よくある「めまい」「頭痛」でも
軽く考えず、脳神経外科の受診を
すぎもと脳神経外科クリニック
(堺市南区/栂・美木多駅)
最終更新日:2022/06/13


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誰でも経験するほどよくあるめまいや頭痛。しかし、一過性の症状で済むものもあれば、脳の病気が原因で起こっているものもあり、そのままにしておくと命に関わるケースもある。いずれも、問診やMRI検査などで起こっている症状の原因をはっきりさせ、状態に応じた治療が必要となる。めまいに嘔吐や麻痺、意識障害を伴う場合は急を要する病気の可能性があり、脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・脳血管奇形などが考えられるそう。また、大きく2タイプに分けられる頭痛では、脳や体に原因がある二次性頭痛にくも膜下出血など命に関わるものがあるという。大学病院で脳神経外科の医師として長く活躍した「すぎもと脳神経外科クリニック」の杉本圭司先生に、めまいや頭痛の種類、その原因、検査や治療法などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2022年5月24日)
目次
めまいや頭痛には、急を要する重篤な病気に起因するものがあるため、早めの検査で原因を調べることが重要
- Qめまいに悩まされることがあります。
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A
▲めまいについて解説をしてくれる院長
私たちは、耳、頸部、四肢の関節、筋肉、皮膚、目からの情報によって自分の位置を認識しますが、これらや脳に異常がある場合にめまいが生じます。「目の前がグルグルする」「後ろに引っ張られる感じがする」「立ったときや起きたときにふらつく」「歩行時に片方に寄っていく」など症状はさまざまです。脳に起因する場合は、めまい以外に繰り返しの嘔気・嘔吐、手足を動かしにくい、ろれつが回らない、まっすぐに歩けないなどの麻痺、ぼーっとしている、受け答えがおかしいなどの意識障害を伴う場合は、急を要する病気の可能性があります。考えられる脳の病気には、脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・脳血管奇形などがあります。
- Q病気が疑われる場合、どんな検査・治療を行うのでしょうか?
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A
▲閉所恐怖症でも安心して検査を受けられるよう放射線技師が声かけ
問診と診察で脳に原因がある可能性を判断し、頭部MRI・頭頸部MRA検査にて評価します。脳に原因があると判断されるケースでは、追加の検査や手術が要する場合があるため、当院ではより高次の病院へ紹介します。頭頸部MRAにて、動脈硬化性変化で血管が狭くなっているケースもあります。狭さが軽度の場合は、血液検査での糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症といった生活習慣病の評価結果に基づいて、投薬加療を行い、高度の場合は病院への紹介を検討します。脳に原因がないケースでも症状の強さに応じて点滴や投薬を行います。当院では、必要に応じて漢方の処方も行っています。また、耳鼻咽喉科での耳の検査を受けていただくこともあります。
- Q頭痛についても教えていただけますか?
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A
▲頭痛は一次性と二次性に分けられるそう
頭痛は一次性と二次性に大別され、一次性頭痛は脳に病気がないのに頭痛発作を繰り返す慢性頭痛で、日本人の4人に1人に起こるともいわれています。二次性頭痛は脳や体に原因がある頭痛で、風邪や二日酔いによるものなどもあれば、命に関わる病気による頭痛もあります。これまでに経験のない激しい頭痛、長く続く頭痛、徐々に悪化する頭痛の場合は、くも膜下出血や脳腫瘍の可能性があるため、頭部MRI・MRA検査が必要となります。当院では患者さん1人につき少し長めの30分枠で設定しています。これは、検査中に異常が疑われた場合、放射線技師からの相談で医師が追加検査の必要性を判断し、その検査を行うためです。
- Q慢性の一次性頭痛にはどのようなタイプがあるのでしょうか?
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A
▲頭痛に悩んだら脳神経外科へ相談を
慢性頭痛は頭痛に起こるメカニズムによって「片頭痛」と「緊張型頭痛」の2つのタイプに大別されます。片頭痛は、頭の血管が炎症を起こし、腫れて拡張するために血管壁の神経が刺激されるのが原因で起こり、緊張型頭痛は、頭から首、肩にかけての筋肉が緊張して血流が悪くなり、蓄積した疲労物質が神経を刺激することで痛みが起こります。両者を見分けるのは簡単ではないのですが、「日常生活に支障がある」「動くとガンガン響く」「吐き気がする」「光や音に過敏になる」などの症状は片頭痛の特徴で、「目の前がキラキラする」「視野の一部が欠ける」などの前触れを自覚する人もいます。
- Q一次性頭痛の対処法や治療法を教えてください。
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A
▲一人ひとりに合わせた治療方法を提示している
一次性頭痛は、月に約2、3回ほどの頻度で発作的に起こり、ストレス・疲労・不規則な生活・天候の変化が主な原因といわれています。女性の場合は、生理周期などで頭痛が起こることもあります。片頭痛を完治させることは難しいのですが、適切な治療により頭痛発作を抑え、頭痛の頻度を減らすことは期待できます。片頭痛の薬物治療には急性期治療と予防的療法があり、一人ひとりのライフスタイルや頭痛発作の頻度に合わせて治療法を選択する必要があります。最近では、予防療法を行っても月4回以上の片頭痛を自覚する場合には、注射薬を使用することができます。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万7500円~(税込み)