子どもの行動や発達が気になるときは
一人で悩まず専門家に相談を
にこにこクリニック
(尼崎市/尼崎駅)
最終更新日:2025/02/13


- 保険診療
「発達障害」という言葉が一般的になった昨今。周囲の子と比較して、または健診や保育園・幼稚園などで指摘されたが、どうしたらいいのかわからないと悩んでいる人もいるのではないだろうか。発達障害に関する考え方は家庭により異なるが、子の特性を理解することでより良い教育環境を用意できる可能性は高まると「にこにこクリニック」の北村容一郎院長は話す。発達障害を専門とする医師2人を擁し、カウンセリングや発達検査・診断、言語聴覚士による療育まで取り組む同院の診療の流れについて、北村院長に話を聞いた。
(取材日2025年1月23日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q子どもの発達障害とはどのようなものなのでしょうか。
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A
発達障害は、言葉・勉強・運動能力の遅れが見られる、何かに集中すると周りが見えなくなる、集団の中に溶け込んで行動できない、気持ちや行動の切り替えが苦手などの言動があります。ひと昔前は「変わった子」として捉えられることもありましたが、現在では、その特性に対してのアプローチができるようになっています。また普通に生活ができ、勉強の遅れなどはないものの、少し注意力に欠けている、落ち着きがないなど、注意が必要なボーダーラインのお子さんもいます。その子の得意・不得意な部分を知り、特性に応じた対策を考え、周囲の協力を得るためにも、診断を受けたほうが良いと考えます。
- Q相談のきっかけとなる子どもの行動にはどんなものがありますか?
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A
例えば当院の場合ですと、急に保護者の手を振り払って走り出してしまうといった多動傾向がある、保育園や幼稚園の先生の指示がまったく伝わっていない、学校の授業につけていけない、忘れ物が多い、お友達に手が出てしまう、などの相談が多いです。当院の待合室でも同じ所をグルグルと回り続けるといった行動に出る子もいます。きょうだい、または親子で同様の特性を持っているケースも少なくありません。気になることがあればまずは通常の診察時にご相談ください。必要に応じて発達検査の予約のご案内をいたします。最初から検査をご希望の方は、インターネットでの予約が可能です。
- Q家族はどのように接することが大切でしょうか。
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A
まずは一人で悩まないことです。苦しくつらい思いが重なり、うつ病になってしまう方もたくさん見てきたこともあり、皆で情報を共有しながら子の行動を理解し、どのように養育していくかを学ぶ「ペアレント・トレーニング」を今後は当院でも実施していきたいと考えています。両親のうち片方だけが「わが子は発達障害があるのではないか」など気にかけ、もう一方は関心がない場合もあれば、保育園や幼稚園などで指摘を受けても気にとめない、検査で発達障害の傾向が出ても受け入れないというケースも。ご家庭により考え方はそれぞれですが、お子さんに合った教育環境を整えられる可能性があるという面で、診断はたいへん重要だと私は考えます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察
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友達と仲良く遊べない、こだわりが強い、言語や運動能力の遅れが見られるなど、子どもに関して日々の生活で気になっている行動などがあれば、「風邪など通常の診察の際でも構わないので相談してほしい」と北村院長。同院では医師から発達検査を勧めることはない。話をした上で保護者が必要だと感じたら、ウェブで発達検査を予約。保育園や幼稚園、健診などで指摘を受け検査を希望する場合は、直接予約もウェブ予約も可能だ。
- 2ウェブ問診票の記入
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ウェブ予約時、ウェブ上で同院独自の問診票に入力する。質問内容は発達経過やどのような行動があるか、生活上の問題点など、およそ40問程度。「はい」「いいえ」で答える簡単なものが中心となっている。漏れがあると送信できない仕様なっているため、毎日の子どもの様子を思い浮かべながら、一問ずつ正確に回答していこう。
- 3発達検査またはカウンセリング
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問診結果を受け、発達検査かカウンセリングに進む。行う検査は「WISC-V知能検査」または「新版K式発達検査」。同院に在籍する心理士が、子どもの特性に合わせながら飽きることなく正確に検査を終えられるようサポートする。カウンセリングを選択した場合は、心理士が聞き取りを行い、日々の生活で困っていることにどう対応すべきかを丁寧にアドバイスしてくれる。
- 4結果のフィードバック
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1ヵ月後に検査結果のフィードバックがなされるが「たった一度の検査では診断はつきません」と北村院長。子どもの特性は一部だけを見てすぐに判断できるものではないことから、定期通院の際に様子を見ながら慎重に検討を重ねるのが同院の診療方針。ただし服薬が必要だと判断された場合はこの限りではなく、一時的に診断名をつけることもあるという。気になることがあればなんでも相談し、一人で抱え込まないことが重要だ。
- 5定期通院
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定期通院の頻度は症状などにより、一人ひとり異なる。医師や心理士らと話し合い、通院日を決めよう。同院では心理士によるカウンセリングのほか、言語聴覚士による療育を受けることも可能だ。この特性への対応は家族ら周囲の理解が必要不可欠。診察時には家族の温度差を埋めるための説明も可能なため、希望があれば定期通院時に一緒に来院を。