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柴村 英典 院長の独自取材記事

海田よつ葉クリニック

(安芸郡海田町/海田市駅)

最終更新日:2023/04/18

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック main

安芸郡海田町栄町に、2019年に開院した「海田よつ葉クリニック」。広島市から呉市までをつなぐ国道31号線沿いにあり、近隣住民はもちろん、このエリアを通勤圏とする働く世代もよく訪れるそう。院長の柴村英典先生は、一般外科・心臓血管外科の医師として中核病院や大学病院で手腕を発揮してきたベテランドクター。同院では専門分野である循環器疾患をはじめ、一般内科の症状や生活習慣病の治療、ちょっとしたけがの処置まで幅広く対応している。先進の治療技術を学ぶため2年間の海外留学も経験したという柴村先生だが、その素顔はとても気さくで親しみやすい。「来る者拒まず。皆さんが困っているときに役に立てる医師でありたい」と話す柴村先生に、診療へかける思い、得意とする下肢静脈瘤の治療についてなど、たっぷり語ってもらった。

(取材日2021年9月25日)

心臓血管外科のベテランドクターが地域医療の担い手に

開業までの経緯をお聞かせください。

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック1

私は心臓血管外科や一般外科の医師として、広島大学附属病院、三次中央病院、安佐市民病院、マツダ病院などで循環器疾患の手術・治療に携わってきました。まもなく定年を迎えるという歳まで勤務医を続けてきたのですが、このまま引退するのはもったいない、まだまだ元気だから何か地域の役に立てることがしたいと考えるようになり、2019年に当院を開業しました。この地を選んだのは、自宅にも比較的近く、何かあればすぐクリニックに駆けつけ対応することができるエリアだったからです。国道31号線沿いなので、車で通院しやすく患者さんにとっても便利だろうと考えました。

どんな診療を行っていらっしゃいますか?

標榜科は内科、外科、循環器内科、血管外科です。最も得意とするのは循環器疾患の診療ですが、外科でさまざまな症例を診てきましたから、風邪をひいた、おなかが痛い、胸が苦しい、転倒したので骨折していないか心配だ、など体調・けがなどの困り事に幅広く対応できます。皆さんが困っているときにすぐに応対できる医師でありたいと思っているので、来る人は決して拒まず。最近では発熱の相談も増えているので、クリニックの裏にテントを構えて一般の患者さんと動線を分け、感染対策を徹底して診療にあたっています。発熱患者さんに対しては、できる限り待ち時間が発生しないように完全予約制を取っています。患者さんは近隣に住む子どもからお年寄りのほか、広島と呉の間の通勤圏なので、会社の健康診断で異常が見つかったという働く方々も多く来られます。また当院では下肢静脈瘤の日帰り手術もできるので、症状に悩む患者さんからのご相談も多いです。

診療で心がけていることを教えてください。

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック2

かかりつけ医として危険性の高い症状を見逃さないこと、すぐに治療する必要があるかどうかの判断をすることが、地域のクリニックが果たすべき第一の使命だと考えています。例えば、患者さんが単に足がむくんでいるだけだと思っていても、実は足の静脈に問題が隠れていることもあります。それを早期に見つけて、適切な治療につなげることが重要です。そのために、患者さんとしっかり話をすることを大切にしています。まずは患者さんが何に困って来院されたのか、その方の訴えに耳を傾けます。私も話し好きなので、ついたくさん話そうとしてしまいますが(笑)、患者さんの困り事を解決して差し上げるのが先決です。満足して帰っていただくためにも、相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。

危険な病気を素早く見抜く

先生はなぜ、心臓血管外科を専門に?

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック3

患者さんを治療する方法としては投薬治療などいろいろありますが、私が一番興味を引かれたのは手先を動かす手術でした。それで広島大学の第一外科に入局し、心臓血管外科、消化器外科、小児外科を回った後、自分に向いていると思った心臓血管外科を選びました。他の外科手術とは違って血管手術が特徴的なのは、結果が早期にわかるところです。手術によって機能の向上につながり患者さんの生活の質が上がっていく様子を見られることに、大きなやりがいを感じていました。

これまでに心に残っているエピソードはありますか?

