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平田 嘉幸 院長の独自取材記事

ひらた内科・在宅クリニック

(川口市/蕨駅)

最終更新日:2019/08/28

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2018年10月に開院した川口市芝下の住宅地にある「ひらた内科・在宅クリニック」は、「地域の人々を最期まで診る」ことを使命とするクリニックだ。院長は、済生会川口総合病院で消化器内科専門に診療を行い、他クリニックで訪問診療や内科診療の経験も積んだ平田嘉幸先生。自身が生まれ育った地で地域医療を提供するために、外来と訪問の両体制を取っている。外来では風邪や発熱などの急性疾患や、糖尿病や高血圧、高脂血症などの慢性疾患の治療から胃・大腸内視鏡検査まで行い、訪問診療ではケアマネジャーや介護側と密に連携して一人ひとりの状況に合わせたきめ細かなサポートを実施。自身も難病を患っていた経験から「同じように苦しんでいる人を治してあげたい」という思いを持つ平田院長に、話を聞いた。
(取材日2018年11月12日)

使命は「地域の人を最期まで診る」こと

まずは、開業のきっかけから教えてください。

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もともと専門が消化器内科だったことから、がん患者さんを診療することも多く、それに伴い終末期といわれるターミナルケア期の方も多く診ていました。しかし病院では、患者さんが緩和ケアが必要な状態になり通院できなくなると、施設や療養病院に入ることになっています。そのため、僕が最期まで診ることができなくなってしまっていたんです。地域で訪問診療という形なら、最期まで患者さんを診て差し上げることができると思ったこと、また地域医療をしたいと思ったことが、こちらで開業したきっかけです。ここは僕が生まれ育った場所で、この土地以外で開業するという考えはなかったです。周りもよく知っている方ばかりで、母や父、子ども時代の僕を知っているという方も多く来てくださっているんですよ。

開業にあたり特にこだわった点はありますか?

外来と訪問診療の両方を行えるようにしたことです。やりたかったのは「地域の方を最期まで診ること」なので、通っていただける方はこちらで診て、来られなくなったら今度は僕が訪問し、最期は看取りまで行う、というスタイルです。そして在宅で必要になった際に、他の医療機関に行くことなくこちらで検査や治療が行えるというのも、強みだと考えています。このクリニックで、できる限り何でも診ていけるように体制を整えたいと思っています。僕の専門である消化器疾患や内視鏡検査はもちろん、風邪や腹痛といった急性疾患や糖尿病、高血圧などの慢性疾患に、花粉症、アレルギー症、めまい、貧血など、基本的にどんなご相談でも対応しています。

内視鏡検査も受けられるのですね。

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胃と大腸のどちらでも可能です。胃の検査では経鼻内視鏡を使用しますので、管の直径は6mmほどです。だいたいうどんと同じぐらいのサイズ感ですから、苦しさはかなり少ないと思います。喉の奥に当たり苦しくならないよう鼻から行う場合が多いですが、鼻が詰まっていたり、痛みがある方もいますので、経鼻か経口かは患者さんの希望に合わせて変えています。大腸の検査は、大腸がんのほかポリープや潰瘍性大腸炎の発見、その他大腸に異常がないことを確認する際に役立ちますね。当院でポリープが見つかった場合、組織の一部を取って良性か悪性かを調べる病理検査まで行うことができます。内視鏡検査以外の検査としては、レントゲンや腹部、頚動脈、甲状腺などを診るエコー検査が可能です。訪問診療用のポータブルエコーも設置型と差がない性能のものを導入しているので、腹水や腫瘍のチェック、残尿量のチェックなど、訪問診療でも幅広い検査ができますよ。

治療の障害を一つ一つ解決していくのが大事

訪問診療ではどんな方が多いのでしょうか?

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訪問診療の患者さんは、通院ができなくなってしまったけれど医療を必要としている方が対象なので、本当にさまざまです。多いのは、老衰で動けなくなってしまった方。後は、認知症で通院の仕方がわからない、心不全や呼吸不全で動くのが危険な方、骨折や脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などで通院が困難な方、ターミナルケアが必要ながん患者さんなどです。がんであれば痛みのコントロールが必要となりますし、呼吸器なら在宅酸素をどう使うか、認知症なら介護ケアをどういうふうに入れていくか……など、ご本人やご家族、ケアマネジャーさんともよく相談しながら、在宅管理のプランを立てていきます。

訪問診療にあたって、外来診療との違いを感じることはありますか?

