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中川 拓 院長の独自取材記事

なかがわ小児科

(豊中市/曽根駅)

最終更新日:2019/08/28

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豊中の地で約40年の歴史を持つ萬谷小児科を継承し、新たに開業した「なかがわ小児科」。院長を務める中川拓先生は、「兵庫県立こども病院」で長年勤務した経験を持つ。小児科全般を診られる医師になりたいという希望を胸に、さまざまな診療科で学んだ。その後は腎臓内科を専門に研鑽も積んだが、今回の縁がつながったことで、元来からの夢であった小児科一般の医師として子どもと向き合う道を選んだ。「今までの経験を生かして新しいクリニックをつくりつつ、萬谷先生のように長い道のりを歩いていけたら」と話す中川院長に、診療にかける思いなどたっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年2月19日)

偶然つながった縁から開業医の道を志す

医師をめざしたきっかけと小児科を選んだ理由を教えてください。

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きっかけは、中学3年生の時の阪神・淡路大震災です。僕の家は半壊だったんですが、同級生のご両親が亡くなられたり、そういう体験を通して医師がいたらすごく助かるし心強いんだと、その存在を意識するようになりました。小児科を選んだのは、もともと年下の子の面倒を見るのが好きだったというのがあって。それで研修していても、子どもの持つエネルギーというか、治そうという力がすごいし、こっちも治してあげたい、子どもの未来を守りたいという思いが強くなるんですね。治療しているつもりが、逆に癒されたりパワーをもらって働ける。医師は大変な仕事だとわかってはいましたが、小児科なら頑張っていけると思い選びました。

専門は腎臓内科だそうですね。

僕はそもそも小児科の全般を診たいという思いが強かったんです。それが、こども病院は各分野の専門の先生がいて、それぞれ専門の科に細分化されていました。それでどの分野に進むか悩んだのですが、いろいろな科で研修を行い、広い分野で子どもを診られるようにと勉強していった中で出会ったのが腎臓だったんです。難しい分野ですが、自分なりに面白さを見つけられたので、日本腎臓学会腎臓専門医の資格を取得するまで勉強させてもらいました。今クリニックでこの専門を生かせるのは、1つは夜尿症。おねしょですね。あとは学校検尿など一般検尿に引っかかった時にも相談に乗れると思います。

今回は別のクリニックを継承して開業ということで、その経緯を教えてください。

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継承の話をいただいた頃は、こども病院でさらに進んでいくのか、別の新たなことをするのか悩んでいる時でした。前院長の萬谷先生とは面識はありませんでしたが、先ほど申し上げた通り、もともとは小児の全身を診られる医師をめざしていたので、それができるのではないかと思い、今回開業に至ったというわけです。改装をして新しく開いたのは2018年9月ですが、その前の4月から先生の後ろについて、患者さんを一緒に診させてもらいました。先生が変わると患者さんも抵抗があるだろうと思って、自分からお願いしたんです。萬谷先生は約40年もここで診療されていて、本当に気さくな方で、子どもも自分のおじいちゃんのように慕っている。普通はクリニックに来るのを嫌がると思いますが、それがすごく少ないんです。僕も先生のように子どもの目線に立って診療をしたいと思っているので、このご縁をつなげていけたらなと思いました。

患者を受ける側と送る側、両方の立場がわかるのが強み

勤務医時代と違う点はありますか?

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こども病院は専門の病院でしたから、患者さんが来るのはたいてい紹介か救急でした。患者さんを受け入れる側として、適切なタイミングで紹介を送ってもらう重要性を感じていました。今は患者さんを送る側として、必要と思ったら迅速に紹介するようにしています。そういう判断ができるのは、これまでの経験が生かされているからこそだと思います。開業にあたっては不安もあったんですが、萬谷先生から「この地域の人は皆良い人だから心配はいらないよ」と言っていただいて。実際、親御さんも真剣に話を聞いて受け止めてくれるし、温かい街だなというのを感じていて、ここを選んで良かったと思っています。

