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更年期障害と勘違いされやすい
女性に多い甲状腺疾患について

姜内科クリニック

(大阪市東成区/今里駅)

最終更新日:2024/08/27

姜内科クリニック 更年期障害と勘違いされやすい 女性に多い甲状腺疾患について 姜内科クリニック 更年期障害と勘違いされやすい 女性に多い甲状腺疾患について
  • 保険診療

異なる病気でありながら、よく似た症状や勘違いしやすい症状が現れるケースは珍しくない。「頭痛」は、風邪をはじめとする感染症、目や脳、内臓の病気、副鼻腔炎など、数多くの病気で見られる。こうした場合、自覚症状だけで自己判断すると、危険な病気を見過ごしてしまうことにもなりかねない。「姜内科クリニック」の姜信午(かん・しの)先生が警鐘を鳴らすのは、更年期障害の女性に現れるさまざまな症状。甲状腺疾患の症状とよく似ていて、勘違いする人が多いそうだ。更年期障害と間違われやすい甲状腺疾患とはどのような病気なのか、気をつけるべき症状や治療の進め方などもあわせて、甲状腺疾患に詳しい姜先生に話を聞いた。

(取材日2020年10月5日)

充実した検査機器を生かして検査当日に迅速診断。 症状を丁寧に診ながら病気をコントロール

Q甲状腺疾患とはどんな病気ですか。
A
姜内科クリニック 甲状腺疾患について話す姜先生

▲甲状腺疾患について話す姜先生

甲状腺疾患は、甲状腺ホルモンの量が、通常より多い甲状腺機能亢進症と、通常より少ない低下症とに大別できます。このうち、更年期障害と間違われやすいのは、ホルモンが多い亢進症のほうです。息切れや動悸、手指の震え、集中力の低下、暑がりで汗をかきやすいといった、更年期障害とよく似た症状が現れます。亢進症のひとつバセドウ病は、刺激物質により甲状腺のホルモン分泌が過剰になって起こります。甲状腺内部のしこりや甲状腺の炎症も原因になります。一方の低下症の場合は、極端にホルモンが減少すると、便秘や筋力の低下、強い眠気といった症状が現れることもありますが、更年期障害と混同されるような症状はあまり見られません。

Q甲状腺疾患に気づかずに放置すると、どうなりますか。
A
姜内科クリニック 患者にわかりやすく図を用いて説明する

▲患者にわかりやすく図を用いて説明する

バセドウ病の場合、適切な治療を受けてホルモンの量をコントロールしないとホルモン量がどんどん増加していきます。体重減少や頻脈が起こり、さらに悪化すると、心臓への負担が大きくなって救急搬送という事態に陥るケースもあります。この段階まで重症化すると、薬でホルモン量をコントロールすることがかなり難しくなります。場合によっては生命に危険が及ぶこともありますので、できるだけ早い段階で治療することが望ましいといえます。当院では、最近はインターネットなどを使って症状について調べ「甲状腺の病気ではないでしょうか」と、受診される方が多くなってきました。

Q検査はどのような方法で行いますか。
A
姜内科クリニック 甲状腺疾患の治療のための設備が充実

▲甲状腺疾患の治療のための設備が充実

血液検査と超音波検査を行います。血液検査では、甲状腺ホルモンの量と甲状腺を刺激する物質の量を測定します。ただし、血中に甲状腺ホルモンの量が多いというだけで、すぐに甲状腺疾患と診断はできません。甲状腺はホルモンの製造と貯蔵を担う臓器です。血中ホルモン量が多い場合には、製造過多のほか貯蔵庫から漏れたものが血液中に入り込んでいる可能性もあるので、専門的な知識を持った医師の診断が必要となります。一方、超音波検査では、甲状腺の腫れや内部の血流の状態などをチェックします。当院の場合、血液検査の結果が1時間ほどでわかります。このため、検査をした日に診断して、治療が必要な場合は即日スタートが可能です。

Q治療法について教えてください。
A
姜内科クリニック 実際に甲状腺を撮ってそれを見ながら説明してくれる

▲実際に甲状腺を撮ってそれを見ながら説明してくれる

バセドウ病の場合は、ホルモンの量を少なくするための薬を服用し、状態を維持することをめざします。ただし、すぐに効果が現れるわけではなく、継続して服用する必要があります。多くの人が年単位の服用を必要とします。もし長年薬を服用しても改善が見られない場合は、甲状腺の切除手術や、放射線物質を服用するアイソトープ治療などを検討します。手術の場合は1週間〜10日の入院が必要です。

Q通院の頻度はどれくらいですか。
A
姜内科クリニック 丁寧に説明してくれる姜先生

▲丁寧に説明してくれる姜先生

状態が安定している方なら、通院は3ヵ月に1回程度です。頻度が高くなると患者さんの負担になるので、当院ではできるだけ2ヵ月に1回程度の通院に抑えるようにしています。ただし、状態が不安定な時は毎月診させていただくほうが安心です。また、ホルモンの量を少なくするための薬は副作用の可能性があるので、服用開始から2ヵ月間は2週間ごとに血液検査を行います。副作用で最も注意したいのは、顆粒球という免疫物質の機能が低下して体全体の免疫力が低下することです。このほか、肝機能障害のリスクもあります。薬を続けていると、突然副作用が起こることがあり、薬の服用を中止せざるを得ないので、手術など他の治療法を検討します。

ドクターからのメッセージ

姜 信午院長

通院・受診に伴う患者さんの負担を、できる限り少なくしたいと考えて、スタッフとともにいろいろな工夫を重ねています。専門的な検査機器をそろえており、1時間院内でお待ちいただければ、検査の結果がわかります。通常は病院での検査になる甲状腺腫瘍の細胞の精密検査も、受診の当日に結果がわかります。また、待ち時間が少なくなるよう検査機器の配置やスタッフの動線なども考えて、できるだけ無駄なく動けるように配慮しています。こうした迅速な検査の結果を生かして、丁寧に診断し、適した治療法を提案いたします。当日中の検査結果を希望される方には、対応可能な時間帯を設定させていただきますので、ご予約時にお尋ねください。

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