変形性膝関節症は運動習慣が重要
治らない膝の痛みは早めに相談を
とみた整形外科クリニック
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2025/09/11


- 保険診療
長く膝の痛みを抱えている場合、年齢や普段の生活習慣によっていくつかの疾患が考えられる。その中でも関節の炎症や変形を引き起こす「変形性膝関節症」は、加齢が大きく関わるため高齢者に多いものの、激しいスポーツや運動不足など日頃の生活習慣が影響することも。いずれにしても膝の痛みの原因を探り、早めに対処することが重要だという。高槻市の「とみた整形外科クリニック」では特にリハビリテーションに注力し、自宅でできる運動の提案を重点的に行っている。「加齢には抗えない分、運動習慣をつけておくことが大切」と話す富田誠司院長に、変形性膝関節症の原因や治療、痛みを放置するリスクや予防法について聞いた。
(取材日2025年9月1日)
目次
加齢を避けることはできないからこそ、早いうちから運動習慣をつけておくことがポイント
- Q日常的に膝の痛みがあるとき、どんな疾患が考えられますか?
-
A
▲QOLの低下につながるため、早めの受診を心がけたい
膝の痛みは年齢や生活習慣によって原因が異なります。成長期のお子さんでは「成長痛」や「オスグッド病」が見られます。オスグッド病は、膝の下がポコッと出て痛くなるもので、部活などでよく走ったりジャンプしたりする子に多いです。若い方では「半月板損傷」や「靱帯損傷」などのスポーツによるケガが多く、中高年では「変形性膝関節症」や「関節リウマチ」などが原因になることがあります。痛みの出方も人によって違うので、自己判断せずに早めに受診することが大切です。
- Q変形性膝関節症とはどんな疾患ですか?
-
A
▲膝の疾患は生活背景も影響する
関節の軟骨がすり減り、膝が変形していく病気です。比較的、女性に多いと言われていますが、当院に通院されている方は男女とも同じくらいの比率です。加齢が大きな原因の一つになるほか、肥満傾向の方、立ち仕事や立ったり座ったりを繰り返す方は膝への負担が増すので注意が必要です。また、例えばバスケットボールやサッカーなど、ジャンプをしたり急激に方向を変えたりするなど激しい運動を長年している方も、膝の摩耗が進むと考えられます。半月板や靱帯を傷めたことがある方は、比較的若いうちに変形性膝関節症を発症する場合があります。
- Q膝の痛みを放置すると、どんなリスクがありますか?
-
A
▲痛みが強まる前に受診を、と話す富田誠司院長
変形性膝関節症が原因であれば、放置すると筋力低下や可動域制限が進み、歩き方が悪くなったり、歩行距離が短くなったりします。早いうちに治療やリハビリをすれば多くの場合は改善が望めますが、治療が遅れると治らないことも。痛みがひどく足をひきずったり、連続して歩ける距離が短くなって外出がおっくうになり、生活の質が低下することも問題です。和式トイレや敷き布団、床からの立ち上がりなど、和風の生活スタイルでは痛みを感じる場面も多いでしょう。変形性膝関節症が進行してリハビリでも回復が見込めない場合は手術が必要になることもあります。高齢の方では人工関節置換術が一般的ですが、最近では関節温存手術も選択肢の一つです。
- Q変形性膝関節症の検査や治療について教えてください。
-
A
▲十分な広さと設備が整ったリハビリルーム
まずはエックス線検査で膝の変形の程度、腫れの有無、関節に水がたまっていないか、圧痛部位を確認し、関節可動域や前後、側方へのぐらつきがないかなどを診察します。痛みがなかなか改善しない場合はMRIでさらに調べることもあります。治療は痛み止めの服用や湿布、塗り薬などでの対応もありますが、当院ではリハビリテーションに力を入れています。関節の可動域を広げたり、足の筋力を鍛えることで、柔軟性を高め痛みの軽減をめざします。施術も行いますが、特に自宅でする運動の指導を重視しています。日常的に運動することが、一番重要と考えています。また、関節の再生をめざす治療法にも注目しており、症状に応じてご案内しています。
- Q予防のためにできることはありますか?
-
A
▲高槻駅から徒歩2分 バリアフリーにも対応
変形性膝関節症の大きな原因は加齢なので、なかなか抗うことは難しいですが、普段から軽い運動で筋肉を鍛える習慣をつけておくことが大切です。特に太ももの前側にある大腿四頭筋が重要で、階段の上り下りやテレビを見ながら足を上げるだけでも構いません。また、学生や働き世代の方は日常の癖が膝への負担になる可能性があるので、例えばスポーツをするときのフォームを見直したり、ケガをしないよう動かし方に注意したりすることも予防につながります。