幼少期の治療開始が健全な発育につながる
反対咬合治療
ふみ矯正歯科
(さいたま市浦和区/浦和駅)
最終更新日:2021/10/27
- 自由診療
子どもの歯並びは、保護者にとって気になるところ。噛み合わせが悪い「不正咬合」は、見た目の問題だけでなく、放っておくと骨の成長にも影響することがあるので注意が必要だ。しかし、どんな場合に矯正が必要なのか、いつから治療を始めればいいのかなどの情報は、十分知られているとは言い難い。さいたま市浦和区にある「ふみ矯正歯科」は、矯正治療を専門に行う歯科医院。同院の院長・竹村史先生に、不正咬合の中でも、特に子どものうちにしっかり治すことが重要という反対咬合(受け口)について、早期治療が必要な理由や適切な治療開始時期、実際の治療の流れを聞いた。
(取材日2020年4月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q反対咬合は、なぜ治療が必要なのですか?
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A
反対咬合とは、前歯について、上の歯並びが下の歯並びの外側に来る通常の噛み合わせとは逆になっている状態。つまり、下の歯が上の歯より唇側に出てしまっている状態のことです。原因は歯の生え方の問題であることが多いですが、骨格的な遺伝の場合もあります。反対咬合でもご飯は食べられますし、生活に困るわけではありません。ただ放置すると、成長に伴い、頭の骨に対する上顎・下顎の位置のずれが大きくなってしまい、歯や噛み合わせの問題だったものが、骨の問題に移行してしまうことがあります。それゆえに、反対咬合があれば小さいうちに一度矯正専門の歯科医師に診てもらい、成長期を迎える前に治療を受けることが大切なのです。
- Q治療は、何歳頃から始めればいいのでしょう?
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A
不正咬合があった場合、3歳児検診で初めて指摘されるケースが多いかなと思います。この時点ですぐ矯正歯科を受診してもらっても、早すぎることはありません。ただ、3歳ではまだ治療を行うのは難しいため、早期治療の適用になるのは早くて4~5歳ぐらい。通常では、6歳臼歯が上下とも出てきていて、下の前歯と上の前歯が永久歯に生え変わった頃、早い子で小学1年生、ゆっくりな子で3年生ぐらいが、治療開始に適切な時期ですね。この時期に治療を行い、正常な成長からずれている部分を修正し、正常軌道に戻してあげることが重要です。前歯が生え変わり始めたぐらいで一度受診し、治療のタイミングを判断してもらうのもいいと思います。
- Q治療には、どんな装置を使うのでしょう?
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A
口内の状態によりますが、1例を挙げるとまず最初にリンガルアーチという、歯の裏に固定して前歯を外側に押し広げる装置を使って、上下の前歯の噛み合わせを改善し、次に歯に固定するブラケットとワイヤーを使って歯並びを整えていく、と2段階での治療となることが多いです。ブラケットは金属製のほか、セラミック素材の目立たないものもあります。最初はもちろん違和感がありますが、2~3ヵ月ぐらいで慣れてくる子がほとんどです。歯が動く痛みに「ちくちくする」と嫌がる子もいますが、毎回写真を撮って、どれぐらい変わったのか本人に確認してもらうと、前向きになってくれますね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初回相談
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初回の相談では、患者の希望を聞くところからスタート。治療を受けるのは本人の希望なのか、両親の意向で本人は嫌がっているのかなど、来院の経緯から丁寧に聞いていく。続いて口内のチェックと、必要ならパノラマエックス線写真を撮影。その結果を踏まえ、今治療が必要か否かを含めて、口内の状態や問題点について説明する。治療が必要であれば、矯正治療の流れ、使用器具、だいたいの期間、料金についても説明していく。
- 2検査・診断
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治療が決まったら、まずは診断に必要な検査を実施。顎の中で歯がどういう状態で存在しているのかを見るパノラマエックス線写真、頭の骨と上顎・下顎の位置関係を見るセファログラム、口腔内写真、顔立ちを見るための写真などを撮り、口内の型採りをして模型の作製も行う。これらの情報をもとに治療計画を策定し、患者の了承を得て、治療開始となる。
- 3矯正治療
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矯正治療は、歯を動かす時期と動かした歯が正しい位置で安定するよう維持・管理する保定時期の2部構成。子どもの矯正の場合、それぞれの治療期間は、1年~1年半ほどとなるのが一般的だという。歯を動かす間は、約1ヵ月に一度の通院が目安。ブラケットではワイヤーで引っ張って歯を動かすため、毎回の調整後1週間ほどは痛みがあるが、2~4週目になると違和感は小さくなるそう。この繰り返しで治療を進めていく。
- 4保定
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歯の内側部分がプラスチック、外側が太めの針金でできたリテーナーをつけ、治療後の歯列の形を維持する。取り外し式で、プラスチックを削ることで変化に対応できるので、歯が抜け替わっても作り直す必要はない。外側の針金を締めることで、多少の乱れであれば調整することができる。保定期間中の通院は、3~4ヵ月に一回が目安。装置の状態や歯磨きができているか、生え変わりがうまく進んでいるかなどをチェックしていく。
- 5定期健診
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保定期間が終わっても、成長に伴う変化を診るために定期健診は必須。少なくとも永久歯列が完成するまでは、かみ合わせの問題が再発しないかどうかを保定治療と同じ3ヵ月に1度くらいのペースでクリーニング・定期健診に通って歯の状態を確認してもらおう。
自由診療費用の目安
自由診療とは検査・診断/3万円~、小児矯正・床矯正/30万円~、ブラケット矯正/70万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/85万円~、インプラント矯正/75万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。