副島 和彦 院長の独自取材記事
スマイルこどもクリニック
(門真市/大和田駅)
最終更新日:2025/02/12

大和田駅から徒歩1分。外壁の間から顔を出すキリンが、患者を笑顔にしてくれる「スマイルこどもクリニック」。子どもと保護者が楽しく安心して通える小児科クリニックに、という副島和彦院長のこだわりが院内外で具現化されている。関西医科大学附属病院の小児科でアレルギー疾患などを専門的に診てきた副島院長。アレルギーだけでなく感染症治療やその予防などに幅広く関わっていきたいという思いが募り、開院を決めた。地域のかかりつけ医として子どもと保護者に寄り添い、何が今必要かを考え続ける。優しい笑顔が印象的な副島院長に、診療で大切にしていることや注力する治療、今後の展望について語ってもらった。
(取材日2024年12月2日)
子どもと保護者が楽しく安心して通える工夫が随所に
お子さんが喜びそうな雰囲気のクリニックですね。

入り口のキリンのオブジェは、隣で歯科クリニックをしている父の「等身大に近い動物を置きたい」というアイデアです。私がこだわったのは待合室。遊ぶための広いスペースを確保し、電車の模型を走らせて、テレビを子どもの目線の位置になるように壁に埋め込んでいます。当院はアレルギー疾患治療のために来院するお子さんが比較的多いのですが、アレルギーの診察は検査待ちなどで長丁場になりがちな上に、子どもたちは熱や腹痛があるわけではないので元気いっぱい。なので、クリニック嫌いにさせないためにも、待ち時間を楽しく過ごせるような空間にしなくてはと思ったんです。あと、院内で風邪やインフルエンザウイルスに感染しないように動線も分けました。入り口、お手洗いを別にして、感染症患者さん用の診察室も2つ設置しています。
特に注力されているのがアレルギー疾患だとお聞きしました。なぜ、アレルギーを専門に選んだのですか?
もともと私は子どもの頃に喘息とアトピー性皮膚炎があり、小児科の医師だった祖父によく診てもらっていたんです。医師を志してからは小児科以外の診療科に進もうとしていた時期もありましたが、自身の経験も生かせますし、子どもが元気に成長していく姿を見ることがやりがいになるのではと思ったんです。大学を卒業後は関西医科大学附属病院に勤務し、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、喘息などのアレルギー疾患の治療に長年携わってきました。日本アレルギー学会アレルギー専門医資格も取得しています。中野こども病院(現・大阪旭こども病院)では、365日24時間診療を受けつける病院だったこともあって、さまざまな感染症の患者さんが来院され、当直も担当していました。幅広い疾患を診なければならなかったので、随分勉強になりました。
診察の際にどんなことを心がけていますか?

子どもにとってどれが適切な治療なのかを常に考え、より良い方法を選ぶことです。アトピー性皮膚炎やアレルギーの症状で来られた患者さんでなくても、聴診器を当てる前にまず全身を診て、肌の状態を確認します。きれいな肌を保つことがアレルギーの予防にもつながりますから、親御さんたちにもお子さんの肌をしっかりとケアしてあげてほしいとお伝えします。そして、診察の最後に「ほかに困ったことはないですか?」と聞くことも忘れません。私自身、3児の父でもありますし、子育て中の小さな困り事の多さを肌で感じています。メインの症状だけでなく、日々のお悩みも「ここに来れば解決できる」と思ってもらえるようにしたいのです。説明は丁寧にしますが、情報量を多くしないよう気をつけています。説明が長くなりそうな場合は、スタッフがお子さんを診察室の外で預かって、親御さんにじっくり耳を傾けてもらえるような環境づくりもしています。
アレルギー治療の専門家として啓発に取り組む
アトピー性皮膚炎の治療について伺います。

