岡田 朗 院長の独自取材記事
おかだ歯科クリニック
(堺市南区/泉ヶ丘駅)
最終更新日:2024/06/13

泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅から片蔵方面へ。およそ20分歩くと、道路沿いにポップなキャラクターが描かれた大きな看板が目を引く「おかだ歯科クリニック」が見える。車での通院にも便利な専用駐車場を備え、周囲と一線を画した木の風合いが際立つシンプルな建物は、自然を愛する岡田朗院長のこだわりだという。常に自然体の診療で、誰もが安心して診療を受けられる環境を整えているという岡田院長に、診療への思いなどを語ってもらった。
(取材日2024年5月9日)
誰もが通いやすいバリアフリーなクリニックに
こちらで開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

私は4代続く歯科医師の家系です。私の叔父が院長を務めていた「岡田歯科診療所」を父が引き継ぎ、父から私が引き継いで、移転を機に「おかだ歯科クリニック」に名称を改めました。そして勤務医の頃に出会った妻と、妻の実家で暮らすことになりました。私は大阪市阿倍野区の繁華街に近い場所で育った都会っ子ですが、自然豊かな片蔵に住み、四季の移ろいを感じるうちに、その魅力にはまり、移転開業を決めました。タイミング良く妻の実家の隣が売りに出されると聞き、この地に開業することができました。
クリニックの特色を教えてください。
当院は、堺市南区全体の広いエリアから、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方にご来院いただいています。施設面でこだわっているのが「誰もが来院しやすいクリニックづくり」。車が7台収容できる駐車場は間口をかなり広く取っているため、車の出し入れがしやすいと患者さんに好評です。また院内は土足可とし、靴の脱ぎ履きに不安がある高齢者の方も安心してお越しいただけます。診療室は診察台の間のスペースを2m40cm確保し、車いすのままでも楽に入れるのが特徴です。もちろんベビーカーもすっぽり収まりますから、赤ちゃんを乗せたまま入室、診療を受けてもらえます。ウェブ予約を導入し、混雑時に待ち時間が発生する場合には外出もOK。順番が近くなったらお電話にてお知らせするサービスも行っています。
来院される患者さんの訴えはどのようなものが多いですか?

最も多いのは「痛み」です。近年は予防の意識も高まっていますが、基本的には歯科医院は痛みを感じて来られる方が多いところ。痛みをきちんと止め、おいしくごはんが食べられるように、当たり前のことを当たり前に、丁寧な診療を心がけています。その他、ご高齢の方であれば、保険診療内の入れ歯の製作や調整のご依頼も多いですね。また、最近力を入れているのがマウスピース型装置を用いた矯正です。矯正は見た目の印象にアプローチする目的がありますが、メリットはそれだけではありません。歯並びが良くなるとブラッシングもしやすくなり、虫歯や歯周病などトラブルの防止にも役立ちます。
恐怖心を与えない、楽しい診療を心がける
診察の際に心がけていることはありますか?

患者さんとしっかりコミュニケーションを取り、恐怖心をなるべく和らげるよう努めています。私が考える歯科受診の一番のハードルは「怖い」ことです。私は小さい頃から父に歯を診てもらってきましたが、それだけ近い家族に診てもらうにもかかわらず、とても嫌な経験でした。知らない人間に診てもらうとなれば、なおさら恐怖心は強まりますよね。患者さんには少しでもリラックスしていただきたいですし、私自身もともとおしゃべりなので、楽しく会話しながら患者さんと打ち解けるようにしています。また、説明の際には、これからどのような治療をするのかイメージしてもらえるよう、各治療をよりわかりやすく解説するアニメーションを診療チェア付属のモニターで視聴いただくことも。この他、口腔内カメラで撮影した画像を実際に見てもらうことで視覚的にご理解いただき、患者さんが納得した上で治療を進めるようにしています。
お子さんの診療はいかがですか?
お子さんの場合は特に、恐怖心を与えないことが大切です。お子さんからすれば、痛くもかゆくもないのに歯科医院に連れて来られて「口を開けて」「歯を削るよ」なんて言われても、納得できるわけがありません。歯科医師も保護者の方も、せっかく来たのだから少しでも治療を進めたいと思ってしまいがちですが、無理強いすれば余計に治療できなくなってしまいます。そのため、まずは「なぜ歯科医院に行かなければならないのか」を理解してもらうことから始めなければいけません。緊急でない限り初診では治療をせず、歯科治療が必要な理由をお子さんに理解してもらえるよう努め、保護者の方にも次回までにご自宅で話していただけるようお伝えしています。またいつもはきちんと治療が受けられる子でも、その日の調子が悪ければできないこともあります。その場合は無理をせず、ご褒美のカプセルトイだけお渡しして、楽しい気持ちで帰ってもらえるようにしています。
新しい治療法や材料、器具などの導入、情報発信も積極的にされているそうですね。

