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吉原 正宣 院長の独自取材記事

足と歩行の診療所

(大田区/蒲田駅)

最終更新日:2025/06/12

吉原正宣院長 足と歩行の診療所 main

JR京浜東北線・東急池上線の蒲田駅の近くにある「足と歩行の診療所」は、日本ではまだ少ない足のトラブルを専門に診るクリニック。扁平足や外反母趾をはじめ、糖尿病やリウマチにより足が変形し歩きにくいといった悩みまで、さまざまな足の症状に対応している。「足の悩みをどの診療科に相談すればいいのか、迷う患者さんは多いですね。人には伝わりづらい痛みやしびれ、疲れやすさなど、どのようなことでも、気軽に相談してほしいですね」と話す吉原正宣院長。気さくで話しやすい印象だが、一人ひとりの患者に真摯に向き合う姿からは「歩けない人を一人でも減らしたい」という熱い思いが伝わってくる。そんな吉原院長に同院の診療について語ってもらった。

(取材日2025年1月20日)

足の痛みや病気を専門的に診療

「足を専門的に診る医師」とはどういうものか教えてください。

吉原正宣院長 足と歩行の診療所1

足部や足関節など、下肢を専門に診療する医師のことです。世界ではかなり古くから存在していて、紀元前に書かれた資料にも登場しています。アメリカでは足の専門家たちの組織ができてすでに150年近いともいわれているんですよ。足の病気の例を挙げると、糖尿病の患者さんは足に傷が発生しやすく、最悪の場合切断しなければならないケースがあります。また、関節が痛いという患者さんの中には、足に巻き爪やうおのめがあり、それをかばいながら歩行を続けていることが原因になっているケースもあります。その場合、関節だけを治療しても、根本の原因である巻き爪やうおのめを治さなければ、痛みを繰り返してしまうことになります。足を診るということは、足のさまざまな症状が体の不調につながることを防ぎ、生涯にわたり元気に歩き続けるための治療とサポートを行うことだと考えています。

どういった患者さんが来られていますか?

ご高齢の方を中心に、中学生や高校生、生後数ヵ月の赤ちゃんまで幅広い年齢層の方が診療に来られます。ご高齢の方は歩きにくさや足のしびれ、足が疲れやすいなどの不調が多く、若い方では外反母趾や扁平足の痛みに悩まれているケースが多いですね。特に、新型コロナウイルス感染症が流行してからは、皆さんの運動量が減り、その結果として体重が増えたり筋肉が落ちてしまったりして、外反母趾の痛みや、膝の痛みが強くなっている方が増えているように思います。また、寒さが厳しい時期も、外出を控えがちになり、運動量が減って痛みが増すという方は多いですね。できれば家の周りだけでもいいですから、散歩やウォーキングを続けることが必要だと思います。

具体的にはどのような治療を行っていますか?

吉原正宣院長 足と歩行の診療所2

足に関する悩みはなんでも対応しています。具体的には扁平足や外反母趾、甲高、足の指や爪の変形、うおのめ、たこ、水虫、糖尿病やリウマチの方の足に出る症状ですね。難治性の足底腱膜炎の症状には、先進の体外衝撃波疼痛治療装置を用いて治療しています。また、来院いただいた患者さんには、必ず歩行に必要な骨格や筋肉量、関節可動域、歩行時の衝撃の度合いを検査しています。歩行を視覚的に分析する「歩容解析(ほようかいせき)」を行って歩き方をチェックし、痛みの改善につなげるための適切な歩き方を指導しています。

主観的な痛みを数値化する装置を導入

痛みの度合いを計測し可視化する装置を、新たに導入されたそうですね。

吉原正宣院長 足と歩行の診療所3

痛みの感じ方は人によってまちまちで、訴え方にも個人差があるんですね。そういった患者さんの痛みの表現には医師側との乖離があると感じ、客観的に評価できる測定装置が必要だと考え導入しました。この装置は、患者さんにいくつかの程度の違う痛みをシミュレーションし、患者さん本人の痛みと同程度の強さのところでボタンを押してもらい、程度を数値化するしくみです。治療をして「どうですか?」と患者さんに尋ねるときも、「良くなりました」という方もいれば「歩けるようになったけど痛みは変わらない」と答える方もいます。そうした場合にも、この装置を使えば客観的に評価ができます。もちろん、痛みの感じ方は気持ちの問題も大きいので、「痛みが変わらない」という答えがあって当然なんですが、もし治療後の変化を装置で測り数値化して患者さんに提示できれば、私たちの治療の手助けになると考えています。

痛みの治療について患者さんの反応に変化はありましたか?

