藤瀬 敬喜 院長、藤瀬 恵里子 先生の独自取材記事
野江内代クリニック
(大阪市城東区/野江内代駅)
最終更新日:2026/09/11
「野江内代クリニック」は、大阪メトロ谷町線野江内代駅1番出口を出て左に徒歩1分の場所にある。心療内科と内科の2診療科体制で、心と体の不調を一つのクリニックで相談できるのが大きなメリットだ。「精神疾患から生活習慣病を併発するケースはとても多いんです」と、語るのは院長で心療内科を受け持つ藤瀬敬喜先生。数々の精神医療の現場で経験を積み、働く人々の健康管理にも対応する。「メンタルの調子を見計らって生活指導を行っています」と、語るのは内科の勤務医として12年の経験を持つ内科担当の藤瀬恵里子先生。実生活でも夫婦である2人の医師は息の合ったチームワークを見せ、地域のかかりつけクリニックとして患者の心と体の健康を支えている。そんな2人にクリニックの特徴や診療方針、今後の展開などについて聞いた。
(取材日2026年8月18日)
地域住民の心と体の健康を支える
こちらは心療内科と内科の2つの診療科があるクリニックですが、開業の経緯を教えてください。

【敬喜院長】かつて働いていたあるクリニックが心療内科と内科の2診療科体制でした。そこで感銘を受け、妻は内科医なので、ちょうど私たちに合った診療形態だと思いました。また、この野江内代は心療内科へのアクセスが悪かったため、期待に応えられるのでは、と考えました。実は実家がこの近くで、なじみの地域でもあります。私たちも自転車で通える距離に住んでおり、とても便利だと感じています。
【恵里子先生】この辺りは大阪市内にしては落ち着いていて、とても気に入っています。内科は、地域にお住まいでずっと通院いただいているご高齢の患者さんも多くおられ、ようやく地域になじめてきたように思えます。
患者さんの年齢層や主訴について教えてください。
【敬喜院長】心療内科では30~40代のいわゆる働き盛りの世代が一番多いですね。仕事のストレスなどがきっかけになっていることが多いようです。主訴としては「不眠」「胸がざわざわする」「落ち込む」といった不調が多く、これらはうつ病や双極性障害、不安症などを原因としています。
【恵里子先生】心療内科から内科を受診される患者さんは40代の方が多いですが、内科全体としては、60~90代のご高齢の方が多いですね。特定健康診査をきっかけに受診される方もいます。花粉症や風邪、胃腸炎、高血圧症、高脂血症、糖尿病などが多い傾向にあります。
心療内科と内科の2診療科があることの大きなメリットは何でしょうか?

【敬喜院長】うつ病や統合失調症など、精神疾患を長く患われている患者さんには、高血圧症や糖尿病など内科疾患の合併症を発症される方が多いんです。うつ病による不調や統合失調症の陰性症状ではどうしても生活のリズムが崩れがちで、意欲の低下から運動量も減少し、また栄養も偏ってしまう傾向があります。そうすると中年期に差しかかったときに、生活習慣病を発症してしまうパターンが多いですね。
【恵里子先生】心療内科と内科、両方を受診される患者さんの8割くらいがそうした傾向にあります。そのような患者さんが一つのクリニックで両方の治療を受けられるのは大きなメリットだと思います。私たちも患者さんの情報を共有できるのが強みです。
心の病と体の病、それぞれの専門家からのまなざし
心の病気と体の病気は、やはり関連性があるのでしょうか?

