脚のしびれを伴う腰痛に要注意
腰椎分離症や圧迫骨折のケースも
北千葉整形外科幕張クリニック
(千葉市花見川区/海浜幕張駅)
最終更新日:2024/11/25


- 保険診療
年齢を重ねると腰痛の悩みも増えてくる。中には脚のしびれを伴う症状も少なくない。「北千葉整形外科幕張クリニック」の寺門淳理事長の専門分野は脊椎だ。腰痛に加えて脚のしびれも見られる場合「レッドフラッグ」と呼ばれる要注意の症状にあたるのだと話す。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症等がよく見られる疾患だが、中には腰椎の圧迫骨折を起こしていて、その骨片が神経を圧迫しているケースもあるのだという。また、「20歳以下の腰痛も注意が必要です」と寺門理事長。腰椎分離症はスポーツをする子どもに多くみられるが、分離部の炎症が強いと脚のしびれを来すこともあるという。今回は寺門院長に整形外科を受診する患者の訴えとして特に多い症状である腰痛を来す病気に関する話を聞いた。
(取材日2022年1月31日)
目次
脚のしびれを伴う腰痛、子どもと高齢者の腰痛は要注意。整形外科を受診し、脊椎専門の医師による診断を
- Q腰痛を来す病気にはどのようなものがあるのか教えてください。
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A
▲腰椎分離症を専門としている寺門理事長
腰痛を来す疾患には内科的なものや婦人科的なもの等を含めてさまざまあります。整形外科に関係する腰痛は大きく特異的なものと非特異的なものに分けて考えます。特異的なものとは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症や腰椎圧迫骨折など原因となる疾患がはっきりとしている腰痛のこと。非特異的なものとは原因のわからない腰痛です。ひと昔前は非特異的腰痛が8割を占めるといわれてましたが、最近では、MRI検査などにより、原因を特定できるケースが増えています。例えば子どもたちの腰椎分離症であったり、高齢者に見られる腰椎圧迫骨折です。原因となる病気を特定して治療するのが、現代の整形外科診療における主流であると思われます。
- Q脚のしびれなども気になります。どんな病気が考えられますか?
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A
▲MRIなどの精密検査で原因を確かめる
腰痛に加えて下肢の痛みやしびれ、いわゆる坐骨神経痛を伴う場合、整形外科診療の「レッドフラッグ」と呼ばれる要注意の症状にあたります。MRIなど精密検査で原因を確かめ、早い段階で適切な治療を受けることが大切です。具体的には腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊椎管狭窄症などの病気が考えられます。高齢者では腰椎圧迫骨折により生じた骨片が、神経を圧迫して坐骨神経痛を来しているケースもあります。また、子どもの腰椎分離症でも分離部の炎症が起こると脚のしびれを合併することもあります。また腰痛がなければ、末梢神経障害であったり、中枢神経由来のもの、循環障害や糖尿病による内科的疾患等も脚のしびれを起こすことがありますね。
- Q子どもの腰痛ではどのような病気が考えられますか?
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A
▲子どもが1週間以上腰痛を訴えていたら、まず受診を
スポーツをする子どもたちによく見られるのは腰椎分離症という腰椎の疲労骨折です。腰椎分離症は中学生や高校生に多く見られるのですが、小学生にも認められます。先ほど述べたとおり20歳以下の腰痛は「レッドフラッグ」に該当します。特に小学生の子どもが腰痛を訴えるということはあまりなく、保護者や指導者がしっかりとその訴えに耳を傾けていただきたいと思います。成長期の腰椎分離症は早期発見・早期治療を行えば8割以上が治癒をめざせます。しかし、成長期に腰椎分離症が完成してしまうと、成人後の椎間板ヘルニアの原因にもなりかねません。お子さんが1週間以上にわたり腰痛を訴えている場合、軽視せず整形外科を受診しましょう。
- Q腰痛やしびれがある場合、どちらで受診すれば良いのでしょうか?
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A
▲腰痛や脚のしびれは脊椎専門の医師に診てもらうのがいいと話す
腰痛や脚のしびれがある場合には、整形外科の医師の診断を受けてください。中には整骨院や整体での施術をお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが整骨院や整体は医療機関ではありません。エックス線やMRIを用いて診断を行い、症状に合った治療や薬の処方を行うのは医師の役目です。整骨院や整体での施術は、医療機関での診断や治療を受けた後に必要に応じて行うものなのです。特に「レッドフラッグ」に該当する腰痛は専門的な診断と適切な治療を要することが多いです。診断・治療が遅れると将来的に後遺症を残すこともありますので、腰痛や脚のしびれはまず整形外科の医師、できれば脊椎専門の医師に診てもらうことをお勧めします。
- Qこちらではどんな診断・治療が受けられるのでしょうか?
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A
▲診断から治療、リハビリテーション、手術と幅広く対応する同院
まず、当院の脊椎専門の外来の担当医師は私をはじめ全員が脊椎脊髄外科のスペシャリストです。医療器具としてはエックス線、CTをはじめMRIや超音波診断機、筋電図、全身型骨密度定量器等の先進の医療機器を装備しております。治療では患者さんの年齢、筋力、病態に応じてリハビリテーションを個別に行っているのが最大の特色です。また、必要に応じてペインクリニックでブロック治療も行っています。入院・手術が必要な患者さんに対しては日本麻酔科学会麻酔科専門医が麻酔を行い、当院の脊椎を専門とする医師が手術を行っています。さらには千葉大学病院等とも提携を結んでおり、難病に対しては紹介をしております。