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野村 公志 院長の独自取材記事

のむら・笠原クリニック

(多治見市/多治見駅)

最終更新日:2021/10/12

野村公志院長 のむら・笠原クリニック main

院長の野村公志(のむら・こうじ)先生は生まれも育ちも笠原町。先祖代々、雑貨・文具店や陶料会社、歯科医院として笠原の地に根づいてきた。この笠原町と先祖への感謝・敬愛を持って、「のむら・笠原クリニック」の開業を決意したという。クリニック名やロゴ、院内の設備には、野村院長のこだわりが盛りだくさんだ。「笠原町の中でもこの地を選んだのは、街の中心部だからです。皆さんに平等なクリニックでありたいですね」と笑顔を見せる野村院長。医師をめざした時から、将来的な開業を見据えたキャリアを積んできたのだそう。妻で副院長の野村翔子先生とともに、患者の心に寄り添う医療をめざしている。取材では、野村院長に熱い想いをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2021年6月9日)

生まれ育ったこの町への敬愛と感謝を込めて

先生は笠原のご出身だとお聞きしました。

野村公志院長 のむら・笠原クリニック1

先祖代々、笠原に根づいていますので、この地への想いがとても強いです。生まれ育った土地のおじいちゃん、おばあちゃんたちはもちろん、すべての方々に恩返しがしたくて開業を決めました。クリニック名に「笠原」を入れたのも、この地への敬意を表しています。字体は僕が通っていた当時の多治見市立笠原小学校と多治見市立笠原中学校の学校銘板をまねてみました。地元の方は、もしかしたら気がついてくれるかもしれません。医師をめざした時から、将来は笠原でクリニックを構えたいと思っていましたので、逆算して幅広く経験を積んできました。

“逆算”とは、具体的にどういうことでしょう?

小さい頃から、テレビの影響で「医者はなんでも診てくれる」というイメージを抱いていました。実際は専門ごとに分かれてしまいますが、やはり町のクリニックは「なんでも診られる」ということが大切だと思い開業をすることを見越し大学卒業後は幅広く学びました。とはいえ、中途半端にならないように、日本外科学会外科専門医や日本消化器病学会消化器病専門医などの資格を取得したり、愛知県がんセンター愛知病院(現・愛知県立愛知病院)の消化器外科医長や、多治見市民病院救急総合診療部の部長代行を務めたりと、しっかりと専門を極めることができる環境に身を置いてきたつもりです。それらの経験を生かして、地域の方々に恩返ししていきたいですね。まったくガツガツしていませんので(笑)、患者さんと心を通わす診療をめざしていきたいと思っています。

開業したきっかけは何だったのでしょう?

野村公志院長 のむら・笠原クリニック2

歯科医師として女手一つで僕を育ててくれた母が元気で健康なうちに開業しようと思っていました。息子が開業することで、心配をかけることになってしまいますが、そうやって一緒に気持ちを盛り上げることで張り合いも出て、それもまた親孝行になるかなと。それと併せて、地域の方々にも喜んでいただけたらうれしいと思っています。実際、開業後も患者さんたちに「おばあちゃんにお世話になったよ」とか「ひいおじいちゃんの時はこうだった」とか、いろんなお話を教えていただいています。実は、近くの山にある先祖のお墓から当院が見えるのですが、日に日に先祖への感謝の気持ちが増してきていますね。

地域の人たちが最期まで安心して暮らせるように

院内の随所に院長のこだわりが伺えます。

野村公志院長 のむら・笠原クリニック3

ありがとうございます。内装はもちろん、天井の高さや駐車場の配列、看板など、ほとんど僕が決めました。例えば、近くのカフェやレストラン、総合病院などを回って、天井の高さをメジャーで測ったんです。それで、待合室に求められる居心地の良さや、リハビリテーション室に必要な開放感などを考慮した上で、それぞれの部屋の天井の高さを決めました。待合室のテレビの大きさも、極端に大きいものにするのではなく、患者さんにとって違和感がないであろう大きさにしています。ここはスポーツバーではありませんからね。キッズスペースも待合室ではなく、開放的なリハビリテーション室に設けています。周りの患者さんの目が気になる親御さんの負担も減るかなと。また、入り口は2つあるのですが、救急車のストレッチャーが入れるように動線を考えました。

