痛み治療専門のペインクリニック
症状に応じた神経ブロック療法
ふかざわ痛みのクリニック
(京都市中京区/二条駅)
最終更新日:2022/06/28


- 保険診療
膝や腰、肩などに問題を抱えた場合、一番の悩みとなるのはその痛み。治療を受けてもなかなか改善せず、じっと耐えながら我慢している人がかなりの割合を占めているという。そうした痛みを伴う症状の診断・治療を専門に、実践的な医療を提供しているのがペインクリニック。難しい痛みの原因を探り当て、神経ブロックをはじめとするピンポイントな治療でさまざまな痛みにアプローチする分野だが、具体的にはどのような疾患に対し、どのような方法で痛みを取っているのか。軒数が少ないこともあってなかなか知る機会のないペインクリニックの取り組みを、京都市内で展開する「ふかざわ痛みのクリニック」の深澤圭太院長に詳しく説明してもらった。
(取材日2022年6月3日)
目次
痛みに悩む生活から患者を解放することを目的に、安全性・確実性を重視した神経ブロック療法を実践
- Qペインクリニックとは、そもそも何をする所ですか?
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A
▲神経ブロックなどの各種処置を行っている
ペインクリニックとは、いわば痛み治療専門のクリニックで、体のさまざまな部位の痛みに対して神経ブロックを中心とした治療を行います。椎間板ヘルニアや変形性膝関節症といった慢性的な痛みから、ぎっくり腰などの急な痛みまで、あらゆる痛みに関するエキスパートとお考えください。神経ブロック以外にも、薬物療法や漢方薬による治療、運動療法などを必要に応じて組み合わせ、総合的な痛みの治療を行っていきます。ただし、腹痛などの内臓の痛み、骨折などの外傷の痛みに関しては、痛みさえ収まればそれでいいというわけにはいきません。内科や外科など、専門の診療科を必ず受診するようにしてください。
- Qペインクリニックには、どのような患者さんが来られますか?
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A
▲痛みは我慢することなく当院に相談してほしい、と話す深澤先生
治療の対象は、主として膝や腰、肩、首といった整形外科疾患が大半を占めています。具体的には坐骨神経痛や腰部脊柱管狭窄症、変形性股関節症、変形性脊椎症、変形性膝関節症、三叉神経痛(顔面神経痛)、肩関節周囲炎(五十肩)などがあり、最初からペインクリニックを受診される患者さんだけでなく、整形外科や整骨院にかかっているのに痛みが取れないと相談に来られる方も大勢おられます。それ以外の領域であっても、痛みを取ればお悩みが解決するというケースであれば対応できる可能性があります。もちろん、中には手術が必要となるケースもありますが、保存治療で痛みを取りたいという方は、ぜひ一度ペインクリニックにご相談ください。
- Q整形外科領域外では、どのような症状や病気に対応していますか?
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A
▲レントゲンで痛みの原因を確認する
まずは最近話題になっている帯状疱疹です。一般的には皮膚科を受診することが多いと思いますが、帯状疱疹はウイルス性のため、3ヵ月以内をめざして治療しないと帯状疱疹後神経痛という後遺症が残り、痛みが抜けなくなってしまいます。激しい痛みや長期化を防ぐためにも、早期に神経ブロックを受けることをお勧めします。もう一つは片頭痛や緊張型頭痛ですね。こちらは若い方にも多く見られ、診断が難しい疾患です。これまでは内服薬を用いることが多かったのですが、2021年から頭痛の発症を抑える目的の皮下注射が可能となりました。使用には厳格な要件があるため、いろいろと検索して当院を探して来られる患者さんが増えています。
- Q神経ブロックには注射を用いると聞きましたが。
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A
▲エコー検査を行いながら神経ブロック注射の対応も可能
神経ブロックは、痛みにつながる神経やその周辺、関節などに薬剤を注射して神経の伝達を遮断し、痛みをなくしたり軽減したりすることを目的とする治療法です。椎間板ヘルニアや腰下肢痛、帯状疱疹には硬膜外ブロック、首や腰、背中の痛み、下肢痛には神経根ブロックなど、疾患の種類や部位によってさまざまな種類があります。例えば椎間板ヘルニアの場合、飛び出した椎間板が神経を圧迫して炎症を起こしているわけですが、ブロック注射で神経をブロックすることで、ヘルニア自体はそのままでも痛みの症状を軽減することが望めます。神経ブロックは患部に限局して威力を発揮できるため、手術以外で効果が見込める治療法といえます。
- Q注射が苦手です。やはり痛いのでしょうか?
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A
▲神経を刺激しないよう極細針を採用
注射がうまく入らない、場所が違っていたと、何度も打ち直していては痛みを取るどころではありません。当院は、私が麻酔科医師で、かつ日本ペインクリニック学会認定ペインクリニック専門医でもあり、神経ブロックには豊富な知識と経験を備えています。数十種類もの神経ブロック注射を用意し、ほぼすべて超音波ガイド下やエックス線透視下で行います。これによって目的の神経や関節を目で見てアクセスできる上、薬が広がる様子もリアルタイムで確認できるので、治療の確実性と安全性向上にもつながっています。また、扱いが難しいため敬遠されがちな極細針を採用して痛みの軽減に努めていますので、注射が苦手な方も安心してお任せください。