矢崎 弘人 院長の独自取材記事
大倉山脳神経外科クリニック
(横浜市港北区/大倉山駅)
最終更新日:2026/02/13
「皆さんが思うような、怖い脳神経外科とかなり違うはずです」、そう自らの印象について語る中で笑顔がこぼれる。矢崎弘人先生は、これまでに脳神経外科領域の手術や、脳機能障害のリハビリテーション分野などで経験を積み、現在は「大倉山脳神経外科クリニック」の院長として、脳血管の病気の早期発見や予防を重視した診療に取り組んでいる。最近では「頭痛を相談できるクリニック」として地域住民に親しまれ、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が訪れているそうだ。「脳血管の病気の予防をするためには、まずは生活習慣の改善から取り組んでいただきたいですね」。今回、同院の特色や診療方針などについて語ってもらった。
(取材日2026年1月6日)
「頭痛」のタイプや原因はさまざま、まずは受診を
はじめに、こちらのクリニックの診療内容を教えてください。

当院は横浜市旭区にある「子安脳神経外科クリニック」の関連施設として、2019年にオープンしました。CTやMRIをはじめ、脳の詳細な検査に役立つ装置を院内に備え、頭痛・めまい・しびれなどの症状、事故やスポーツによる頭部のケガ、物忘れや認知症の検査にも対応しています。脳卒中のような脳血管の病気も、認知症も、早期発見が何より大切。初期段階ならば、症状によっては日常生活に支障のない状態をめざすことも可能です。高齢の方が多い病気ではありますが、30代40代で脳卒中になる方も増えているので、早期発見や予防のためには若い方への啓発活動も重要と考えています。
最近はどのような相談が多いですか?
この数年、最も多い主訴の一つは頭痛です。働き盛り世代の患者さんだけでなく、10歳に満たないお子さんが受診されることもあるんですよ。まず、頭痛の原因を把握するためにCT検査やMRI検査を行い、検査によって脳の病気による頭痛ではないと診断された場合は、片頭痛か肩凝り頭痛などとも呼ばれることのある緊張型頭痛の可能性が高いです。そして患者さんの多くは、その両方を持っています。頭痛で苦しいとき、痛み止めを飲む人もいらっしゃることでしょう。実は、頭痛治療のゴールは「痛み止めを飲む回数をいかに減らすか」ということなんです。今は市販薬が安易に手に入りやすく、間違った対応をしている可能性もあり、鎮痛薬の乱用などによる薬物依存性頭痛になるケースが増えています。そうならないためにも、早めに検査にいらしてください。
頭痛の原因を知り、適切な治療を受けることが大切なのですね。

そのとおりです。頭痛が一般的になりすぎたせいか、それを病気だと自覚していない方も多いです。「最近よく聞く片頭痛だろう」「生理痛の一環だろう」などと思い込み、一時的に痛みを緩和するため市販薬を使って満足されてはいませんか。ですが、実際にはまったく異なる原因だったり、脳血管の病気が隠れている可能性も否定できません。まずは頭痛のタイプや原因を見極めて、適切な治療につなげることが大切なんですね。当院では、特に初診時の問診を重視しながら、CTやMRIなどの検査機器を用いて適切な診断に努めています。頭痛の種類によっては睡眠やストレスなど日常生活が影響するものもありますから、そのような情報を知って対策ができるのも、早期受診のメリットの一つかと思います。
CT・MRI検査も院内で可能、充実の設備と体制
先生のご経歴や診療体制について教えてください。