【敬喜院長】大いにあります。メンタルが弱っている状態だと、どうしても活動量が少なくなりますよね。おっくうで、やる気が出ない状態だと、食事制限や運動の奨励といった指導が難しくなります。ある程度精神の状態が回復すれば内科でも指導を守れて、それがまた精神状態の回復につながる好循環になります。気分の改善や意欲を取り戻すことをめざすのは本当に大切で、採血の数値にしっかり客観的に表れてきますね。
【恵里子先生】心と体はつながっていると感じますね。体の疾患を抱えていると声も沈みがちですが、治療で回復をめざすと明るい声が聞こえるようになりますよね。当院の心療内科に通われていた患者さんが卒業されて、次は健診などで内科にいらっしゃった際に明るい表情が見られたらいいなと思いながら、院長と二人三脚で診療しています。患者さんが精神的な回復をめざす過程で、その方本来の姿を知ることができたときはうれしく感じますね。
お2人は勤務医として豊富な経験をお持ちですが、そうした経験は現在の診療にどのように生きていますか?
【敬喜院長】数多くの現場や治療のさまざまな局面を経験してきたことから、緊急の事態に対する即応力が育まれました。心療内科・精神科ではときに症状が重く生活が困難だったり、加害や被害を避けたりするために、患者さんに即時、入院をお勧めすることもあります。とっさの判断力が患者さんの今後に大きく関わることがあるので、これは現在の診察に生かされています。
【恵里子先生】私は腎臓病や人工透析の現場での経験が長かったので、他の診療科よりも患者さんとのお付き合いが長く、じっくりと向き合う経験ができました。そうすると患者さんの性格やお人柄などが見えてくるので、その人に合った話し方や接し方ができるようになったと思います。患者さんお一人お一人の個性に合わせて歩み寄り、お互い理解し合いながら診察を進めていく方法を、勤務医時代に培えたと思っています。
こちらでは公認心理師によるカウンセリングも行われていますね。

【敬喜院長】患者さんの症状によっては、公認心理師による認知療法や、支持的な心理療法が有用な場合があります。また、私もできるだけ患者さんのお話を聞くようにしていますが、診察枠や診療時間にどうしても限界があります。そのため保険適用外ですが、週2回の予約制で公認心理師によるカウンセリングを行っています。じっくり時間をかけて傾聴することで、公認心理師は私が拾いきれなかった患者さんの悩みや想いをすくい上げてくれますので、情報共有は欠かせません。
「自分は大丈夫」と思わず、気軽に診察を
敬喜院長は働く人々の健康管理にも携わっていますが、働く人々が気をつけるべきことは何でしょうか?

【敬喜院長】「自分だけはメンタルを病まない」という根拠の薄い思い込みは危険です。メンタルの病になるのはいわば事故と同じ。心の病を発症するのは誰にでも起こり得ることです。仕事の変化やストレスをきっかけに、不眠や落ちこみが続いた時には、受診を考えてください。近年は20代前半の患者さんも増えていて、ご職業もさまざまです。いざというとき、当院のようなクリニックを頼るハードルが低くなったのは、とてもいいことだと思っています。
以前から「眠れない」だけでも気軽に受診してください、とおっしゃっていますね。
【敬喜院長】例えば仕事で眠ることができずに、48時間連続で起きていたとします。その夜、眠ろうとしても眠れなければ、睡眠に問題を抱えていると判断できます。また、睡眠不足は頭の働きを鈍らせ、「眠りの負債」としてたまります。それは、十分な睡眠で返す必要があります。受診されるほとんどの患者さんは「よく眠れない」とおっしゃいます。わたしたちが診察のとき、まずお尋ねするのも「よく眠れていますか?」ということ。眠りはまさに、人間の健康の指標なんです。
【恵里子先生】内科でも睡眠の質や時間は大切な要素です。自宅など、安心できる環境で眠れない状態が続く場合、血圧の数値にはっきりとその影響が確認できることがあります。良い睡眠を取っていただくことは、体の健康にとっても重要です。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【敬喜院長】今後も信頼される街のかかりつけ医でありたいですね。また、メンタルの病で会社を休職されている方が、十分に治療を受けてからスムーズに仕事に復帰できるよう、再発防止もかねたリワークにも力を入れていきたいと思っています。近年は眠れない人に向けた市販薬なども薬局で入手できますが、自己診断のもとにそうした薬を服用してやり過ごしていると、症状を悪化させて回復が遠くなりがちです。まずは気軽に、専門家に相談してください。
【恵里子先生】体の不調も同じです。「もう年だから」「疲れているから」という自己診断で受診を後回しにしないでください。ご自身と、ご家族を大切にするために、我慢せずに受診してください。早期治療で病気の進行を食い止めることが望めます。今後は当院でも各種検査を行えることをアピールし、地域の患者さんにとってもっと身近で気軽に頼れるクリニックとして、成長していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは公認心理師によるカウンセリング/30分4000円~

