山口 大輔 院長の独自取材記事
たまプラーザやまぐち眼科
(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)
最終更新日:2025/10/22
東急田園都市線・たまプラーザ駅から徒歩3分の「たまプラーザやまぐち眼科」。山口大輔院長は、2019年に同院を開業し、日帰りの白内障手術や硝子体手術を行っている。白内障手術では近年さまざまな眼内レンズがあるため、それぞれのメリットやデメリットについても詳しい説明を心がけている。また、患者の気持ちと医師としての思いを融合させながら治療を進め、術後の見え方のケアや近視治療にも力を注ぐ。先進の設備や器具の導入に努め、自己研鑽を怠らない。ウェブ上での情報発信にも熱心だ。この地域に恩返しをしたいと思いを寄せ、患者一人ひとりを「自分の大切な人」として接することを信条としている山口院長に、現在の診療や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年6月11日)
先進機器を備えて日帰り手術にも対応
開業当初から、日帰り手術を希望される患者さんが大勢来院されているようですね。

そうですね。特に白内障の日帰り手術をご希望の方が多いです。遠方からお越しになる方もいます。他には硝子体手術や眼瞼下垂症の手術、霰粒腫の手術も行っています。硝子体手術自体は日帰りでできる手術ですが、クリニックで実施している所は少なく、大学病院でこの手術を受けようとすると、ほとんど入院しての対応となるでしょう。患者さんの生活を重視することを考えると、日帰り手術が理想だと考え、開業時に硝子体手術ができる設備を整えました。
手術前の説明や手術後のケアについて教えてください。
手術をする患者さんから「遠くの物が見たい」というご要望があったとしても、患者さんと私の「遠く」の認識が異なることがあります。手術後の見え方が想像と違うということがあり得ますので、手術前には時間をかけて検査員と一緒に説明するようにしています。万が一、手術後の見え方にご納得いただけない場合は、手術時に入れたレンズを取り出して新しいレンズを入れる「眼内レンズ交換」を行っています。他院で手術を受けられた方のご相談にも対応しています。見え方に納得のいかないまま何十年も我慢するのはつらいですよね。手術後の見え方にお困りの方やセカンドオピニオンをご希望の方は、気軽にご相談ください。
患者さんへの情報発信も積極的にされていますね。

はい。日頃から目のことで気になることがあれば、気軽に来院してほしいと伝えています。でも、来院しなくても、もっと気軽に目のことについて興味や関心を持ってほしいという思いから、ブログで情報発信をしたり、患者さんが目の症状に応じて疾患を検索できるホームページを運用したりしています。また、お問い合わせフォームなどでのご質問も個別に受けつけています。地域のタウンニュースなどにも連載を持ち、目にまつわるお悩みに答えるような連載もさせていただいています。今後は白内障や緑内障についての相談会を実施できるように、現在準備をしているところです。眼科の手術に不安を抱えている方に安心していただきたい、そして治療して、より良い生活を過ごしていただきたいという思いで、ただ診療するだけでなく、その前段階として皆さんとお話ができれば良いなと思っています。
患者の負担を和らげるため、さまざまに工夫
患者さんとの接し方で心がけていることはありますか?

手術に関しては、いくら白内障であっても手術を希望しない方に無理強いすることはありません。反対に、症状が軽くても手術を希望する方には、メリットがあると判断すれば手術します。患者さんによって手術のタイミングが変わってきますので、治療の選択肢を示すだけでなく、お気持ちをくみながら、医師として、手術を受けたほうがよいか、どのようにレンズを選んだらよいか、私の意見をお伝えするようにしています。また、普段の診察では、なるべく患者さんの話をたくさん聞き、それを踏まえた上で治療方針を決めています。趣味や仕事のことなど、一見診療とは関係ないような話も含めて話を伺います。趣味でプールや海を楽しむ方だと、手術で眼鏡もコンタクトレンズも不要にできれば安心して快適に趣味を楽しめるでしょうし、人生の質が上がると思うんです。
院内設備や検査のこだわりについて教えてください。
さまざまな機器を導入していますが、例えば、緑内障発作予防も見越した白内障治療に関しては、前眼部を3次元撮影できる機器を導入しています。患者さんが視覚的に隅角の狭さを理解されることで、納得して手術を受けられることにつながります。白内障に関しては、画面を見ながら手術を行える3D顕微鏡ですね。術中のOCT機能もあり、画像評価をしながら、より一層安全に配慮しながら手術ができるようになりました。また、視力低下が進行した人の視野検査では機械による自動の検査ではうまくいかず、検査員による手動の検査が有用です。検査する側にも技術が求められますが、症状の進行状況に応じて、現在の状況をより正確に把握するために実践しています。そして障害がある方や、認知症の方の白内障などの手術も積極的に受け入れ、通院困難な患者さんについては1日で術前検査や説明ができるようなアレンジを心がけています。
以前は消化器外科を専門とされていたのですね。眼科の診療にご経験は生かされていますか?

