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宮脇 晴彦 院長の独自取材記事

みやわきクリニック

(堺市南区/光明池駅)

最終更新日:2020/04/01

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痔をはじめとする肛門周囲の痛みや不快な症状。受診に踏み切れず、悩み続けている人も多いだろう。堺市南区にある「みやわきクリニック」の宮脇晴彦院長は、そんな肛門疾患のエキスパートだ。肛門疾患診療を専門とする医療機関で研鑽を積み、豊富な経験から得た技術や専門性を生かし、患者とじっくりと向き合うべく2012年に開業。肛門疾患の日帰り手術を行うなど、根治を視野に患者の負担に配慮した治療を提供。また、患者の羞恥心や恐怖心を和らげるべく、ホームページ上では患者からの相談に直接答えている。「受診しづらく、治療が難しい領域だからこそ、患者さんの最後の砦でありたい」と語る宮脇院長に、診療内容や医師としての思いを聞いた。
(取材日2019年4月24日)

肛門疾患の日帰り手術を実施

先生は肛門疾患をご専門にされていると伺いました。

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肛門疾患、特に痔に関して、わが国において長らく専門的な治療を行ってきたのが、東京社会保険中央総合病院(現・JCHO東京山手メディカルセンター)の大腸・肛門病センターです。私は群馬大学第一外科から同センターへ勤務し、故・隅越幸男先生や岩垂純一先生から直接指導を受け、その後も肛門や消化器疾患を中心に治療経験を積んできました。隅越先生は「食物の出口である肛門は、実は入り口である唇と同じように敏感だから、お尻は大事にしなさい」と常々仰っていました。肛門は、おならと便の違いや、これから出る便の硬軟を感じ分けられるのですからね。だからこそ、わずかな痛みや刺激にも敏感です。このため、治療には正しい知識と豊富な経験、高い技術力を要するのです。

どのような症状の患者さんが受診されていますか。

肛門周囲の痛み、出血、排便障害や便通障害を中心に、腹痛やおなかの張りを訴える患者さんも受診されます。ですから、赤ちゃんから100歳前後のご高齢者まで来られていますよ。ところで、肛門疾患といえばイボ痔といわれる内痔核、切れ痔といわれる裂肛、痔瘻の3つが有名ですが、直腸脱や直腸粘膜脱、各種の感染症、痒みや湿疹、腫瘍など、さまざまな病気が考えられます。また、肛門や大腸は泌尿器や生殖器と接しているので、ここで生じる疾患も視野に入れながら、診断と治療を進めていくことになります。大腸と肛門を診察する医師は多いのですが、その多くは大腸疾患が専門で、肛門疾患を中心にキャリアを重ねる医師はそれほど多くはありません。このため、痔の症状に長年悩んできた患者さんや、以前に治療を受けたものの再発した患者さんが、関西だけでなく北海道や九州からも紹介やクチコミで当クリニックへ来られるケースもあります。

こちらで受けられる痔の治療について教えてください。

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例えばイボ痔についてお話しすると、完全に治すことを優先するのならば、イボ痔を切除する方法である結紮切除が良いのですが、やはり痛みや入院を伴います。近年では切らずに注射を用いる治療法も普及しましたが、患者さんがその治療法に適しているか、あるいはお薬の量に的確な判断や技術が必要です。適切に行わないと、再発や排便障害など新たな問題が起こることもあります。当院では、イボ痔の根元の血管をしばり徐々に壊死へ導く治療も行っています。お尻の周辺のみ麻酔をしますので痛みも少ないですし、日帰り手術も可能です。各患者さんに適した負担の少ない方法を提案し、根治をめざしたいと考えています。

悩み続けた患者の「最後の砦」となるために

消化器領域ではどのような症状での受診が多いのですか。

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最も多いのは胃の痛みや吐き気ですね。最近では食のグローバル化が進んだせいもあるのか、食事内容や食べ合わせを意識しない方も増えています。おなかの調子が悪いときに、脂っこいものと酸っぱいもの、あるいは脂っこいものと冷たいものという組み合わせを食べると、やはりおなかを壊しやすいです。ちょっと意識してみることも大事でしょうね。それから女性では、お尻が原因でおなかの調子が悪い方も目立ちます。若い頃に便秘で切れ痔を繰り返して肛門が狭くなり、おなかに便が残ってガスがたまりやすくなっていることがあるのです。ご本人は今の状態に慣れていて、お尻が原因とはまったく気づいていません。肛門と便通には関係性がありますので、40代の女性で腹痛や吐き気を繰り返す場合には、お尻を疑ってみる必要もあります。

