、とてもやりがいがあります。管理栄養士や看護師も含めたチームで、インスリン補充の工夫や運動、低血糖など緊急時に備えたアドバイスなど、一人ひとりに合わせた方法を考えています。

管理栄養士や看護師などスタッフが連携して患者さんを支えているのですね。

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患者さんが一人で病気と闘うのではなく、スタッフがさまざまな視点からアドバイスをし、気づきと癒やしを患者さんやご家族と共有しています。患者さんを気持ち良く迎えるためには私もスタッフもいつも笑顔でいることが大切だと思っています。私自身も今は小学生の母親ですし、スタッフも全員女性で、そのうちの半分は仕事と子育てを両立しています。患者さんをお待たせしないということもありますが、スタッフの働く環境を整える意味でも予約制にしています。

「小さな幸せと感動」をスローガンとし、患者を支える

患者さんと接する上で気をつけていることはありますか?

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診察中は、できるだけ笑顔で患者さんの理解度を想像しながら話をするように心がけています。患者さんの反応を見て、伝わる言葉を選んで説明するなどですね。検査結果の紙を渡すときには、「ここがポイント」とか「OK!」などのスタンプを押しています。小さなことですが、スタンプ一つでも患者さんの励みになればと思っています。患者さんの生活面をよく知って診療に生かしたいので、看護師や管理栄養士による問診の数は他院よりも多いかもしれません。間食を何時に何を食べるかとか、運動はどれくらいしているか、誰が食事を作っているかなど、プライベートに踏み込んだ質問になりますが、一人ひとりに合ったマネジメントをするために必要な質問だと理解していただければうれしいです。

まだ開業したばかりですが、今後の展望はありますか?

2つあります。1つは、フットケアの外来の開設です。糖尿病の場合、血流が悪くなることで傷の治りが遅くなるので、靴ずれや水虫が悪化してひどい時には足を切断することもあります。その予防のために、研修を受けた看護師がセルフケアの指導や、爪切り、足浴などといったフットケアを行います。開設して喜んでいただけるといいなと思っています。

2つ目の展望は何ですか?

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医療従事者と患者さんや市民をつなぐ機会もつくりたいと考えています。糖尿病協会には「糖尿病友の会」という各地や各病院で仲間をつくれる制度があり、当院でも「藍の輪」という名前で登録しました。有松は絞り染めの町として知られており、江戸情緒が残る町並みは日本遺産にも認定されています。有松絞りの藍染めの「藍」と、世界糖尿病デーのマークであるブルーサークルから「輪」としました。有松に根差していきたいというスタッフの思いが込められています。有松はお祭りも多いですので、当院でも一般市民向けのイベントをできたら、とスタッフで話しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

糖尿病や糖尿病との関連が深い脂質異常症、肥満症、高血圧症などの患者さんは、定期的なメンテナンスが必要です。そんな継続的な患者さんが安心して通える場所でありたいと思っています。私は、子育て中も周囲の理解や家族の協力などがあってスキルを磨くことができました。そうやって助けられながら得た専門性を地域に還元する場として、クリニックを開業することができました。地域の方々が長く元気に生活できるよう糖尿病・甲状腺疾患の治療を通して、寄り添う医療を提供していきたいと思っています。

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