私はもともと病院の脳神経外科で、脳卒中や事故など急を要する病気・ケガの治療にあたっていましたが、その後のケアの重要性に気づいてリハビリテーション分野に移り、そこで約15年診療を続けました。長く、リハビリテーション科で患者さんの回復に努める中で、今度は脳機能障害を起こすような病気の早期発見と予防に力を入れたいと思い、当院の院長として診療を始めたのです。当院には私のほかに複数人の医師・放射線技師・看護師・事務スタッフが在籍。院長の問診に先立って看護師が初回のヒアリングを行うなど、丁寧な問診と待ち時間軽減の両立を、チームワークによって実践しています。CTやMRI検査は経験豊富な放射線技師が担当しており、近隣のクリニックからのご依頼で、頭部に限らず全身の検査を行うこともありますね。
頭部のMRI検査では何を調べるのですか?
脳の断面図から、脳血管の病気・腫瘍・脳の萎縮などを見つける目的の一般的なMRI検査に加え、同じ装置で血管の硬化や狭窄、動脈瘤の可能性も調べます。患者さんに検査結果をご説明する際も、診断の納得感を得やすいように、検査画像をモニターに映して「脳しか見えていませんが目と鼻はこの位置にあって、実際は正面から見た画像です」など、見え方から詳しくご紹介しています。とはいえ、症状があって受診された場合は病気が進行していることも考えられるので、症状がなくても定期的に検査を受けるのが、早期発見のためには望ましいでしょう。当院の脳ドックでは頭部のMRI検査・MRA検査を一緒に受けていただき、読影に習熟した複数人の医師が画像診断を行ってから検査結果をご提供する体制を整えています。
先進の検査機器を導入したと伺いました。

どちらの検査も、これまで院内で行っていたものですが、2025年にエコー検査機器とCT検査機器を先進のタイプに入れ替えました。どちらも画像が鮮明で、特にCT検査機器にはAIが搭載されており、これまで以上に細かく適切な撮影が可能です。患者さんの年齢や体重によって放射線量を調整する機能も備わっていますので、お子さんでも比較的安心して検査を受けていただけるかと思います。頸動脈エコーは動脈硬化の早期発見に有用です。脳血管の病気は生活習慣病とも関係が深いため、当院では生活習慣病の管理や予防といった内科的な診療もカバーしています。MRI・CT・エコー、いずれの検査も、予約状況によっては撮影や説明までにお時間をいただくこともありますが、空きがあれば問診の後にそのまま院内で検査を受けられます。
生活習慣の見直しと定期的な受診が大切な理由
生活習慣病はどのように指導されますか?

生活習慣病の患者さんも予備群の方も、大抵は「こういう生活をすべき」という情報はご存じなものの、目安がわからず実践しづらいのだと思います。例えば「歩くと健康に良い」と言うだけでなく「理想は1日6000~8000歩くらい。数回に分けた合計でもOK」「適切な歩行速度はこれくらい」など、具体的にお伝えすると実践するイメージも湧きやすくなります。実は私もかなり体重が増えた時期があって、一時は上の血圧が200を超えていました。それから働き方を変えたことで食事や運動に気を配る時間が取れるようになった経験があります。患者さんに生活習慣の改善をアドバイスして、自分が実践しないのでは説得力がありません。今後も自身の健康に留意し、患者さんと一緒に生活習慣病の予防に努めたいです。
患者さんと接するときに心がけていることはありますか?
私はいつも「診療中に一度は笑顔になってほしい」と思いながら患者さんと接しています。もちろん気になる症状があって来院されるのですから、詳しく伺って、適切に診断・治療することは大前提です。それでも検査で問題なければ安心できると思いますし、何かこちらの一言がリラックスのきっかけになれば自然と笑顔になっていただけるでしょう。脳神経外科は「脳を調べて異常が見つかったら怖い」「先生も気難しそう」など、一般的には敬遠されがちな診療科ではないかと思います。ただ、私はざっくばらんな性格でよく笑いますし、皆さんが持つ脳神経外科のイメージとはかなり違うはずです。しかも当院では脳に関する専門性を持ちながら、生活習慣病など内科的な診療も行うことができますから、気軽に足を運んでいただきたいですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

30代40代くらいはまだ体力もあり、頑張り過ぎて体に無理をさせても何とかなることも多いと思います。それが高齢になると疲労の蓄積が体の各所に影響し、脳血管の病気を進行させる原因にもなります。しかも最近は食事の欧米化や運動不足などが重なり、30代で脳卒中になる方も増えてきました。もちろん勤め先などで健康診断を受けられていると思いますが、健診で異常が見つかりやすいのは病気がある程度進行した時点。できれば詳細な検査と、医師による生活習慣のチェックを受け、病気の早期発見や予防に取り組んでいただきたいです。当院でも脳ドックなど早期発見のための検査に力を入れていますので、ぜひご利用ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万5000円~