ロゴマークもすてきですね。

実はこれ、僕がデザインしたんです。母は歯科医師なのですが、母への敬意も表しています。というのも、母は卯年生まれなので、母のクリニックはウサギのロゴなのですが、僕もそれを継承して、戌年生まれにちなみ、口を開けた犬の横顔をあしらったロゴにしました。犬の開いた口の中には、“は=歯”も入れています。また、リハビリテーション室には、バイオリンの絵を飾っているのですが、これは祖母への敬意からです。小さい頃、僕のバイオリンのレッスンに毎日つきっきりで付き合ってくれていましたので、この絵を見ると、「あの時があったから、今があるんだな」って思えるんです。母や祖母、先祖への感謝を忘れずにいたいと考えています。

普段どんな患者さんがいらっしゃいますか?

野村公志院長 のむら・笠原クリニック4

平日は高齢者の方が多く、地域の病院やクリニックで受け入れてもらえないような障害、例えば歩行困難の方や、セカンドオピニオンなどを求める患者さんもいらっしゃいます。近隣の病院から紹介を受けてきた、という患者さんもいらっしゃいますね。土日は若者、ご家族連れでお子さんもいらっしゃる場合が多いです。特に日曜は診療しているクリニックが少ないので、救急科外来の様相を呈しています。多治見市内はもちろん、中津川市や八百津町など、多少遠方からも駆け込んできますね。内科・外科問わずどんな患者さんも受け入れる姿勢が、ホームページなどの情報発信を通して近隣地域はもちろん、遠方にお住まいの方にも浸透してきたのかなと感じます。必要とされる医療を常に提供したいと考えているので、日曜午前の診療を今後も続けていきたいです。

医療者として、町の開業医院として、地域医療に貢献を

どんな診療に力を入れてらっしゃいますか?

野村公志院長 のむら・笠原クリニック5

外来では内科から外科まで幅広い症状を診ていますが、高齢の患者さんを診つづけていると、体調を崩したりして通院が難しくなる場合もあります。そうした場合に積極的に訪問診療を行っており、患者さんのご自宅や高齢者施設などを訪問しています。緩和ケアや看取りが必要になる場面では、専門家である副院長にも大いに活躍してもらっていますよ。自宅での看取りは患者さんの周囲の人にとって、本当に感慨深い経験になると思います。たくさんの方が代わる代わるお見舞いに訪れ、私や副院長とも親しくおしゃべりをして、患者さんを取り囲む。温かい雰囲気の中で看取れるのは、医療者にとっても意義深いものです。そのほかに少し珍しいところでは、おなかのヘルニアを専門に診る外来も開設しています。鼠径ヘルニアは乳幼児や中高年によく見られる病気で、悪化すると命にも関わります。連携病院で私が手術するので、安心してご相談いただきたいです。

東濃、多治見、笠原地区の地域医療の発展にも意欲的に取り組んでいらっしゃるそうですね。

地域の大規模病院や近隣のクリニックと、うまく連携できていると感じます。例えば、現在当院では、土岐市にある健康診断施設で人間ドックを受けた方の再検査を全例受け入れています。東濃エリアの医療者としての役割を果たせる良い機会ですし、当院を信頼して依頼してくださったことはとてもうれしく思います。地域の方々のさまざまな疾患の早期発見に寄与できたら、これ以上のやりがいはありません。多治見市内をはじめ東濃エリアの病院にはそれぞれ特色があり、得意な分野、力を入れている診療があります。それをしっかりと把握し、必要に応じて患者さんを適切な病院に紹介できるよう、今後もさらに連携を深めていきたいですね。

今後の展望を教えてください。

野村公志院長 のむら・笠原クリニック6

現在このクリニックは、私と副院長のほかに看護師9人、リハビリスタッフ3人、放射線技師1人、事務10人の体制で運営しています。来てくださった患者さんを拒まず、どんな症状でもいったん受け入れることを信条としているので、その考えに共感してくれるスタッフと歩んでいけることをありがたく思います。そもそも地域への恩返し、特に自分を育ててくれた祖母世代の役に立ちたいとこのクリニックを開業したので、初心を忘れず全力で診療にあたりたいです。とにかく初志貫徹、地域医療に力を注ぐことだけを目標に、これからも精進していきます。

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