見た目などメリットさまざま
マウスピース型装置を用いた矯正
アールデンタルオフィス
(千代田区/御茶ノ水駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
歯列矯正というと思い浮かぶのは、笑ったときなどに見える、歯の表面を覆う銀色のワイヤーと金具ではないだろうか。その見た目のイメージを変える矯正方法の一つが、透明なマウスピース型の装置を用いた矯正だ。この装置を装着して、本当に目立たないのか。歯を動かして望ましい歯並びがかなうのだろうか。そうした気になる事情やマウスピース型装置の扱い方の注意点を、「アールデンタルオフィス」の青柳有祐院長に聞いた。
(取材日2020年1月16日)
目次
計画に合わせて歯を動かしていくマウスピース型の装置と、他の歯科治療を組み合わせ理想の歯列をめざす
- Qマウスピース型装置を用いた矯正の特徴を教えてください。
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A
患者さんの口腔内の形状に合わせてカスタムメイドした、マウスピース型の装置を用います。矯正の必要度により期間や段階を14~35回設定し、同じ個数の上下セットを作成。それらは少しずつ形状が異なっており、順番に決められた期間ずつ使っていくことで、徐々に歯列をめざす位置に移動させていくのです。基本的に長く装着するほど、歯に力をかけ続けられるので、睡眠中も含めて1日に17~21時間はつけておくよう指導します。注意点としては、強く噛んで欠けてしまわないように食事中は外すのと、ジュースなど糖分のある飲料は歯と装置の隙間にたまって虫歯のもとになるので、ストローで飲むか、後でしっかりゆすいでもらいます。
- Qワイヤーによる矯正との違いは何でしょうか。
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A
マウスピースは透明なので目立ちにくいほか、自分で着脱できる自由さがあり、外して歯磨きができます。ワイヤー式ではブラケットの部分は歯磨きがしづらいので虫歯になりやすく注意が必要ですし、ブラケットを歯に接着する際に酸で表面を処理して接着しやすくしていきますので、歯のその箇所が弱くなりやすいのが欠点ですね。また、ワイヤーだと就寝中、食いしばりで歯を移動させる以外の力がかかってしまい、矯正力が損なわれる可能性があります。マウスピース型装置の場合ですと、歯を移動させる力を段階的かつ、適切な方向にかけ続けることができ、より効率的でしょう。また、装置が歯全体を覆っていることで噛み締めの緩和も期待できます。
- Qマウスピース型装置による矯正は、どういう方に向いていますか?
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A
歯列矯正自体、審美などの目的で歯並びを整えていきたいと考えられる方が多いため、矯正期間中も見た目が気になる方にはお勧めですね。また、前歯を少しだけ整えたいといった部分矯正にも向いており、ブライダルを控えた方などもよく利用されています。そのほか、歯並びのよくない部分は歯ブラシで磨き残しを作ってしまいやすいため、清掃しやすいように歯列を整えるのを目的とした方にも向いています。抜歯した箇所へ移動させる矯正であれば、マウスピースでも数年くらい前から可能となってきていますので、相談してください。逆に不向きなのは、顎の骨格に原因がある場合ですね。
- Q矯正にかかる期間やプロセスについて教えてください。
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A
口腔内のスキャンデータを3D画像化し、患者さんと画面を見ながら、最終的にどのような歯並びにしたいのかを話し合います。ワイヤー式だと基本的にはU字型が最終形態となりますが、マウスピース型装置であればゴールを自由に設定できるので、少し八重歯気味に残したいなど、さまざまな個別の要望にも応えることが可能です。そうして決めた位置に向け、何段階で動かしていくかを割り出して期間が決まります。半年から2年くらいですね。患者さんには全ステップの装置をお渡しして、ご自身で次のステップへの交換などを管理してもらいますが、当院では1ヵ月~1.5ヵ月ごとに来院いただき、正しく進んでいるか確認、指導を行っています。
- Q日常生活で気をつける点はありますか?
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A
力をかけ続けることが大切なので、頻繁には外さないこと。外すのは食事の時、糖分のある飲料を飲む時、歯磨きの時でしょうか。また、外食して外した際に、お店などに忘れてこないよう注意が必要です。途中でマウスピース型装置をつけない期間ができてしまうと、次ステップのものが入らなくなり、装置を作り直すこともあります。そのほか、矯正期間中に虫歯治療は可能ですが、詰め物でマウスピース型装置と形が変わることを避け、一旦は仮詰めし、矯正完了後に詰め物を入れます。また、最初の計画段階で、歯を動かした後にセラミックなどのかぶせ物まで想定するなど他の治療を組み合わせ、トータルで歯のバランスを考えておくことも可能です。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/25~75万円(税別)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。