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浦田 博美 院長の独自取材記事

うらたクリニック

(大阪市平野区/長原駅)

最終更新日:2019/08/16

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2019年7月に開業した「うらたクリニック」。外来診療と在宅医療のどちらにも力を入れ、浦田博美院長と浦田順久副院長がそれぞれの役割を担う。糖尿病を専門とする博美院長は、糖尿病をはじめ一般的な内科疾患全般を外来診療で受け持つ。一方、消化器外科が専門の順久副院長が担当する訪問診療では、ドレーンや胃ろう設置といった外科的な処置の対応も可能。手術後すぐの療養や看取りなど、在宅医療を提供する。院長は「病気を治すだけでなく、病気と向き合いながら、自宅でより良い時間を過ごしたい患者さんをサポートしたい」と思いを語る。超高齢社会において変わりつつあるかかりつけ医のニーズに、2人の経験と技術で応えていく同クリニック。その取り組みに、地域からも期待が寄せられている。
(取材日2019年7月24日)

外来と訪問診療を医師夫婦で担うクリニック

クリニックのコンセプトを教えてください。

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夫婦ともに勤務医として長く働く中で、いずれは2人で開業したいという話はしていました。ただ、超高齢社会になり、今後ご高齢の方はさらに増えていきます。外来だけのクリニックを始めても、患者さんは徐々に通院できなくなり、訪問診療に移行されるでしょう。そこで、せっかく医師が2人いるのだから外来と訪問診療を分担し、どちらにも本腰を入れて、患者さんと長くお付き合いしていけるクリニックにしようと考えたのです。訪問診療を担当する副院長は消化器外科が専門で、手術の経験が豊富ですので、在宅でも外科的な処置が可能です。がん末期の患者さんのサポートにも日常的に取り組んでいました。ですから、手術後すぐの退院やがん末期など、これまでは自宅で過ごすことが難しかった患者さんにも対応させてもらいます。また私は糖尿病が専門ですので、外来診療では一般内科診療とともに糖尿病のサポートも行います。

手術を専門としてきた副院長が、訪問診療に取り組まれるのですね。

副院長は、若い頃は「医師を辞めるときがメスを置くとき」と言うほど、手術に熱意を注いでいました。ただ、執刀した患者さんと向き合い続ける中で、手術をして病気を治すというところから、人を診るというところにも、思いが広がってきたそうです。「治す」だけでなく、治らない病気を抱える患者さんが、病気と向き合いながらより良い人生を過ごし、時にはより良い最期を迎えられるよう、お手伝いをしたいと考えています。当クリニックには患者さんのご自宅に伺って栄養指導をする管理栄養士や、訪問リハビリテーションを行う理学療法士もいます。今までの訪問診療では難しかった内容の医療やサポートに、取り組んでいきたいですね。

この場所でのご開業には、何か理由があるのですか?

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そうですね、最寄り駅からは少し離れていますので、不思議に思われるかもしれません。外来だけなら、駅前やクリニックモールなどの便利な場所もありますが、訪問診療では医師やスタッフが使う車を停められる広い駐車場が欠かせません。また、訪問診療では診療所から半径16km先まで訪問できるという規定がありますので、高速道路の出入口が近い物件を探していたところ、こちらの場所とご縁がありました。平野区はご高齢の方が比較的多く、人口に対して医師の数が足りていないそうです。また、24時間365日の訪問診療に取り組む医師はまだ少ないようで、近隣の訪問看護ステーションにも喜んでいだたいているようです。

何でも話してもらえる関係が治療中断を防ぐ

明るくて広々とした院内ですね。

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診察室は2つあり、1つは私が外来で、もう1つは看護師や管理栄養士が処置や栄養指導で使っています。今回の開業にあたっては、検査機器の充実にも力を入れました。糖尿病でいえば、HbA1cをすぐ測定する装置があります。患者さんは体調が悪かったりお薬が切れたりして受診しているのに、検査結果が翌日以降になると再度来院しなければならず、負担になりますからね。また、訪問診療にも対応できるような検査機器をそろえました。例えばエコーは、一部を取り外して訪問先まで持って行けますので、画像を診ながらご自宅で腹水や胸水を抜くことができます。心電図もポータブルの機器があります。血液検査の分析も当院内で行いますので、訪問先で採血をして医院に戻ってきてすぐに検査が行えます。ご自宅で症状が悪化すると、患者さんもご家族も不安ですから、短時間で適切な対応がとれるように工夫しています。

糖尿病の外来診療では、どのようなところに力を入れていますか?