もともと手術に興味があり、多様な症状を診られる医師になりたいと考え外科に進みましたが、外科の場合は自院での手術が難しいという問題がありました。一方で眼科は、開業後も設備を整えれば大学病院レベルの手術・治療をめざせます。患者さんの治療が終わるまで責任を持って自分で診療したいという気持ちから、眼科に転向しました。目の手術といっても、全身疾患がある方や手術中の不整脈などが見込まれる方もいます。その際に外科の経験が生かせていると思いますね。また当院で導入した3D顕微鏡は、従来の顕微鏡をのぞいての手術ではなく、65インチの3Dモニターに写し出される画像を見ながら手術をします。モニターを見ながらの検査や手術は他の科では定着していますが、眼科ではようやく一部の先進的なクリニックで導入が始まった程度で、まだまだ普及が遅れています。新しい器具の導入をすぐに決断できたのも、外科の経験があったからだと思います。
困り事に耳を傾け、心情に寄り添う
医師をめざしたきっかけと、これまでの歩みについてお聞かせください。

陸上部だった中学生の時、ケガをして整形外科に通っていました。その時の経験から「患者さんが何に困っているかを聞ける医師になろう」と、強く思うようになりました。また中学生の時にがんで祖父が他界し、「近くにいたのになぜ気づかなかったのだろう」と、悔しく思ったことも後押しになりました。勤務医時代は昭和大学藤が丘リハビリテーション病院で東急田園都市線沿線の患者さんに育てていただいたので、その恩返しがしたくてこの場所で開業しました。開業して感じるのは、患者さんの「見え方」に対する意識の高さ。例えば、近視のお子さんの場合、眼鏡をかけると視力が下がると考え、かけさせたくないという親御さんもいらっしゃいます。ですが当院にお越しの方は、眼鏡の必要性を説明すると理解して、さらに質問もしてくださり治療に積極的な印象です。
今後、力を入れたい治療はありますか?
白内障や硝子体など、いろいろな手術のレベルを上げていきたいと考えています。白内障手術については、近年では多焦点眼内レンズに加え、単焦点レンズでも焦点深度の幅を広げるためのレンズが出てきており、乱視に適応しているものなどもあります。さまざまなメーカーから特徴あるレンズが出ている中で、それぞれのメリットやデメリットを患者さんにお伝えし、私自身の見解も参考にしていただきながら選んでいただくようにしています。レンズの副症状については、個人によってかなり差が出ます。患者さん一人ひとりがどんな見え方を望んでいるかをまず伺った上で、一緒に慎重に選んで使っていくという流れで進めています。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

当院では、目に関することに幅広く対応しています。大学病院のように入院での手術や手術までの待ち時間の長さを気にしなくて良いという気軽さもあります。安心して治療を受けられるような環境を整えてお待ちしています。今後も先進の技術をどんどん取り入れ、地域の皆さんに還元していきたいです。まずは治療に来るのはもちろん、わからないことや気になること、手術後の見え方のお悩みも気軽にご相談いただけるとうれしいです。「雑談しに行く」くらいの気持ちでご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術/約30万~38万円(選定療養)
※レンズの種類により費用が異なります。
眼内レンズ交換手術(単焦点レンズの場合)/約30万~35万円