数年前から重度のアトピー性皮膚炎に対する新しいお薬が出て、治療の幅が広がりました。もちろん薬には個人差がありますから、たとえ症状の改善がなかなか進まなかったとしても、それは保護者の責任ではありません。落ち込まず、処方された軟こうを適切な方法で塗り続けることが大切とされています。小学校高学年以降、反抗期で親の言うことを聞かなくなる場面もありますが、お子さんに「自分の状態は自分が一番よくわかるのだから、悪くなる前に対処するようにしよう」と、本人が自覚を持って治療に取り組めるようにお話ししています。
食物アレルギーについてはいかがですか?
食物アレルギーはたまごや牛乳、小麦などに加え、最近はナッツが増えていると感じます。私が大切にしているのは「不要な除去をしないこと」。例えば家族や友達とテーマパークに遊びに行ったときに、自分だけ食べられないものがあると悲しいですよね。親御さんが心配しすぎた結果、特定の食品を除去し続けてしまっては、お子さんの楽しみの幅を狭めてしまうと考えています。そこで当院では食物経口負荷試験を取り入れ、無理のない範囲で食べられる量がどのくらいかを見極めるようにしています。早い段階から取り組むことが重要なので、食べたものや起きた変化をなるべく細かく記録して、怪しいものがあればご相談いただきたいですね。おやつの箱に書かれた成分表の写真を撮っておくだけでも役立ちます。その上で、アレルギー専門医がしっかりと診断させていただき、おいしく楽しく食事をできる将来のための計画を立てています。
アレルギーについての情報を発信する思いとは?

ネット社会では「薬を使わずにこんなに良くなりました」など、つい信じたくなるような情報が次々と目に入ってきます。それらをうのみにしてしまわず、アレルギーの診療に注力している医師にご相談いただくことが近道であり、お子さんのためになると信じています。また、診察時ではお伝えしきれないことを説明して、理解を深めてもらう機会になればとの思いから、3ヵ月に1度のペースで「アレルギー教室」を開催しています。花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのほか、お困りの方も多い離乳食など、さまざまなテーマで行っていて、参加者も増えつつあります。もっと多くの方にお越しいただけたらうれしいですね。
子どもの悩みを総合的にカバーする小児科医の役割
子育て中の方に伝えたいことはありますか?

感染症もアレルギーも、予防できるものは予防したほうがいいと考えますので、任意接種のワクチンも打つことをお勧めしたいです。インフルエンザについては、生後6ヵ月以下だとワクチン接種対象外ですが、かかると重症化の恐れがあるため、周りの大人が赤ちゃんにうつさないよう、しっかり対策することが重要です。当院ではアレルギー症状の進行防止にも注力しています。今は多くの人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。湿疹から始まって、食物アレルギー、喘息、鼻炎などとアレルギーの症状が悪化しないように、当院では生後2ヵ月の予防接種に来られた時からスキンケアの方法をお伝えしています。小児科は子どものさまざまな症状を総合的に診ることができます。心配なことがあれば、まずは小児科へ来てもらいたいですね。
今後の展望や取り組んでいきたいことを教えてください。
最近になって間違ったケアで皮膚を傷めてしまう思春期の体毛のご相談を受けられるよう、脱毛用の機器を導入しました。気にしていても言い出しづらいという側面もあるので、精神的な負担の軽減も図れると考えています。医師や看護師が痛みに配慮しながら施術にあたること、アフターケアにも対応できることが、小児科で脱毛をするメリットといえます。悩んでいる方には、ぜひご相談いただきたいですね。また、私たちがめざしていることの一つに、子育て中の方と社会との溝を埋めることというものがあります。その一環で病児保育の受け入れ数を増やせるよう現在調整中で、今後はより地域の方が仕事ややりたいことを諦めず、安心して子育てをできる環境がつくれればと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

2023年より私と同じくアレルギー領域が専門の女性医師が加わり、二診体制での診療を開始しました。これまでどおり予防接種や食べ物に関する啓発活動も続けます。当院は地域密着型の小児科医院です。これはまだ少し先になるでしょうが、私が診察していた患者さんが大人になり、その方がまたお子さんを連れて来てくれる……そんな日を楽しみにしています。そのためにも子どもたちに何ができるかを一番に考え、保護者により良い環境をつくってあげられるように努力していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは医療脱毛/4400円~ ※部位や回数によって費用は変わります。詳しくはホームページをご確認ください。