白神 紘太郎 院長の独自取材記事
しらかみ歯科クリニック
(大阪市城東区/新森古市駅)
最終更新日:2026/10/13
「しらかみ歯科クリニック」は城東区古市にある地域密着型の歯科クリニックだ。白神紘太郎院長は2019年5月にこの場所で開業して以来、近隣地域に住む乳幼児から高齢者まで幅広い人々を対象に、歯科医療を提供している。開業までに口腔外科での長い経験を持つ白神院長は、難しい抜歯や外傷の治療、顎関節症、口腔内のがん、粘膜疾患などの診療などにも対応。明るく開放的な院内にはキッズスペースが設けられ、バリアフリー設計を取り入れるなど、全世代に向けた心遣いが見受けられる。また診療室の5台のチェアスペースにはモニターを設置して口の中の状態を可視化し、治療内容を丁寧に説明することに努めているという。そんな白神院長に、診療時に心がけていることなど、さまざま話を聞いた。
(取材日2026年9月16日)
地域のクリニックとして大切な役割を果たす
開業されて8年目になりますが、古市という地域はどんな地域ですか?

この地域は大きな集合住宅や学校もあり、幅広い年齢層の方がお住まいになっています。来院される患者さんも乳幼児から100歳を超える方まで、まさに全年齢の方がいらっしゃいますね。私が開業前に勤務していたクリニックもまた、住宅地にありました。そこで地域に密着した歯科クリニックの仕事を経験し、自分が開業するなら同じように地域に根差したクリニックを開業しようという思いがあったんです。午前中や夕方には高齢の患者さんや主婦の方、また子どもたちが診察に訪れます。夜の7時半まで診療を行っているため、お仕事帰りの方も来院してくださいます。
バリアフリー設計やキッズスペースの設置など、クリニック内にさまざまな配慮が見られますね。
クリニックのエントランスから診察台まで車いすで入ってこられるようになっています。近年は健康寿命が延び、車いすで生活するようになっても積極的に外出される元気なお年寄りが増えました。これからこの地域もさらに高齢化が進むことが予想されるため、そうした患者さんも増えていくことでしょう。そのため当クリニックのバリアフリー対策にもまだまだ改善の余地があるので、対応していきたいと思います。キッズスペースを設けているのは当クリニックには子どもの患者さんも多いですし、お子さま連れの主婦の方が診察に来られることも多いからです。来院した子どもたちにできるだけリラックスできる空間を提供したいと思っています。
来院される患者さんはどのようなことを求めて来られますか?

「町の歯科クリニック」として開業したので、虫歯・歯周病・入れ歯(義歯)といった一般的な歯科治療が中心ではありますが、最初から歯のメンテナンスが目的で来院される患者さんも多いです。また、虫歯や歯周病以外の口内炎などの粘膜の症状や、顎の痛みや歯ぎしりなど口の中全体を診てもらえるクリニックを求められていると思います。当院のような地域のクリニックにも、歯の治療にとどまらない口内の健康維持を行う役割が求められています。今後も定期検診やメンテナンスを促進していきたいと思います。患者さんの生活コミュニティーにあるクリニックとして、住民の皆さんのお役に立ちたいですね。
口腔外科で培った専門性を地域に
院長先生は口腔外科でのご経験が長いそうですね。

