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矢崎 弘人 院長の独自取材記事

医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック

(横浜市港北区/大倉山駅)

最終更新日:2021/10/12

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック main

自らの印象について「皆さんが思うような“怖い脳神経外科”とかなり違うのでは」と笑う「大倉山脳神経外科クリニック」の矢崎弘人院長。脳神経外科での手術、脳機能障害に対するリハビリテーション分野などで経験を積み、現在は同院で脳血管の病気に対する早期発見と予防に取り組む。「こうした病気の予防に生活習慣の改善から始めたい」と語る矢崎院長に、同院の特色や診療方針について詳しく聞いた。

(取材日2021年6月28日)

脳卒中など脳血管の病気の早期発見と予防に努める

こちらの医院の特色を教えてください。

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック1

当院は、横浜市旭区で15年以上診療している「子安脳神経外科クリニック」の関連施設で、大倉山駅近くのクリニックモールという便利な立地に、2019年にオープンしました。CTやMRIをはじめ脳の詳細な検査に必要な装置を院内に備え、頭痛、めまい、しびれなどの症状、事故やスポーツによる頭部のケガなども迅速に診断・治療しています。頭痛などの相談は若い方が多く、脳卒中のような脳血管の病気は高齢の方が中心と、患者さんの年齢層は幅広いですね。しかし、最近は30代、40代で脳卒中になる方も増えており、早期発見や予防に向けて若い方への啓発活動も重要と考えています。さらに脳血管の病気は生活習慣病とも関係が深いため、当院では生活習慣病の管理や予防といった内科的な診療もカバーしています。

患者と接するときどんなことを心がけていますか?

私はいつも「診療中に一度は笑顔になってほしい」と思いながら患者さんと接しています。もちろん気になる症状があって来院されるのですから、詳しく話を伺って、的確に診断・治療することは大前提です。それでも検査で問題なければ安心していただけますし、何かこちらの一言がリラックスのきっかけになれば自然に笑顔になっていただけるでしょう。脳神経外科は「脳を調べて異常が見つかったら怖い」とか「先生も気難しそう」など、一般的には敬遠されがちな診療科。ただ、私はざっくばらんな性格でよく笑いますし、皆さんが持っている脳神経外科のイメージとはかなり違うはずです。しかも当院では生活習慣病など内科的な診療も行いながら、脳に関する専門知識を加えて診療できますから、気軽に足を運んでいただければと思います。

先生の診療面でのご経験をお聞かせください。

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック2

私はもともと病院の脳神経外科で、脳卒中や事故など急を要する病気・ケガの治療にあたりましたが、その後のケアも重要なためリハビリテーション分野に移り、そこで約15年診療を続けました。脳血管の病気の手術は数時間、経過観察を含めても外科が患者さんを診るのは数日。しかし手術後に脳機能障害が残るケースも多く、患者さんは以前とはまったく異なる人生を歩むことになることがあるのです。お恥ずかしい話ですが、外科の視点からは治療後の患者さんの大変さがまったく見えていませんでした。その点にようやく気づき、長くリハビリテーション科で患者さんの回復に努める中で、今度は脳機能障害を起こすような病気の早期発見と予防に力を入れたいと思い、当院の院長として診療を始めました。

生活習慣病の改善・予防に向けて具体的にアドバイス

MRIを使った検査は何を調べるのですか?

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック3

当院では、脳をスライスした断面から脳血管の病気や腫瘍、脳の萎縮などを見つけていく一般的なMRI検査に加え、同じ装置で脳血管のみを立体画像化するMRA検査により、血管の硬化や狭窄、動脈瘤の可能性も調べています。患者さんに検査結果をご説明する際も、MRI検査やMRA検査の画像をモニターに映して、「脳しか見えていませんが目と鼻はこの位置にあって、実際は正面から見た画像です」など見え方から詳しくご紹介していくと、病気の有無に関する診断もかなり納得していただけるようです。とはいえ、症状があって受診された場合は病気が進行していることも考えられるので、早期発見には症状がなくても定期的に検査を受けるのが望ましいでしょう。当院の脳ドックでは頭部のMRI検査・MRA検査を一緒に受けていただき、検査画像の読影に習熟した当院の医師と外部の医師、合計3人が画像診断を行ってから検査結果をご提供する体制を整えています。

生活習慣病はどのように指導されますか?