糖尿病は、初期には症状がないため、健康診断で毎年指摘されているのに何年も放置している方が、結構いらっしゃいます。また、せっかく治療を始めても何年かたつと自己判断で通院を止めてしまう方も。特に、数値がかなり悪い状態で見つかり、治療で改善した方は「もう糖尿病は治りました」と来なくなりがちです。でも、糖尿病は一度診断されればずっと付き合っていく必要のある病気です。来なくなった患者さんが、時間がたってからもっと悪化して再受診されることもありますよ。だから患者さんが治療中断しないよう、常に意識してお話をしています。それから、糖尿病の治療では適切な食事が非常に大事です。当クリニックには常勤の管理栄養士がいますので、必要がある際にはいつでも、栄養食事指導を受けることができますよ。

院長先生が患者さんと向き合う際に、心がけていることを教えてください。

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患者さんが思っていることを話しやすい、何でも相談してもらえるような雰囲気をつくることですね。患者さんからは、「まだ余っているお薬があるのに、先生に『出しておくからね!』と言われて断れなかった」といったお話を耳にすることがあります。「その先生に直接言えないものかな」とも思いますが、私が女性だから、話しやすいのかもしれませんね。また、年齢を問わず女性の患者さんは、男性医師には排尿のトラブルを伝えにくいようです。女性同士ならではのご相談もしていただきたいですね。医師が一方的に話して切り上げるような診察はしないでおこうと、いつも思っています。糖尿病の治療中断を避ける上でも、患者さんとはフラットな関係を大事したいですね。

外来診療でも在宅医療でも「患者第一主義」

ご夫婦でのご開業ですが、先生にとって順久先生はどのような存在ですか?

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副院長は、徹底した「患者さん第一主義」の人です。手術が好きではありますが、症例数を増やすとかではなく、手術して患者さんが元気になって、喜んでもらえることが好きなんでしょうね。だから、担当した患者さんからお手紙をいただいたり、再手術を希望されたりすることは多いですし、訪問診療にも並々ならぬ思いで取り組んでいます。四六時中一緒ですので、ときには衝突することもありますが(笑)、医師として尊敬していますし、決断力のある心強いパートナーだと思っています。

ところで、先生ご自身が健康維持のために、取り組んでいることはありますか。

実は、昨年、一念発起して運動と食事の見直しに取り組み、私自身かなり大幅に体重を減量することができました。長い間忙しい生活が続いていたこともあり、食事内容がひどく悪かったんですね。食べる物を見直したり、同じカロリーの献立であっても食べる順番やバランスを考えることで、健康的に痩せられたと思います。また食事指導の重要性を、身をもって感じられたことも大きな収穫でした。患者さんへの食事指導や生活指導でも、教科書的な言葉ではなく自分の経験から血の通ったお話ができるようになりました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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外来でも訪問診療でも、患者さんやご家族から素直な思いを話していただける、何でも相談してもらえる関係を築いて、長く頼ってもらえるかかりつけクリニックになりたいですね。最初は外来へ来られていても、通院が難しくなれば訪問診療へ移行できます。私は外来の担当ですが、ご希望や時間の都合に応じて、ご自宅に伺うことも可能です。もちろん私が行けなくても、患者さんと私の間で積み重ねてきたものは、副院長やスタッフが確実に引き継ぎます。今、国の方針で、入院できる日数はどんどん短くなっています。自宅に帰って過ごしたい患者さんやご家族、外科的な処置があるために退院できない患者さんの主治医の先生方、さらに在宅医療に関わるさまざまな職種の皆さんとフットワーク軽く連携して、患者さんやご家族が自宅で不安なく過ごせるお手伝いをしていきたいですね。

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