はい。新しいものには常にアンテナを張り、しっかり吟味した上で良いと判断したものは取り入れるようにしています。多くの患者さんはご存じないのですが、保険診療の適用範囲は、結構頻繁に変わっているんです。自費診療から保険診療になった治療や、新たに登場した治療法などがあれば、積極的にご案内するようにしています。例えば、白いかぶせ物が保険適用となった場合、それに対応せず自費診療のものをお勧めすれば、患者さんへの対応としては誠実ではないと思うんです。自費で1ヵ所10万円、保険だと5000円の治療がある場合、強度やより審美的な物を求めて自費を選択する人もいれば、保険を選んで浮いたお金でおいしい物を食べたいと考える人もいるでしょう。自費と保険、双方のメリット・デメリットをきちんと説明した上で患者さんに選択してもらうのがいいのではないか、というのが私の考えです。
予防の推進と環境に配慮した診療をめざす
先生は自然や地球環境についても大きな関心をお持ちだそうですね。

はい、地球環境の問題は他人事では済ませられないと感じています。その1つが仕事柄たくさん出るごみ問題。患者さんに使う器具などは使い捨てか、滅菌処理され一つ一つパッケージに入ったものになりますが、使い捨ての器具もパッケージもすべて廃棄物となります。衛生面で必要なことだと理解していても、こんなにもたくさんのゴミを出していることに疑問を持ってしまいます。地球温暖化や立て続けに起こる自然災害は、急激な環境の変化に地球が警鐘を鳴らしているように思うのです。築き上げた文明を捨てることはできませんが、この気候変動をゆっくりとしたスピードにすることは、一人ひとりの心がけでできると思っています。そういった考えを少しでも多くの人と共有したいと、木造にこだわり、太陽光パネルを取りつけ、地球に優しいクリニックをめざしました。訪れた人が自然の大切さをあらためて感じ、環境問題に取り組むきっかけになったらうれしいですね。
今後の展望について教えてください。
先進国の中でも日本は歯科の定期検診率が非常に低いという課題があります。実は、虫歯は痛みを自覚した時にはかなり重症化している現状です。現時点では「痛み」を訴えて来られる方が非常に多いのですが、痛くならないように、痛くなる前にご来院いただき、定期的な予防ケアを受ける患者さんを増やしていくのが理想です。定期検診でお口の中を衛生的に保つことで、虫歯や歯周病のリスクを減らせますし、虫歯ができたとしても初期のうちに発見できれば、治療時間の短縮や費用の軽減にもつながります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

60代、70代で歯が悪い人が100人いたら、ほとんどの方が「若い時にちゃんとケアしておけば良かった」と仰られます。一度失ってしまったお口の健康は、それ以上に悪化しないよう維持していくことしかできません。年を重ねると、多くの人は、食事に対する楽しみの比重が大きくなるといわれます。おいしく食事ができることの重要性は年を取るにつれて実感すると思います。1~2週間の治療で終わるものであれば、日常生活における我慢も少なくなります。逆にいえば、治療が長引けばそれだけ日常生活にも支障が出ますし、歯科医師側も治療が大変と、誰も得をしないんです。お口に違和感を覚えたり痛みを感じたりする前に、ぜひ気軽に歯科医院に足を運んでみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/3万8500円、セラミッククラウン/6万6000円、マウスピース型装置を用いた矯正/11万円~、オフィスホワイトニング(1歯1回)/440円、ホームホワイトニング(2~4週間)/3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。