医師になったばかりの頃、先輩医師に言われた「一番大事なのは、初診でその患者さんに緊急性があるかどうかを見極めることだよ」という教えが今も心に残っていて、それが現在の診療ポリシーにもつながっています。心臓や血管の病気には命に関わる重篤な病気も含まれており、常に細心の注意を払わなければいけません。病院に勤務していた頃は、いつ緊急性の高い患者さんが来るかわからず、油断が決して許されない日々でした。また、もっと技術を磨きたくて、2001年から2年間はアメリカ・ミシガン州の大学へ留学し、研究に携わったことも、いい経験になりました。

血管の病気で特に気をつけるべきものは何ですか?

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック4

怖いのは、心筋梗塞や狭心症などの、いわゆる虚血性心疾患、それから脳梗塞など脳の疾患、足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症などです。特に脳や心臓の異常に関しては兆候を見逃さず早期に治療を開始することが非常に重要になります。よく「足に違和感がある、歩きにくい」と言う患者さんが受診し、検査したら足の動脈が詰まっていたというケースが見られます。そのうちの一部の方は、心臓の血管も詰まりかけている可能性があるんです。ですから患者さんの主訴に限らず、疑わしい症状があれば速やかに検査することが、早期発見・治療のために大切です。当院では動脈硬化や高血圧など生活習慣病の管理に力を入れ、血管を調べる検査機器も充実させていますから、気になる症状があればすぐに受診していただきたいですね。

下肢静脈瘤の日帰り手術に対応

先生が得意とされる下肢静脈瘤の治療について教えてください。

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック5

下肢静脈瘤は、足の血管がこぶのようにボコボコした状態になる疾患です。血液を心臓に戻す役割を担う静脈には、血が逆流しないための弁がついているのですが、その弁が壊れると血液がたまって血管にこぶができてしまいます。症状は足のむくみ、痛み、だるさ、足がつるなどさまざまで、悪化すると皮膚炎や色素沈着も起こります。女性に多く、高齢になるほどかなりの確率で発症しているんですよ。基本的には放置しても命に関わらない良性疾患ですが、症状が重い方や見た目を気にする方は手術で治療することが可能です。

こちらで手術もできるのですか?

はい、日帰りで手術を受けることができます。以前は逆流している血管を引き抜くストリッピング手術という方法が主流でしたが、足に傷が残り、青あざができたりしびれが残ったりする人もいるのがデメリットでした。そこで10年ほど前からは、細いカテーテルを血管の中に入れて高周波の熱で焼き切る「血管内焼灼手術」という手法を取るようになってきています。当院では火曜日と金曜日の昼休みを利用してこの手術を行っています。麻酔の時間を含めると、トータルで所要時間は30分くらいです。傷は針穴一つで済みますし、終わって1時間後くらいには歩いて帰宅することができます。十数年前から数多くの手術を行ってきましたから、気になっている方はまずご相談いただければと思います。実際に手術をするかどうかは症状を見極めながら十分な説明を行った上で、患者さんの意向を一番に尊重して決めさせていただいています。

お忙しい毎日かと思いますが、趣味などリフレッシュ法は?

柴村英典院長 海田よつ葉クリニック6

サックスが好きで、時々防音性の高いクリニック内で練習したりしているんですよ。誰に聞かせるわけでもありませんが、楽器ができる友人が格好良くて憧れていて、30歳を過ぎてから始めました。また、筋力トレーニングにもはまっていて、ジムでプロテインを飲みながら頑張っています(笑)。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

特別なことはしていませんが、日々の診療を地道に続けて、地域の方々にとって必要な信頼されるかかりつけ医になっていければいいなと思っています。「あのクリニックに行けば、頭痛でもけがでも何でも診てもらえて安心できる」と言ってもらえるようになればうれしいですね。新しい治療法や薬もどんどん開発されていますから、乗り遅れないように勉強を怠らず、お役に立てるように頑張っていきます。

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