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痛みや不安に配慮しながら行う
上部・下部消化管内視鏡検査

もちづき内科クリニック

(春日井市/春日井駅)

最終更新日:2022/12/15

もちづき内科クリニック 痛みや不安に配慮しながら行う 上部・下部消化管内視鏡検査 もちづき内科クリニック 痛みや不安に配慮しながら行う 上部・下部消化管内視鏡検査
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胃の痛みやむかつきが続く時、便通異常や便に血が混じっている時、あるいは健康診断で精密検査の必要があった時などに、避けて通れないのが、診断をつけるための胃や大腸の内視鏡検査だ。しかし、初めて検査をする場合、どうしても内視鏡を挿入することや痛みへの不安を覚える人も多いだろう。中には麻酔薬などへの抵抗感を持つ人もいる。内視鏡検査でなるべく苦痛を少なくする方法というのはあるのだろうか。日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医として、公立病院で13年間、検査に携わった経験を持つ、「もちづき内科クリニック」院長の望月寿人先生に、内視鏡検査のメリットと苦痛を減らすための工夫について話を聞いてみた。

(取材日2019年12月4日)

痛みや不安に配慮して行う内視鏡検査で、胃や大腸を詳細に観察し、消化管の健康をサポート

Qまず胃内視鏡検査のメリットを教えてください。
A
もちづき内科クリニック 内視鏡検査後に結果を患者と一緒にチェックしていく

▲内視鏡検査後に結果を患者と一緒にチェックしていく

同じ上部消化器の検査としてはエックス線検査がありますが、これはバリウムを飲んで胃の粘膜の凸凹を見るものなので、微細な病変がなかなか捉えにくいのが難点です。また、バリウムや発泡剤が便秘や誤嚥につながる可能性もあります。バリウム検査は検査時間が短く集団検診には向いていますが、カラー画像で直接粘膜の状態を見る内視鏡のほうが内部を詳しく捉えることには優れています。昔に比べればスコープ自体が細くなり、画質も格段に良くなりました。検査時間も1人10分ほどで、異常が見つかった場合はその場で組織を取る「生検」が可能です。

Q胃内視鏡では口からの挿入と鼻からの挿入があるそうですが?
A
もちづき内科クリニック 内視鏡検査は医師の挿入技術も重要

▲内視鏡検査は医師の挿入技術も重要

口から入れる内視鏡は直径約9ミリほどで、挿入する時にどうしても喉の奥に触れるので、嘔吐反射が出やすいですね。ただし管が太い分、処置をするための器具が入れられますので、もし胃潰瘍などで出血していたら、止血処置にも対応できます。一方、鼻から入れる内視鏡は直径6ミリほどと細く、喉の奥に触れにくいことから嘔吐反射が出にくいです。粘膜の細胞を取る生検はできますが、管が細い分処置具は通らないので観察向きといえるでしょう。診療所レベルでは治療するというよりは診断することが目的なので、当クリニックでは患者さんへの負担が少ない経鼻内視鏡で検査し、治療や精密検査が必要な場合はより専門的な病院をご紹介しています。

Q大腸の内視鏡検査は、特に抵抗感が強いと思うのですが。
A
もちづき内科クリニック 大腸内視鏡検査の場合は検査着に着替える

▲大腸内視鏡検査の場合は検査着に着替える

大腸の検査は、事前に腸管洗浄液を2リットルほど飲み、大腸内をきれいにする必要があります。そこで最近はトイレつきの個室などプライバシーに配慮して、専用準備室を設置するところも増えてきており、当院でも2部屋用意しています。検査時間は15~20分ほどで、1センチ以内のポリープなら当日切除しています。また観察時に送気して腸管を膨らませますが、吸収されやすい炭酸ガスを使うことで検査中や検査後のおなかの張りの軽減を図っています。人間は緊張すると、おなかや体に余計な力が入ってスコープが入りにくくなりますので、検査中は看護師も付き添ってお声がけをするなど緊張を和らげるようにサポートしています。

Qほかに痛みや不安の軽減のために、どんな工夫をされていますか?
A
もちづき内科クリニック 個室のリカバリールームは、検査前の不安を取り除いてくれる

▲個室のリカバリールームは、検査前の不安を取り除いてくれる

胃内視鏡では、鼻や喉に麻酔薬をします。大腸では希望者に鎮静剤を使用して検査をしています。鎮静剤は全身麻酔ではなく、眠くなった状態にして不安を軽減させることを目的としたもので、使用される方は20人に1人ぐらいです。ほとんどが鎮静剤なしに検査を受けられていて、私自身もこれまでの経験から痛みの少ない検査を心得ているつもりです。大腸検査では内視鏡で腸が引き伸ばされると痛みがでるので、少しづつ腸のひだをたぐり寄せるようにして奥へ挿入する技術も大事だとと思います。患者さんによっては鎮静剤や局所麻酔薬でアレルギーや副作用が出る可能性もありますので、万一の場合に対処できる用意もしています。

Q内視鏡を介した感染症などのリスクも気になります。
A
もちづき内科クリニック 感染のリスクにもしっかりとした対策を整え、日々検査にあたる

▲感染のリスクにもしっかりとした対策を整え、日々検査にあたる

当クリニックの場合、1回検査をするごとに、手洗い・ブラッシング・専用洗浄機による自動洗浄を実施しています。また検査前には、念のために患者さんの血液検査も実施し、B型肝炎・C型肝炎や梅毒などの感染症を確認しています。生検鉗子やクリップ装置は十分な洗浄ののち高圧蒸気滅菌を施し、ポリープ切除時の処置具はディスポーザブル製品を使用しています。日本消化器内視鏡学会では、『消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン』が制定されており、当クリニックではそれに則った洗浄・消毒を実施し、感染症対策を整えています。

ドクターからのメッセージ

望月 寿人院長

男女とも40歳を過ぎたら、2年に一度程度は胃の内視鏡検査を受けていただくことをお勧めします。大腸の内視鏡検査については検査の負担が大きいと思いますので、健診の便潜血検査で引っかかった時や、小さなポリープがある人は定期的に、それぞれ検査を受けていただくと良いかと思います。私自身も内視鏡検査を受けたことがあり、医師として極力、患者さんの苦痛にならないように日々、配慮して検査を行っています。もし、内視鏡検査が必要になった時には、不安な点や質問など、どうぞお気軽にご相談ください。まずはその異常を見つけるためにも、ぜひ定期的な健康診断を受けていただければと思います。

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