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スギ花粉症に新たな治療
抗IgE抗体製剤による抗体療法

さいたま中央クリニック

(さいたま市中央区/大宮駅)

最終更新日:2021/02/12

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  • 保険診療

老若男女問わず、幅広い世代を悩ませるスギ花粉症による季節性アレルギー性鼻炎。くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、つらいアレルギー症状に苦しむ人にとって、スギ花粉が飛散する春は厳しい季節だ。一度発症すると自然治癒が難しい病気であり、患者数は年々増加傾向にあるという。治療法としては、薬物療法で症状をコントロールしていくのが主流だが、「さいたま中央クリニック」では、根本的に花粉症を治療していく方法として舌下免疫療法にも対応。さらに新たな治療法として、重症患者に対する抗IgE抗体製剤を投与する抗体療法も開始した。2020年に保険適応での治療が始まったばかりだという抗体療法を中心に、スギ花粉症の治療について耳鼻咽喉科部長の谷水弘毅氏に話を聞いた。(取材日2021年2月4日)

スギ花粉症に対する治療の選択肢が拡大。自分に合った治療でつらい症状の緩和をめざす

Q貴院で行っている花粉症治療を教えてください。
A
1

▲さまざまな治療法を導入している

花粉症治療には主に「薬物療法」「免疫療法」「抗体療法」の3種類があります。薬物療法では症状を抑えるための抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬といった内服薬のほか、鼻や目の粘膜に直接作用するステロイドの点鼻薬、点眼薬を併用することもあります。最も一般的な治療法ですが対症療法にとどまり、花粉症を治す目的のものではありません。それに対し免疫療法は、アレルギー体質の改善を図りアレルギー反応を起こしにくくする目的のもので、花粉症の根治をめざせる治療法とされています。抗体療法というのは、2020年に保険適応となった新しい治療です。既存の治療で結果が望めなかった重症の方が新たな治療を選択できるようになりました。

Q免疫療法とはどんなものですか?
A
2

▲院内での血液検査が可能

アレルギーの原因であるスギ花粉のエキスを計画的に投与して、少しずつ体をアレルゲンに慣らしていき、花粉が入ってきても反応しない体にしていく狙いの治療です。スギ花粉症以外にダニアレルギーに対しても、保険適応で治療が受けられます。免疫療法は昔から行われてきましたが、以前は注射による投与でした。それが舌下錠剤を使って自宅でも簡単に行えるようになり、注目されるようになりました。免疫療法の大きなメリットは根治がめざせることですが、年単位で治療を継続する必要があります。治療は花粉症のオフシーズンに開始します。副反応が出た場合に飛散している花粉が原因なのか、治療によるものかがわかりにくいためです。

Q抗IgE抗体製剤を用いた抗体療法とはどのようなものですか?
A
3

▲精密な血液検査が可能

花粉が体内に侵入すると、異物を排除しようとする抗原と抗体の反応が起こります。そのシステムが働き過ぎると、くしゃみや鼻水が止まらないということが起こります。抗体療法とはその反応を弱めるための治療です。アレルギー症状を引き起こす「IgE抗体」に作用する製剤を投与することで、体が抗原に過剰反応するのを防ぎ、さまざまな症状を抑制しようというものです。抗体製剤は皮下注射で投与します。内服薬のように腸管からの吸収を経ることなく血管から直接、病変部位にアプローチしますから、1回の注射で作用が望めます。デメリットとしては、保険適応とはいえ比較的高額であること、薬物療法と同じく根治目的の治療ではないことです。

Q治療を始めるのに適した時期はありますか?
A
4

▲患者に寄り添った治療を行う

免疫療法とは異なり、抗体療法はスギ花粉の飛散時期に投与します。タイミングとしては、花粉が本格的に飛び始める2月から5月でしょうか。投与量にもよりますが、1回の皮下注射で2週間から4週間の作用の持続が望めますので、その間に数回受診していただく流れになります。治療開始は症状が出始めてからでも良いのですが、抗体療法を行う際は必ず抗体検査を行う必要があります。症状がスギ花粉によって引き起こされていることをきちんと確認した上で、体重と血液中のIgEの量によって投与量と投与間隔を決めていきますので、初診時に治療を開始できるわけではありません。希望される方は早めに受診することをお勧めします。

Q抗体療法はどんな方にお勧めですか?
A
5

▲耳鼻咽喉科の診察室。精密な機器を用いて診察する

新しい花粉症治療である抗体療法は、保険が適応されるにあたり、いくつかの条件があります。重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎であり、前シーズンの症状が重症であったこと。加えて、いろいろな治療薬を試したが、満足のいく結果が得られなかった方が対象となります。また体質や病歴に関しては、治療前に問診を行って投与可能かどうかきちんと確認します。新型コロナウイルス感染症の流行により人前でくしゃみをするのも気をつかう状況です。鼻をかむ度に手洗いと消毒をしなければならず、花粉症の人は特に大変だと思います。花粉症は自然に治るものではないですから、つらい症状に悩まされている方はぜひ一度ご相談ください。

ドクターからのメッセージ

谷水 弘毅先生

今回お話ししたすべての花粉症治療のほか、一度に36種類のアレルギー検査も保険で受けることができます。検査を受けるメリットは、本当に季節性のアレルギー性鼻炎であるかどうかが確認できるのと同時に、どんなアレルゲンに弱いのかご自分の体質を把握できる点ですね。またお子さんでは、スギ花粉症を疑って受診したけれど、別の原因物質によるアレルギー反応だったり、違う病気が隠れていたりするケースもあります。当院は小児科も別の専門の先生が診療しているので、そうした場合もすぐに適切な対応をすることが可能です。ほかにも皮膚科、内科の先生と連携して、アレルギーの症状だけでなく、広い視野で診療できることが当院の強みです。

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