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便の質の改善が欠かせない    
根治をめざす痔の手術治療

みやわきクリニック

(堺市南区/光明池駅)

最終更新日:2019/10/16

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  • 保険診療

痔は、 恥ずかしさや治療への恐怖心から、医療機関への受診が遅れがちになる病気。一人で悩み続け、インターネット上の不正確な情報に頼る患者も多く、「正しい知識が広まっていないという印象があります」と警鐘を鳴らすのが「みやわきクリニック」の宮脇晴彦院長だ。肛門疾患のエキスパートである宮脇院長は関東・関西で豊富な治療経験を持ち、現在は根治をめざした痛みの少ない日帰り手術を手がける。また、術後は便の質の改善に力を入れ、多くの患者が健康的な排泄を取り戻すことを促す。そこで今回は、実施される機会の多い治療法のメリットやデメリットについて、また肛門疾患と便の質との密接な関係や、痔を予防するための生活習慣について、詳しく話を聞いた。(取材日2019年6月5日)

正しい知識に基づいた痔の治療を受け、再発を防ぐことをめざす。便の質との関連性にも目を向けることが大切

Q痔には、どのような治療法がありますか。
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▲治療法ごとにメリットデメリットの説明を丁寧に行う

痔は、肛門周辺の血管や軟部組織が肥大したり傷ついたり細菌感染して起こる病気で、イボ痔とも呼ばれる痔核、切れ痔とも呼ばれる裂肛、痔瘻の大きく3つに分けられます。男女ともに約半数は痔核で、痔瘻は下痢をしやすい男性に、裂肛は便秘の女性に多く見られます。痔核の治療では注射薬で痔核を壊死させる方法も広まりました。しかし、注射は出血や痛みは少ないのですが投与量の設定が難しく、再発したり痔核や周辺が硬くなり過ぎて肛門が狭くなる例もあります。当クリニックで実施する結紮切除術は、痔核根部の血管と痔核を別々にしばり、痔核をなくす方法です。再発や肛門狭窄はほぼありませんし、術後の痛みも日常生活に影響のない程度です。

Q患部治療後、痔を再発させないためには何が必要ですか?
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▲再発防止のためには、便の質を整えることも重要となる

痔があると排便しにくく、腸は肛門から出しやすい便を作ろうとするので、痔を長く患った方の便は本人の気づかぬ内にやわらかく細くなり、肛門をあまり広げず排泄できるので肛門が本来の直径よりも狭くなる方が多いんです。また痔をお薬で治療した後も過度の軟便が続けば残便感から何度もいきみ、肛門に圧力がかかってうっ血やむくみを引き起こし、痔が再発しやすくなります。軟便や下痢が続くと、治療した肛門が再び狭まってしまうことも。さらに長期の軟便は腸内で発酵して刺激性を増し、憩室炎やポリープなどの原因にもなります。痔のない肛門を保つためには、便の質を整え、適度な硬さや太さのある便で肛門を広げて排泄する必要があるのです。

Q痔の日帰り手術について、流れをご紹介ください。
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▲手術は短時間のため、患者負担が少なくて済む

手術の数日前から薬で便の質を整え、前日夜から手術当日には坐薬と浣腸を使って術中に便が出ないようにします。手術は午後ですので、朝食までは普通に食べられます。肛門括約筋をしっかりと緩めるために、尾骨のすぐ上から細い針で麻酔薬を投与します。手術は複雑痔瘻や直腸脱以外では長くても25分程度、麻酔は肛門周囲のみなので術中の痛みは少なく医師と話もできます。麻酔が覚めれば帰宅です。痔核の結紮切除術は、術後の痛みも少ないです。ただ、肛門をキュッと締めると痛みが出ますので、当面は鎮痛薬を使います。術後1週間は傷の確認や便の質の調整で毎日通院しますが、手術の傷はほとんどの場合、3~4週間程度で目立たなくなります。

Q手術後に行う便の質の調整について、詳しく教えてください。
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▲手術後の整腸のため、定期的な通院も必要になる

痔のために細くやわらかくなりすぎた便を、整腸剤などで適度な硬さにしていきます。患者さんには「お尻を開くのがリハビリテーション。バナナぐらいの便をめざしてね」と伝え、術後2週間目以降は10日~2週間隔で通院してもらい、排便状態を整えます。手術の傷が回復に向かえば、バナナ便をしても肛門は痛くなりにくいのですが、痔で苦しんだ患者さんは痛みへの恐怖から、やわらかい便を好みがちです。しかし、やわらかすぎる便では肛門がただれ痛みの原因になりますし、適度な硬さの便は痔の再発防止や腸の健康にも重要です。最初はこわごわ排便していた患者さんも、ほとんどの場合1ヵ月半を過ぎる頃にはバナナ便をすっきり出せますよ。

Q痔を防ぐために、日々の生活で注意することはありますか。
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▲日常の中でおなかの調子を意識することが、痔の予防にもつながる

正しい便の質と排泄習慣のためには、術後しばらくは食事の管理が何よりも大事です。おなかが不調であれば脂っこいもの、酸っぱいもの、乳脂肪は避けて下痢を防ぎ、おなかが冷えないようにもしましょう。また女性は排便を我慢しがちですが、便意があればトイレに行き、肛門のむくみも避けたいですね。長時間、同じ姿勢でいる場合はときどき体を動かす、お風呂では湯船に入って、血流を促します。朝の排便が推奨されるのは、肛門にむくみがなく、夜の間に粘液が分泌されており排便しやすいからです。夕方になるにつれてむくみが出ますし、粘液も吸収されるので、肛門に直接力がかかります。便秘はもちろん過度の軟便、むくみ、圧力が痔の大敵です。

ドクターからのメッセージ

宮脇 晴彦院長

痔の治療の最大の課題は、患者さんが恥ずかしさや不安でなかなか受診できないことです。治療開始が遅れたり、不適切な治療で再発を繰り返す患者さんもいて、残念でなりません。肛門は、口腔や唇と同じぐらい繊細で、高度な機能を持つ優れた器官です。痔を放置すると、肛門や排泄の機能が低下し、全身疾患につながることもあります。われわれ肛門を専門に診る医師にとっては、肛門は特殊な部位ではありません。痛みや出血があったり、おなかの不調が続く際には、ぜひ勇気を出して受診してほしいと思います。また、便の質と痔は表裏一体の関係にあります。日頃から食事内容に意識を向け、おなかの調子と相談しながら食生活を楽しんでください。

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