生活習慣病の患者さんも予備群の方も、大抵は「こういう生活をすべき」という情報はご存じですが、目安がわからず実践しづらいのだと思います。例えば「歩くと健康にいい」というだけでなく、「理想は1日1万歩くらい。数回に分けた合計でもOK」「効果的な歩行速度は時速4~5km」「夫婦や友人と話しながら歩いて時速3km程度。もっと一心不乱に歩いて時速4~5km」など、リハビリテーションに従事した経験も生かして、具体的にお伝えすると実践するイメージも湧きやすくなります。実は私もかなり体重が増えた時期があって、上の血圧が200を超えていました。それから働き方を変えたことで食事や運動に気づかう時間がとれ、20kgほど痩せられた経験があります。患者さんに生活習慣の改善をアドバイスして、自分が実践しないのでは説得力がありません。今後も自身の健康に留意し、患者さんと一緒に生活習慣病の予防に努めたいと考えています。

これから力を入れたい分野はありますか?

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック4

まだ当院での診療を始めたばかりですが、MRIを中心とした脳血管の病気の早期発見、内科的な生活習慣病の管理・予防は診療の大きな柱と考えています。それらに加えて、今後は認知症に関する情報提供や予防のアドバイスにも力を入れたいと考えています。以前の病院では高次脳機能障害の患者さんを診ることも多かったのですが、記憶障害、注意障害、自己中心的になる行動障害などは認知症と似た面もあります。そこで得た介護や社会福祉制度の知識をもとに、認知症の方に必要な周囲のサポート、ご家族が患者さんのケアで疲弊しないための公的・民間サービスの活用などもお伝えしたいと考えています。

若い世代でも定期的な脳ドックの受診が必要な理由

先生が医師になられたきっかけは何でしたか?

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック5

私の両親も医師で、父は数年前に亡くなりましたが、早くから高齢者医療に取り組んでいました。母は90歳を過ぎた今も横浜市内で内科の診療を続けています。子どもの頃はそうした両親の仕事が一番身近で、自然と医師をめざすようになりました。脳神経外科を選んだのは、大学2年生の時に、大学病院の近くで意識を失って倒れていた方に遭遇した経験からです。その時何もできない自分が悔しくて、意識障害を専門的に診る分野として脳神経外科を志望しました。卒業後は母校の脳神経外科の医局に入局し、大学病院や都内の病院、静岡にある脳卒中・脳機能障害の専門病院を行き来して、2006年からは静岡の専門病院に腰を据えて診療を続けてきました。同時に脳神経外科の急性期医療から脳機能障害のリハビリテーション分野に移り、2021年から当院で病気の早期発見や予防に尽力しています。

こちらに転職されて生活は変わりましたか?

今も生活の拠点は静岡で、そこから当院に毎日通勤しているため、あまり変化はないかもしれません(笑)。静岡駅から新横浜駅までは新幹線で約40分、駅から当院までは健康のために歩いて約30分と、通勤も思った以上に快適です。妻も医療職で静岡の病院に勤めているので、食事の準備以外の家事全般は転職前から私の担当。帰宅後は掃除や洗濯であれこれ動き回っていますね。休日も平日と同様に起きて庭の手入れをするなど、あまりゆっくりするタイプではありません。実は寝不足や寝過ぎも生活習慣病の一つで、休日だからと急にペースを変えると体調を崩す原因に。そのため、なるべく毎日を同じリズムで暮らすよう心がけています。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

矢崎弘人院長 医療法人社団 子安 大倉山脳神経外科クリニック6

30代、40代くらいはまだ体力もあり、仕事や家庭のことで頑張り過ぎて体に無理をさせても何とかなったと思います。それが高齢になるとその疲労の蓄積が体の各所に影響し、頭の血管の病気を進行させる原因にもなります。しかも最近は食事の欧米化や運動不足などが重なり、30代で脳卒中になる方も増えてきました。もちろん勤め先などで健康診断を受けられていると思いますが、健診で異常が見つかるのは病気がある程度進行した時点。できれば脳ドックなどの詳細な検査と、医師による生活習慣のチェックを受け、病気の早期発見や予防に取り組んでいただければと思います。当院でも脳ドックなど早期発見に向けた検査に力を入れていますので、ぜひご利用ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック/2万5000円~

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