0歳から始まる予防接種
適切な時期に接種しわが子と社会を守ろう
新城・新作こどもクリニック
(川崎市高津区/武蔵新城駅)
最終更新日:2023/11/06
- 保険診療
はしか(麻疹)、日本脳炎、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、水ぼうそう(水痘)、B型肝炎、百日咳……。ワクチンで予防を図れる子どもの病気は多い。そして、それらの病気のほとんどは、子どもたちの未来に関わる重大な病気となり得る。ワクチンには、わが子の免疫を獲得を図ることで感染症から守るだけでなく、集団免疫によって社会を感染症から守る意味もあるという。「大切な人たちのために、そして社会生活を送る上でのマナーとして、正しい時期にワクチンを打ちましょう」と話す「新城・新作こどもクリニック」の赤尾見春院長に、ワクチンの重要性について話を聞いた。
(取材日2023年7月8日)
目次
定期接種だけでなく任意接種も重要。推奨される月齢にしっかり受けよう
- Q予防接種は、なぜ受ける必要があるのでしょう。
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A
定期的な予防接種が始まる以前、多くの子どもが感染症によって命を落としたり、重い後遺症を負ったりしていました。こうした悲しい例を減らすために予防接種の普及が重要だと考えています。近年では、無料で受けられる定期接種ワクチンの種類は年々増えてきました。こうした取り組みによって接種者が増えることで、重篤な細菌性髄膜炎や脳炎などの発症抑制、重症化による入院の回避につなげられる。ワクチンの目的は、わが子を感染症から守ることや、わが子から身近な人へ、社会へと感染症が広がるのを防ぐこと。大切な子どもたちのために、そして社会をみんなで守るために、適切な時期に正しく予防接種を済ませてほしいです。
- Q子どものワクチンの種類を教えてください。
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A
0歳では、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎、ロタワクチン、4種混合ワクチン、BCGなどが接種可能です。1歳になるとMR(麻しん風しん混合)、水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜなどが加わり、3歳からは日本脳炎ワクチンを接種していただきます。女の子の場合、小学校6年生から9価のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンも定期接種として受けられるようになり、15歳未満で開始すれば、より少ない接種回数で効果が期待できます。赤ちゃんのうちは予防接種の数が多く大変ですが、公費負担の定期接種だけでなく自費負担の任意接種を含めて、ぜひ接種を検討してほしいと思います。
- Qワクチンの副作用が心配なのですが……。
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A
局所反応といって、打った部分が痛んだり腫れたりする場合があります。あとは少し熱が出ることもあります。ワクチン接種後に熱が長引いた場合、副作用なのか疾患によるものなのかがわかりにくいため、接種したクリニックを選んで診察してもらってください。ワクチン接種には、副作用を上回る大きな意味と価値があります。不安があれば接種を受ける前に医師に質問をしたり、問診票などに書いておいたりして、医師の説明を受けましょう。
- Q定期接種と任意接種の違いを教えてください。
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A
定期接種のワクチンは、予防接種法に基づいて決定したもので、ヒブ、肺炎球菌、日本脳炎、ロタウイルス、4種混合など10種類が認められています。定期接種のワクチンの費用負担はありません。一方、任意接種は、予防接種法で規定されていないワクチンです。接種する場合、費用は原則的に個人の負担ですが、自治体によっては費用を負担してくれるところもあります。
- Qワクチンが多すぎて、スケジュールの立て方がわかりません。
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A
ワクチンには、生きたウイルスや細菌の病原性をそのまま、症状が出る寸前まで抑えたものを注射する生ワクチンと、病原性をすっかり取り除いた不活化ワクチンがあります。従来、不活化ワクチンの接種後は一定の間隔をあけて次のワクチンを接種する必要がありましたが、2020年からは制限がなくなりました。同時接種できるものも増えています。こうした点を踏まえて、推奨される月齢を軸に上手にスケジュールを組みましょう。当院でも、「次のワクチン」を記した紙をお渡ししていますので、参考になさってください。風邪などで体調を崩して受けられなかった場合は、医師に相談していただければ適切な時期をご案内します。