在宅医療は外来と比べて、ご家族とも顔を合わせられますし、比較的時間がゆっくりとれますのでより深く話せるのではないかと思います。在宅で長く話したからこそわかることはたくさんあります。例えば、治療法がうまくいかない理由は何なのか考えるとき、それは薬が飲めないからなのか、薬の使用法を間違えているからなのか。薬が飲めないなら、それは形状が合わないからなのか、飲み方を忘れているからなのか、そもそも取りに行けないのかなど、「病気を治すのに何が問題になっているのか?」を一つ一つ確認して、治療につなげていきます。そして、飲み薬が飲めなくなった場合はテープにするのか、テープにするならば誰が取りに行き、誰が張り替えるのかまで考えて、無理なくできるものにしていく。そういったことをご家族やケアマネジャーさんなどと一緒に工夫し組み立てていくのが、在宅医療では大事だと思っています。

患者さんに向き合う際に大事にしていることを教えてください。

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まず話を聞き、何が問題になっているかを一緒に考えることです。そして、薬を使わなくても治る病気はたくさんありますから、よく話を聞いた上で、薬は必要であると判断した時のみ使うようにしています。例えば「眠れない」というご相談は多いのですが、お話を伺ってみると、日中お昼寝をしている、外に出ることが少なく体を動かさない、夜8時から朝8時まで寝ようとしているなど、習慣が問題である場合も少なくありません。それを聞かず安易に睡眠薬を出すことは、薬が癖になる原因にもなりますし、高齢者だとふらついて転倒し骨折することにもつながってしまいます。使わなくていいならどんな薬も使わないほうがいいと考えていますので、しっかり話を聞いて見極めるようにしています。

健康や介護、将来の不安も気軽に相談を

これまでで、特に印象深い患者さんはいらっしゃいますか?

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やはり病院勤務時代に、ターミナルケアで診ていた患者さんたちでしょうか。皆さん、口をそろえて家に帰りたいとおっしゃっていました。当時は在宅療養の環境も整っておらず、点滴をしていたり鼻から管を入れているだけで自宅に帰れないのが当たり前でした。今であれば、どちらも在宅医療で対応することが可能です。在宅でできることは、ここ数年間で格段に広がりました。誤嚥性肺炎でも点滴の管理ができるなら在宅で大丈夫ですし、一人暮らしの方でも、訪問診療が入っていれば自宅で看取ることができます。もちろん入院を希望される方もいらっしゃいますし、入院しないと治せないケースや在宅だと治療期間が長くなるケースもあるので、どんな選択肢があるのかお話しした上で、患者さんやご家族と相談して決めています。

今後の展望についてもお聞かせください。

2019年4月から1人、外科の先生に来てもらい、外来担当1人、検査・訪問担当1人という体制にする予定です。さらに将来的には介護系の施設も担当を持って、当院だけで対応できるようにしたいですね。またより多くの訪問診療の患者さんを受け入れられるようにしていきたいですし、僕自身が勉強しなければいけないこともたくさんあります。環境を整え、知識をつけて、どんなことでもできる限りここで対応できるようにしたいと思っています。

最後に、読者に一言お願いします。

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病気だけでなく、健康相談から今後の自分の最期についての相談など、いつでも気軽に来てください。実は僕自身、腎臓の病気で3歳から高校生まで入院と自宅療養生活の日々を送ってきましたので、患者さんの立場に立ったお話もできると思います。特に症状はないけど健康が不安、がんが不安、将来の介護が心配というのでもいいですし、将来こんなふうに暮らしたいけれどできるのかな?ということでも構いません。何となく不調だけど、どこにかかっていいのかわからないなら適する病院を紹介しますし、合いそうであれば漢方の処方なども行っています。診察室はプライバシーに配慮して完全個室に設計し、隣の部屋の声も聞こえないようになっていますから、不安なこと、気になる症状などがあれば、まずは足を運んでもらえるとうれしいです。

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