先ほど例に挙げたように、言葉での表現の仕方は、本当に個人によって違うのを実感します。けれども、患者さんに計測した数値を見てもらえることは、安心できる材料の一つになるということも感じています。治療の経過を確認する以外にもう一つ、糖尿病の神経障害の検査にも役に立っています。糖尿病が進行して神経障害が現われると、振動覚や痛覚が弱くなるんですが、装置で痛みをシミュレーションすることで、痛みの感じ方も判定できるんですね。痛みを感じるか、感じないかをデータで確認できるのは、患者さん自身に神経障害の度合いを理解してもらうのに非常に役立っていると思います。

治療に「医療用インソール」も使われていると聞きました。

吉原正宣院長 足と歩行の診療所4

足の病気には、足の構造をどうにかしなくてはいけない場合もあります。例えば、外反母趾や足底腱膜炎は、手術が必要なケースも少なくありません。不安を抱え来院した患者さんに、医療用インソールは手術以外の治療法として重要な選択肢になり得ます。医療用インソールのいい点は、患者さん一人ひとりの足に合わせて調整が可能で、構造や骨格の機能をきちんと診た上でオーダーメイドで提供できることです。足の痛みやしびれの他、足裏のたこなどの不具合で歩きにくさ、疲れやすさを感じている方にも、症状の悪化を予防する目的で使用するケースも多いですね。

足に特化した医療を地域ぐるみで推進する

診療の際に大切にしていることは何ですか?

吉原正宣院長 足と歩行の診療所5

「歩くことができない人をなくしたい」という思いで、日々の診療にあたっています。こちらが複数提示する治療法を、患者さんがきちんと納得した上で、選択していただくことが大事だと考えています。例えば、手術が怖いという患者さんには、症状を和らげるための薬やトレーニング、インソールの提案、靴の履き方の指導などを通して症状の改善をめざす場合もあります。また、扁平足や外反母趾の患者さんは、足が痛いと悩んでいても人に伝わりづらく、うまく相談できていない場合も多いんですね。時間をかけて丁寧に話を聞き、痛みを測定して数値化する装置を利用して痛みの度合いを探るなどして、患者さんの悩みを少しでも解決できるようにしたいと考えています。

今後の展望を教えてください。

開業してしばらくたちましたが、このエリアは近くに総合病院や大学病院などもそろい、地域ぐるみで医療を行う体制が整っていると感じています。私の所で対応しきれない患者さんがいたとしても、当院が窓口となり他の医療機関につないだり、逆に大きな病院では時間がかかってしまうことをクリニックや診療所で担ったり、足に特化した医療を地域全体で提供できたらいいなと考えています。そういったネットワークづくりに力を入れ、啓発イベントなども行い、地域としての医療機能をどんどん進化させていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉原正宣院長 足と歩行の診療所6

健康な人は1万5000歩くらいなら平気で歩けるのですが、2000~3000歩程度ですぐに疲れてしまうという人は、足に何らかの問題を抱えている可能性があります。関節の痛みやむくみが原因だったり、靴が合っていなかったり、扁平足やその他の病気が原因だったりする場合もあるかもしれません。高齢の方は足が痛くて動かないでいると筋力が落ちてしまい、転倒の可能性も増え、寝たきりになってしまうというケースも多く診てきました。きちんと歩き、散歩やウォーキングなどの定期的な運動を行えば、代謝が上がり、冷え性の改善やひいては心筋梗塞などの予防にもつながります。当院では訪問診療も行っていますので、足にお悩みのある方は、一度ご相談いただければと思います。

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