先ほど夜尿症のお話が出ましたが、詳しく教えてください。

夜尿症は、まずどのタイプかというのを診断します。おしっこがいっぱい作られてしまうタイプと、膀胱の容量が小さいタイプ、簡単に分けるとその2つです。夜尿の量や日中どれくらいおしっこを我慢できるのかなど、記録をつけてもらうことでどちらのタイプかを見て、それによって治療法も変わります。あとは治療する前に生活習慣も見直します。寝る前に水分をいっぱい摂取していないかや、夜ごはんから就寝までの時間が短いと夜間の尿量増加につながるので、そういうことも確認しています。また、便秘が夜尿症の原因となることもあるので親御さんの話を聞きながら治療方針を決めていきます。治療の目安は小学校に上がる6歳くらいからでしょうか。ただ、回数が多い人から少ない人までいるし、困っていれば年齢や回数に限らず相談していただけたらと思います。

他に「なかがわ小児科」ならではの特徴は何かありますか?

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血液検査が院内でできることです。簡単な感染症の検査ですが、5分もあれば結果が出ます。外注の検査だと半日から1日かかることが多いので、早く診断をつけて必要な治療ができるようにしたかったんです。感染は主に細菌感染とウイルス感染に分かれますが、抗生物質を治療に使うのは細菌感染のほう。ですから、どちらの感染かを調べ、不必要な抗生物質を出さないよう努めています。基本的に子どもの感染はウイルス感染が多いので、検査は全員には行わず、熱が続いたり、本人の全身状態を診て必要と判断した場合にさせてもらってます。他には、実際に診療をしていて食物アレルギーやスキンケアなどのアレルギーについての相談が多く、地域でのニーズの高さを感じています。そのため、今後当院でも力を入れていきたい分野であり、院内には小児アレルギーの専門知識を持った看護師がおり、スキンケア指導など共同で行っていきたいと思っています。

何でも気軽に相談できる小児科の医師でありたい

診察時に心がけていることを教えてください。

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一番心がけているのは、親御さんだけじゃなくて、子どもにもちゃんと説明してあげることです。もちろんある程度理解できる年齢である場合ですが、大人の言葉だけで話して子どもは何もわかってないという状況ではなくて、子どもにも説明して、納得して治療を受けてもらえたら良いなと思っていて。なるべく子どもに目線を合わせて話したり、説明は親御さん含めて、わかりやすいようにかみ砕いて説明しています。専門的な言葉だけだと親御さんもわかりにくいと思うので。その分話が長くなってしまうこともあるので、スピーディーに、でもわかりやすくというのを心がけています。

今までのご経験で印象に残っている患者さんはどのような方ですか?

僕が働きだした頃は予防接種のワクチンの数がまだ少なくて、感染で後遺症を残したり、場合によっては命を落とす方もいたんです。それがワクチンが始まり変わっていくのを肌で感じました。逆にそれ以前の時期で後遺症を残してしまった経験を、忘れられなくて。もっと早くワクチンが始まっていれば救えたんじゃないかと思うんです。ワクチンは本当に重要だと考えています。数が増えて複雑になっているけれど、ワクチンによって予防につなげられる病気もあるので、必ず打ってもらいたいです。だからスケジュールに迷ったり困ることがあったら、いつでも相談してほしいですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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相談しやすいクリニックでありたいというのは常々思っているんです。育児相談でも何でも遠慮なく、受診の理由とは全然違うことでも良いので、本当に気軽に聞いてもらいたいです。あとは僕がいつも思っているのは、一番子どもを見ているのは親御さんなので、子どもの変化に気づけるのも一番は親御さんということです。だから「何か変だ」と思ったら、それは重要なサインでしょうし、すぐに相談してもらって構わないです。それが診療の助けになることもあるし、病気の始まりということもあるので、いつでも来てもらえたらと思います。今は、萬谷先生のクリニックを引き継ぐ責任もやりがいも感じています。僕も長く続けて、この地域の人から信頼される病院になりたいし、僕なりの「なかがわ小児科」をつくっていけたらなと思っています。

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