大学病院や総合病院の口腔外科に勤務してきました。そういう環境では他の診療科との情報共有や合併症の有無など、全身の健康を考えて治療を行う必要があります。そのため、高齢の方や、心疾患をお持ちの方、糖尿病を患っていらっしゃる方などの全身管理を行いながら治療を行えるのが私の強みです。飲まれているお薬などを伺ってから、治療全体の方針を立てるようにしています。口腔外科の治療としては親知らずの抜歯が院内で行えることはもちろん、口腔内の炎症や腫瘍、口腔粘膜疾患などの診察や、スポーツや事故などによる顎顔面の外傷治療、さらに顎関節症の治療などが行えます。クリニックには歯科用CTも設置しており、精密な診断や治療が可能。大阪府済生会野江病院、大阪市立総合医療センター、大阪医療センターといった病院とも連携体制を敷いているので、当院で治療が行えない場合はそうした病院での治療につなげることもできます。
子どもの患者さんも多いと聞きましたが、特別に配慮されていることはありますか?
地域柄もあり、幼稚園児から小学校までの患者さんは確かに多いですね。中学・高校となると親御さんの仕上げ磨きはできなくなってくるので、お子さんのお口の状態を把握しにくくなります。ですから、歯みがきのときの注意点など、本人と親御さんが共有できるようなアドバイスを心がけてます。開業して8年ですが、開業当時は小学生だった子どもたちが来院し、成長していく過程を見られるようになりました。歯科クリニックというのは人生を通じて通うものですから、子どもの頃の歯科クリニックの印象が「怖い・不安」というものだと、その後の人生でも足が遠のきがちですよね。だから子どもたちには、できるだけ当院でそういう思いをしてほしくありません。安心できる場所だというポジティブな印象を持ってくれればいいな、と思っています。
歯科医師会などを通じて、地域の人々に歯の健康指導をすることもあるとか。

年に1回ほど、地域の集会所などで地域の皆さんを対象に、歯の健康の維持の大切さを講演することがあります。いつも当院に通われている患者さんが講演に参加されていることもあり、会場で顔を合わせてご挨拶することもありますね。当クリニックでもそうした地域の人々を対象とした勉強会などを開くことができたら……と開業以来ずっと考えているのですが、将来的にスタッフを拡充するなどマンパワーを強化できたら、実現させたいと思っています。
「来てよかった」と思えるクリニックでありたい
患者さんへの説明に、いつも力を入れておられると聞きました。

患者さんにしっかりご納得いただいた上で治療を進めたい、と思っています。なぜエックス線や歯科用CTの撮影をするのか、どんな目的で歯の型を採るのか、どうして虫歯になってしまったのか、治療費はどれくらいかかりそうか、そういったことを丁寧に、わかりやすい言葉で説明するようにしています。痛みが強いなど急を要する治療の場合は別ですが、来院された患者さんに初回から治療を行うようなことはせず、症状の説明や治療方針についての説明を行うようにしています。治療期間はどれくらいになりそうなのかを説明し、次回以降から治療を行います。治療が始まってからも、今日はどんな治療をしたのか、次に何をするのか、あと何回通院していただくことになりそうか、といったことを毎回お伝えします。また各診療スペースにアニメーションモニターを設置しており、患者さんに歯の状態や治療後の状態をご自分の目でご確認いただくようにしています。
クリニック全体で共有されている精神などはありますか?
明確に言語化しているわけではないのですが、とにかく患者さんが当クリニックに「来てよかった」と思ってもらえるようにしたい、という思いはありますね。虫歯治療でも歯石除去でも抜歯でも、できるだけ患者さんがつらくない、負担に思うことがない治療を心がけています。痛みを少なく抑える配慮などもそのためにやっていることです。歯のメンテナンスでもそうですが、患者さんがクリニックから帰られてから「お口の中がきれいになって気持ち良かった」「行った価値があった」と思ってくれればうれしいです。そして「また来よう」と思っていただけたらさらにうれしいですね。
地域の患者さんにメッセージをお願いします。

お子さんが当クリニックに来院されて、その後にお母さんやお父さんが来院され、続いておばあさんやおじいさんが来られる、というケースがあります。もちろん、高齢の患者さんから子、孫が来られる、という逆のケースも。そんなふうに地域に住まれている各世代の人々の暮らしに浸透していることがとてもうれしく、ありがたく思っています。来院された際は患者さんと世間話をするのですが、当院にかつて来院されたお孫さんがもう高校生になった……といったような話を聞くのが私にとって楽しみになっています。理想としていた、口内のことならなんでも相談できる「地域のかかりつけ医」になることができた、と実感しながら、充実した思いで日々の診療にあたっています。

