子どもを虫歯から守るために
知っておきたい生活習慣の重要性
なないろこども歯科
(浦安市/浦安駅)
最終更新日:2022/09/07


- 保険診療
虫歯を予防する上で歯磨きは大事なこと。しかし子どもの歯と口の健康を守る上で、それと同等かそれ以上に大切なのが、赤ちゃんの頃から食べ方・飲み方に気をつけ、正しい生活習慣を身につけることだ。「子どもたちの歯の健やかな成長のためには、まず、離乳食期に、噛む、飲み込むといった口腔機能をきちんと発達させることが大切です」と「なないろこども歯科」の森伊津(もり・いつ)院長は話す。小児期の歯の健康は、単に歯だけでなく、口周りの筋肉や顎の発達、呼吸などさまざまな要素が関わっているのだそう。同クリニックでは、「未来を担う子どもたちの健康をサポートする」を理念に、子どもたちの口腔環境の維持・改善に努めている。小児の予防歯科への考え方やクリニックの取り組み、ホームケアのポイントなどについて話を聞いた。
(取材日2022年5月10日)
目次
虫歯予防には正しい生活習慣を身につけることが何より大切
- Q子どもの予防歯科の開始時期はどのように考えれば良いのですか?
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A
▲子どもの予防歯科は、妊婦の頃から考えるべきだと話す
乳歯が生えてからというよりは、私はマイナス1歳、妊婦の頃から考えるべきだと思っています。というのも、生後すぐの赤ちゃんの虫歯菌はゼロです。それが生活習慣によって母親や周囲の人から感染してしまうのです。ですので、まず妊娠中の母親の口腔環境を整えることが大切です。また、離乳食期は、顎や筋肉の発達に必要な「噛む」「飲み込む」がきちんとできるよう、離乳食の与え方も重要です。このように、子どもの歯の成長には何が大切か、できるだけ早く知識を身につけておくと良いと思います。当院では0歳から3歳のお子さんを持つ親御さんを対象に参加型教室を開いてさまざまなアドバイスをしていますので、ぜひ活用してほしいですね。
- Q乳歯が生えてきたらどんなケアをすれば良いでしょうか。
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A
▲子どもに楽しく通ってもらうための待合室
乳歯に残った食べかすをしっかり取り除くようにしましょう。いきなり歯ブラシを使うと、怖がることもありますので、最初は指に水で濡らしたガーゼを巻いて拭き取ると良いでしょう。歯がまだ生えていない時期に歯茎を指でマッサージしてスキンシップをよくとっておくと、乳歯が生えてきた時のケアも受け入れやすいと思います。食事のたびに毎回ケアするのが理想ですが、それも大変ですので、少なくとも夜だけは丁寧に行ってください。前歯や、上の奥歯の頬側、下の奥歯の舌側部分は汚れがたまりやすく、磨きにくいので、特に念入りにケアするようにしましょう。
- Q乳歯の虫歯予防で重要な点を教えてください。
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A
▲楽しく予防を学ぶことができるアクティビティールーム
本来、乳幼児期は唾液が多く、自浄作用が働くので虫歯になりにくいのです。しかし、おやつや甘い飲み物を取る頻度が高いと、その分口の中は酸性の状態が続き、虫歯になりやすくなります。おやつは時間を決めて与え、糖分の多い飲み物は控えましょう。また仕上げ磨きをする際、真剣な顔になりがちですが、歯磨きが楽しい時間となるよう優しく接するようにしましょう。昼間の明るい時間に口内をチェックするのも虫歯の早期発見につながります。虫歯で乳歯の形が崩れると、歯列が乱れてくることがあります。それから、乳歯の歯茎に膿がたまると、その下にある永久歯にも悪影響を及ぼしますので、虫歯の進行には注意してください。
- Q予防歯科では具体的にどのようなアプローチをしていますか?
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A
▲楽しめる工夫を凝らした親子教室で、生活習慣の改善をめざす
歯磨き指導や、乳歯の再石灰化を促進するフッ素塗布、奥歯の溝部分を埋めるシーラントなどを行っていますが、特に力を入れているのが、生活習慣を改善するための指導です。歯を守るには、食べ方・飲み方が大切なので、親子教室で普段気をつけるべきことをアドバイスしたり、4~6歳の子どもたち向けのスクールで食べ方についてお話ししたりしています。また、口呼吸から鼻呼吸への誘導、舌を正しい位置に戻す習慣づけ、姿勢チェックなど、子どもたちの健康そのものに悪影響を及ぼす原因を早期に取り除くためのトレーニングや指導も行っています。ゲーム感覚を取り入れて、楽しみながら続けられるよう工夫しています。
- Q今後、こちらで計画していることなどを教えてください。
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A
▲今後は妊婦向けの口腔ケアを指導する教室開催も行いたいという
2022年4月からスタッフに管理栄養士が加わったので、年齢に合わせた食育指導や離乳食教室などに取り組んでいきたいと思っています。指導や教室を通して、食に興味を持つ子どもたちが増えてくれるとうれしいですね。また、子どもは親のまねをするので、子どもの虫歯予防のためには、保護者自身が正しい生活習慣や歯磨きの習慣を身につけることがとても大切。自身の口腔ケアの重要性から離乳食のあげ方まで、妊娠中から知っておいてほしいことはたくさんあります。今は妊婦さんを対象にした歯科検診の時に個別にお話ししていますが、今後は妊婦さん向け教室の開催なども含め、より早めに情報を伝えられる体制を整えていきたいです。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。