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伊藤 元一 院長の独自取材記事

いとう脳神経クリニック

(名古屋市緑区/徳重駅)

最終更新日:2021/10/12

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック main

名古屋市営地下鉄桜通線「徳重駅」から徒歩5分の「いとう脳神経クリニック」は、2019年に開業したばかりの新しいクリニックだ。院長を務める伊藤元一(もとかず)先生は、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医で、豊富な臨床経験と国内外で脳腫瘍の研究に携わった経験を持つ脳疾患を専門とする医師。脳神経外科のほかに、リハビリテーション科、内科・外科、整形外科を標榜し、地域のニーズに合った幅広い診療を提供している。穏やかで優しいまなざしが魅力の伊藤院長に、開業までの経緯から地域医療に対する思いまでをたっぷり語ってもらった。

(取材日2019年3月20日)

開業医として社会貢献をめざす

先生が医師を志したのはなぜですか?

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック1

振り返ってみると、小学生の頃にはすでに医師になりたいと思っていました。当時はただ単に格好良い職業だから憧れていたという感じだったと思うのですが、それが大きくなるにつれて具体的に人の役に立つ仕事がしたいという思いが強くなり医学部に進学しました。脳神経外科を選んだのは、脳の神秘性というものにとても魅力を感じていたからです。実は、私は自分の父親をくも膜下出血という脳神経外科領域の疾患で亡くしているものですから、脳に対する興味というものが強かったのだと思います。実際に脳神経外科の医師になってみると、とてもやりがいのある一方で、緊急疾患が多いこともあって大変な分野だとも感じました。脳疾患というのは命に直結しますし、後遺症が残ってしまうこともあるので、その責任の大きさというものを痛感しました。それでも頑張ってこられたのは、社会に貢献できるという部分に強くやりがいを感じていたからだと思います。

開業までの経緯についてお聞かせください。

大学卒業後は脳神経外科の医師として診察にあたっていましたが、その後しばらくは臨床から離れて名古屋大学の大学院をはじめ、米国カルフォルニア大学や東京大学医科学研究所などで脳腫瘍の研究に没頭していた時期がありました。その際に臨床と研究はフィールドがかなり違うと感じました。臨床というのは目の前の患者さんを助けるのが目的であるのに対し、研究というのは将来の医療のためという目的が大きいと思います。臨床から研究にスライドしてきた人と、研究だけをしてきた人とが競い合う世界でもあるわけです。私自身、そこに魅力を感じて研究の世界に飛び込みましたが、いざ研究に携わってみると、試験管や細胞を前に全身全霊をささげて研究テーマに向き合っている人を相手にした時、正直なところかなわないなと感じました。その後、再び臨床に戻ったところ、臨床に携わる者として、目の前の患者さんを助けたいという思いが強くなり、開業を決めました。

この場所でクリニックを開業した理由を教えてください。

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック2

開業するにあたりいくつか候補地を探しているときにこの場所を知りました。この辺りは、駅ができて急激に開発が進んではいますが、まだまだ開発が始まったばかりの地域です。去年の3月までは区画整理がされたばかりのような場所でした。それでも私は、一目惚れのような感じでこの場所を気に入りました。駅から徒歩圏内という好立地にあり、それでいて少し行ったところには竹林など自然もたくさんあります。私はもともと三重県育ちということもあって、自然の多いところがとても気に入りました。何よりも、交通の便が良いというのが大きなポイントでした。もちろん、地域のかかりつけ医をめざしているので近隣の方が第一ではあるのですが、仕事や外出などの帰りに立ち寄りやすいアクセスの良さは大切だと思いました。

MRIを導入し、スピーディーな診断に努める

どのような患者さんが来院されていますか?

