高崎 勝幸 院長の独自取材記事
たかさき脳神経外科クリニック
(糟屋郡須惠町/須恵駅)
最終更新日:2026/05/15
須恵駅から徒歩8分の「たかさき脳神経外科クリニック」。高崎勝幸院長は、急性期病院の救命救急センターなどで、脳卒中や脳腫瘍、外傷の診療、さらに後進の指導にも力を注いできた脳神経外科の専門家である。同院ではその豊富な経験を生かし、頭痛やめまいといった身近な症状から、意識消失発作、物忘れ・認知症、そして神経難病や脳疾患の術後後遺症までを包括的に診療。リハビリテーションにも注力しており、設備が充実した院内の中でも、広大なリハビリ室は圧巻だ。脳神経外科においてリハビリに取り組むようになった理由や、最近受診が増えているという頭痛などの診療について、高崎院長に詳しく聞いた。
(取材日2021年1月19日/情報更新日2026年4月20日)
頭痛や物忘れ、リハビリなど幅広く診療
最初に、先生がなぜ脳神経外科の道を選んだのかをお聞かせください。

未だ解明されていないことが多い分野として魅力を感じたからです。今後も発展していくと感じ、この道を選びました。脳外科の医師として約30年診療してきましたが、その思いは今も変わりません。医療の状況が日々変化する中で、現在のクリニック運営においても、「本当に必要な医療を、必要な方にきちんと届けるにはどうすれば良いか」を常に考えながら診療しています。
クリニックの成り立ちを教えていただけますか。
2010年に篠栗で開業したのが始まりです。診療する中で「脳卒中などの後遺症に悩む方のために、地域に脳神経外科によるリハビリ施設を作りたい」と思うようになり、2019年に須恵で当院を開設しました。現在は篠栗のクリニックを閉院し、須恵で診療を行っています。背景として、脳疾患のリハビリは機能改善だけではなく、多くが「機能維持」のために長期間行われることがあります。現在の制度上、脳疾患発症後に医療保険を利用してリハビリを受けられるのは180日までですが、実際は長期のリハビリが必要でそれ以降は介護保険の利用に移行します。ただ、脳神経外科のクリニックでリハビリを提供する場はほぼなく、病院で急性期治療を受けて退院した後、思うようにリハビリを継続できない患者さんが多いんです。こうした現状から、地域で継続して診る大切さを感じ、患者さんが安心して通い続けられる環境を整えたいという思いで現在の体制に至りました。
院内も明るく、患者さんが通いやすそうな雰囲気ですね。

患者さんにとって「安らげる場所」になるように、木材を多く使用し緑を基調とした内装にしました。年代・性別を問わず気軽に通いやすく、「来て良かった、また来たい」と思ってもらえる場をめざしています。脳神経外科を受診する方は、どなたもさまざまな不安を抱えて来られます。その分、安心して過ごせる空間づくりをし、少しでも安らげるようにと思いを込めました。
現在、クリニックではどのような診療をされていますか。
脳に関連するあらゆる症状、疾患を診療しています。患者さんの年齢層も10代から高齢の方までさまざまですね。急性期から慢性期まで幅広い脳神経外科診療に携わってきた経験をもとに、脳卒中や頭痛、めまい、物忘れ、意識消失発作、神経難病、脳疾患の術後の経過観察などに対し、その症状の段階に応じて、リハビリも含めた適切な診療を提供できることが当院の強みです。また、外科医師として培ってきた技術を生かし、頭部外傷などにも対応しています。
気になる症状は大きな病気の可能性も。早期発見に尽力
幅広く対応されていますが、相談の多い疾患は何ですか。