肛門疾患の治療において大事なことを教えてください。

肛門はとても敏感な器官ですし、肛門管の構造やメカニズムを正しく知ることも容易ではありません。肛門管は便が通る際に広がったり縮んだりしますが、各患者さんの肛門管がどの程度まで広がるのかを把握した上で、治療法を選ぶ必要があります。また肛門の治療経験を多く積んだ医師は、指を肛門から直腸に入れると、感覚や温度で炎症があるかどうか、便通がどのような状態なのかがわかります。触診を重ねれば誰でもわかるようになると思いますが、やはりデリケートな部位ですので、専門的に向き合わないと診療の機会はなかなか増えないのです。

肛門疾患では受診をためらう患者さんも多いと思いますが、診療ではどのようなことを心がけていますか。

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診察では、まず治療歴を詳しくお聞きし、触診や聴診、検査で病状を確認。明らかになった今の状態を絵で描いて説明しながら、「治療は怖くないこと、治癒をめざせること」をお話しします。患者さんからは、「手術するのでしょうか?」と必ず聞かれますが、手術であっても麻酔をしますし術後も皆さんが考えるほどは痛くないこと、しかも入院は不要で、歩いて帰って翌日から普通に生活できる場合もあることをお伝えします。また、患者さんのプライベートやご家族についても折々にお聞きして、患者さんとご家族、われわれ医療者がチームになって、安心感の中で治療に向き合ってもらえるようにしています。そして何よりも、長年悩み続け、やっとの思いで当クリニックにたどりついた患者さんにとって「最後の砦」となれるよう、日々心して診療しています。

まずは思い切って受診してほしい

密かに悩む患者さんのために、インターネット上で相談も受けつけているそうですね。

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クリニックのホームページ上にある「談話室」は、実は開業前からずっと続けています。「とにかく心配、怖い、どんな治療なのか」と悩んでいる方、本当に困っている方のためにお答えする場ですね。インターネット上での相談はいたずらやトラブルになりやすいと、心配されることもありました。しかし、これまで大きく荒れることもなく真剣なやり取りが続いているのは、ありがたいことですね。書き込むのが不安だという方も、過去の書き込みをさかのぼって読んでいただくと、きっと参考になる情報があるでしょう。より個人的な情報や具体的なご相談で一般公開が差し支える場合には、「お問い合わせ」も活用していただければと思います。

話は変わりますが、肛門疾患を専門にされた経緯を教えてください。

私は鹿児島県の出身です。子どもの頃、診察していただいた小児科の先生に憧れていたせいか、小学生の時には「医師になりたい」と言っていたようです。私自身は覚えていないのですが(笑)。そしてこの分野に進んだのは、偶然ですが小学校から大学までずっと同窓で、3年先輩でいらした竹之下誠一先生の影響です。現在は福島県立医科大学理事長兼学長でいらっしゃる方で、竹之下先生の勧めもあり、先ほどお話しした大腸肛門病センターで勤務する機会を得ました。そのような環境で研鑽を積めたおかげで、長年悩んでいらした患者さんを治療して喜んでいただける経験も多く、医師冥利に尽きると感謝しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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今の肛門疾患の治療は怖くない、痛みも少ないとお話ししましたが、だからといって治療を無理強いすることはありません。まずは、今のご自身の体がどのような状態にあるのか、特に肛門は自分では見えませんので、一度診察を受けて確認してほしいと思います。その上で治療法を相談し、もし受けてみようかなと思えれば、そこから治療に進めばいいのですから。当クリニックでは、肛門疾患とともに胃や腸の内視鏡検査・手術も行っています。肛門と胃腸は密接に関係していますので、胃腸の調子が悪い方、肛門の病気を長年患っている方や治療したものの改善していないと感じる方がおられたら、診察そのものは決して怖くないので、ぜひ思い切って受診してみてください。

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