子どもの発達が気になったら
一人で悩まず早めに相談を
さくらキッズくりにっく
(世田谷区/桜新町駅)
最終更新日:2022/01/25
- 保険診療
同じ月齢の子どもよりも言葉が遅い、落ち着きがない、集団行動が苦手など、わが子の発達が気になったり、育てにくさを感じたりしている人もいるのではないだろうか。「お子さんの発達に不安を抱えたままの育児は、精神的にきついと思います。一人で抱え込まず気軽に相談してほしい」と話すのは、東京都世田谷区にある「さくらキッズくりにっく」の藤井明子院長。同院では一般の小児科のほか発達の相談に対応している。診療・カウンセリング・療育の3本を柱に、医師・看護師・臨床心理士・言語聴覚士・保育士など多職種が連携して小児の発達をサポートしている。発達障害やてんかんなどの小児神経を専門とする藤井院長に、子どもの発達障害について話を聞いた。
(取材日2022年1月12日)
目次
発達の相談・発達支援室を開設。発達の遅れが気になる子どもを多職種で支える
- Q小児の発達障害とは、どのようなものでしょうか?
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A
発達障害は生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、行動面や情緒面に特徴がある状態で、自閉スペクトラム症(自閉症)や注意欠如・多動症、学習障害、チック症、吃音などさまざまなタイプがあります。また、こうした特性があるために友達や先生との関係がうまく築けず、不登校などの二次的な問題が起こることもあります。小児の発達障害は「発達障害を治す」のではなく、お子さんとの接し方や困り事への対応方法を医療者とご家族が一緒に考え、お子さんが過ごしやすい生活環境を整えてあげることが大きなポイントになります。環境調整を行うことで二次的な問題を防ぎ、社会的な居場所を失わないようにすることが大切だと思います。
- Qどのような相談が多いのですか。また適切な受診のタイミングは?
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A
言葉が遅い、視線が合わない、落ち着きがない、かんしゃくがひどいなど、言葉や社会性の面でのご相談が多いですね。1歳6ヵ月児健診や3歳児健診で発達の遅れを指摘されたり、保育園・幼稚園からお友達とのやり取りが難しいなどと言われたりして受診する方が多いのですが、中には「健診では問題ないと言われたけれど、心配で」という方もおられます。お子さんの発達が気になったときが受診のタイミングです。一人で抱え込まず、気軽に相談してください。発達障害を扱う医療機関は数が少なく予約が取りにくいかもしれません。その場合は地域の保健センターや保育園・幼稚園の先生、小学校のスクールカウンセラーなどに相談しても良いでしょう。
- Qこちらの診療の特徴と、診察の流れを教えてください。
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A
当院には医師、看護師のほか、臨床心理士、言語聴覚士、保育士などが在籍し、多職種でお子さんの成長を支援しています。まず医師がお子さんの心配な症状をお伺いし、おもちゃを使って一緒に遊ぶなどしてお子さんの行動を診察します。その後、必要に応じて心理士が知能検査や発達検査、学習障害のスクリーニングなどを行い、院内に併設する発達支援室または地域での療育をご案内します。療育は言葉や社会性、情動コントロールを促すトレーニングや言語聴覚士による言語訓練などさまざまです。また、成長とともに悩みや困り事は変化します。当院では中学3年生までのお子さんを受け入れており、定期的な診察と療育を継続できる体制を整えています。
- Q診察を受けるにあたって保護者が気をつけることはありますか。
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A
わが子が発達障害だとわかってショックを受ける反面、もやもやと抱いていた不安が解消でき、診断がつくことで次のステップに進めることはメリットだと思います。だからといって、必ず診断が必要なわけではありません。例えば2、3歳児に落ち着きがないのは当たり前で、お子さんへの接し方をアドバイスするだけで経過を診ていくこともあります。どのお子さんも成長する力を持っています。大人は子どもの成長を妨げず見守っていくことが大切です。一方、不眠やかんしゃくが激しすぎるなど、生活に支障がある場合は薬を処方することもあります。お困りのことがありましたら、相談してください。
- Q療育のサポート体制について教えてください。
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A
親御さんを対象とした心理士によるカウンセリングや、お子さんの特性を踏まえた接し方を学ぶペアレントトレーニングなど、親御さんへの育児支援にも力を入れています。中にはお子さんの行動を許容できず、きつくあたってしまう方もおられますが、その場合は親御さんご自身の成育環境などもお聞きして、必要があれば精神科や心療内科への受診を促しています。また、家庭だけでなく、学校や幼稚園・保育園での対応も重要です。お子さんの特性をお知らせして適切な対応をお願いする診療情報提供書の作成や、療育・福祉サービスを受ける際に必要な診断書の作成も可能ですので、ご相談ください。