特に頭痛やめまいの相談が増えていますね。診察をしていると、最近は学校や職場、家庭など、日常生活の中で大きなストレスを抱えている方が本当に多いと感じます。こうした社会的ストレスから来る頭痛やめまいは、多くが肩や首の緊張に関連する「緊張型頭痛」や、首の凝りなどが原因の「頸性頭痛」です。放置すると慢性的な偏頭痛につながりますから、早めに受診しましょう。当院では、薬による治療だけでなく、姿勢や体の使い方を見直すなどの理学療法によるアプローチも取り入れて頭痛の軽減をめざします。また、頭痛の中には時に命に関わる病気が隠れている可能性もありますので、症状の原因をその日のうちに確認できるよう、予約なしでも検査できる体制を整えています。
対応する診療の中で例に挙げていた意識消失発作は、具体的にどのような症状なのでしょうか。
意識消失発作は失神のことで、学校の朝礼中や、電車内などの人混みで気を失ったという方が相談に来られます。意識を失ったときは、もし短時間で戻ったとしても、早めに脳神経外科を受診してください。一時的な症状ではなく、脳の電気信号が乱れる「てんかん」である可能性もあるからです。てんかんは適切に治療せずにいると、発作を繰り返すことで日常生活に支障が出ることも。例えば、運転に制限がかかる方もいます。当院では、クリニックでは置いている所が少ない脳波計を導入し、失神の原因がてんかんなのか、それ以外なのかを適切に診断します。原因を究明できれば、患者さんの安心にもつながるでしょう。
物忘れの診療にも取り組んでいますね。

認知症の早期発見・早期治療の観点から、物忘れの段階で対応していきたいと考えています。実際に、50~60代で物忘れが始まり、70代で認知症と診断されるケースは少なくありません。日常的に物忘れが増えている方は、いわゆる「認知症予備軍」、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる段階の可能性があります。認知症は発症すると症状の進行を緩やかにするために取れる手段はあっても、治すことはできません。それだけに、周りが気づくほどの状態になる前に対処できるのが望ましいです。特に50代からは意識して生活習慣の見直しや予防に努めていただきたいですね。
注力されているリハビリについて、脳神経外科ならではの強みはどこにあるとお考えですか。
脳神経疾患の専門知識がある医師やスタッフが患者さんをサポートできることが大きいと思います。首や肩などの筋肉の緊張に原因がある頭痛に身体的なアプローチが取れるだけでなく、神経難病のリハビリに対しても適切な方法で対応できます。例えばパーキンソン病の場合、自律神経のバランスを崩すと急激な血圧変動を起こすことがあります。そのようなときにも、脳神経外科であれば、病気について熟知しているので、患者さんの状態に合わせて対応可能です。より安心してリハビリを継続できる点で、当院がお役に立てるのでは思います。
「相談して良かった」と思ってもらえるクリニックに
リハビリ室も広大で、こだわりを感じます。

人と心地良い距離を取れることによる心理的な安定を重視し、ある程度の広さを確保しました。全面鏡張りで室内のどこにいても患者さんの姿が鏡に映るのも特徴です。リハビリは患者さんが失った機能を受け入れる過程でもありますが、それには時間が必要なものです。常に自分の姿を鏡で意識していただくことで、最終的には「今の機能で何ができるか」に向き合っていってほしいと考えています。もちろん、そのために体の症状だけでなく、不安な気持ちにも寄り添える対応をスタッフ一同心がけています。
患者さんを支えるには、スタッフさんの協力も欠かせないですね。
スタッフ教育は、事務長である妻が一貫して担当してくれています。妻は、スタッフ一人ひとりと密にコミュニケーションを図り、信頼関係を大事にしていますね。相手が患者さんでもスタッフでも、心を開いて何でも話してもらえるような関係性づくりが重要なのは変わりませんから。スタッフが良い顔をして働いていてこそ、良い医療を提供できると考えて、子育て中のスタッフの急な休みにも対応できるようにするなど、働きやすい環境の整備に力を入れています。それもあってか、当院は離職率がものすごく低いんです。皆明るいですし、患者さん目線で提案をしてくれるなど、素晴らしい人ばかりで本当に恵まれています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

当院では、気になる症状はその日のうちにMRIで確認できる検査体制を整え、体の状態や生活背景も含めた多角的な視点での評価に努めています。不安を相談しやすいように一人ひとりに合わせた診療を大切にしていますので、お気軽にご相談ください。また、勤務医時代に長く救命救急に携わった経験もありますので、急な症状にも適切に対応可能です。今後もスタッフとともにこれまで大切にしてきた医療を継承しながら、新しい医療にも柔軟に対応し、地域の皆さんにとって頼れるクリニックであり続けたいです。「相談して良かった」と思っていただけるよう、心を尽くしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/1万5000円~