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック3

私自身が脳神経外科の専門の医師ということで、専門性の高い診療を提供したいという思いを込めて、クリニックの名前にあえて「脳神経」と入れたり、脳をモチーフにしたロゴマークを使ったりしているので、来院される患者さんも脳卒中に関わるご高齢の方をはじめ、めまいや頭痛、手足のしびれなどでお悩みの方などが多いと思います。ただ、開業して間もないということもあって、思っていたよりはまだ患者さんの数が少ないように感じています。当院のすぐ近くには保育園などもありますので、お子さんの送迎にいらっしゃるお父さんお母さんたちから少しずつ認知していただけるようになれば良いなと思っています。もちろん、脳神経外科の他にも、リハビリテーション科、内科・外科、整形外科も標榜し、地域のかかりつけ医として幅広い診療に対応できるよう日々研鑽を積んでいます。

開業にあたりこだわったことはありますか?

脳神経外科を標榜する以上、他の施設との差別化を図り、当院だからこそ提供できるものをつくりたいという思いから、精密な検査を行うためのMRIを導入しました。MRIの狭い空間や大きな音が苦手だという患者さんはとても多いのですが、当院で導入しているMRIは、体が入るトンネルの開口部分が広く、撮影中の騒音も抑えられているので、患者さんの負担の軽減にもつながっていると思います。脳の疾患というのは、発見が遅れると重症化してしまったり、後遺症が残ってしまったりすることもありますが、受診した当日に検査を受けて、その日のうちに診断や治療方針の決定がスピーディーにできるというのは当院の強みだと思っています。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック4

実は、開業するにあたって、知人や親戚などに「クリニックの医師にどういうことを期待するのか」ということを自分なりに調査してみたところ、「親切であること」という答えがたくさんありました。ですので、私自身も患者さんに対して親切にすることを特に大切にしています。また、中京病院に勤めていた頃の上司の先生が、「挨拶がすべての基本だ」といつもおっしゃっていて、自分が開業する際にも徹底していきたいと思っていました。そういう対応が、患者さんの安心につながるのだと思います。また、診察中は患者さんの顔をしっかり見ながら話を聞きたいと思い、診察中は電子カルテの入力をスタッフにお願いしています。勤務医の頃はそれができていませんでしたが、今はきちんと患者さんと向き合えていると実感しています。

地域のかかりつけ医として幅広い診療に対応

地域医療に対する先生の思いをお聞かせください。

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック5

以前勤めていた市立四日市病院では、脳血管障害に関するスペシャリストの上司がいたのですが、とても素晴らしい医師でした。そういう方が一人でもいることで、万が一脳卒中になってもきちんと適切な治療が受けられるのだと思います。これは市民にとってたいへん幸せなことです。私も開業医になった今、地域に貢献できる医師になりたいと強く感じています。これまでは脳神経外科領域に特化した部分ばかりをやってきたのですが、開業した以上は地域のニーズに合った診療ができるように、知識をしっかりアップデートするよう努めていきたいと思います。例えばリハビリテーションに関しては、勤務医の頃は入院患者さん対象のリハビリが中心でしたが、開業医の場合は患者さんのニーズも違うと思います。高齢の患者さんなどのQOLが向上し、より人生を楽しむことができるようにお手伝いしていきたいと思っています。

先生は予防医療にも力を入れているそうですね。

予防医療は私の大きな課題の一つだと思っています。高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病に関わるところや、高齢の方の認知症など、今後はそういった分野にも関わっていきたいという思いがあって現在も勉強を続けています。勤務医時代には重篤な脳疾患の患者さんを多数診てきましたので、予防はもちろん再発を防ぐ医療にも取り組んでいきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

伊藤元一院長 いとう脳神経クリニック6

脳神経というと脳の疾患だけをイメージされがちですが、実際には「脳」と「神経」の両方が専門分野です。脳卒中や脳腫瘍といった脳疾患から、首・腰の痛みなどの原因となる頸椎症や腰椎症など脊椎に関する部分もMRIで診断し治療ができます。また、風邪や腹痛など、日常生活でよくみられる症状はもちろん、高血圧・高脂血症などの生活習慣病まで、幅広く診療していきたいと思いますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。ご自身でうまく説明ができないという方も、きちんと検査をすることで原因を見つけることにつなげられます。患者さんには、心配なことはすぐに検査をして、その日のうちに結果をお伝えして安心していただければと思います。

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